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第116話

 「テッちゃあ~~~ん会いたかったわよぉ~~~~」


自分の精神世界から無事生還してから村の散歩を楽しんでいると聞いたことのある声と共に凄まじい勢いで走ってくる人影がある。


 「・・・なんだありゃ?」


 テツが目を細めてみてみるとそれはだんだん近づいてきて正体がわかる。


 「・・・アクロスか、あいつ、あんなに速いの? 恐ろしいやつだな・・・」


そんな事言っているうちにだんだん近づいてきて、アクロスがハグのポーズを取って"胸にとびこんでおいでぇ~"と絶叫してくるのでヒラリとかわす。


 「おお、じいさんのこの杖風魔法仕込んでるっていってたか、めちゃ身軽にうごけるな」


 そういって、派手な音をたてて転んで吹き飛ぶアクロスをよそに右手に握った杖の調子を確かめて喜ぶ撤であった。


 「なかなか熱い挨拶だったわテツちゃわぁぁん」


 よろめいて立ち上がるアクロスだったが、転んださきの地面が顔型に凹んでおり衝撃の強さがうかがい知れた。


 「お、わりぃわりぃ、なんかモンスターかと思って」


 「もう、いけずねテツちゃんたら」


 頭から軽い出血しながら、鍛え抜かれた身体をくねらせる坊主頭の男性、モンスターか悪魔憑きかなにかしのアレな人と思われても仕方のない絵面であったし、そのあまりにもアレな絵面にスカーが少し恐怖を感じて吠えていた。


 「よしよし、スカー怯えなくてもいいって、この人"変"な人だけど悪い奴じゃないから」


 そういってスカーを撫でてやると落ち着いた様子を見せる。


 「そうなのか、こういう奴はだいたいヤバいやつと相場が決まっているからな驚いちまったぜ」


 スカーはそういうと、アクロスにワンっと一言謝るのであった。


 「で、アクロスなんでこっちにきたの? 祭りおわったから振り付け師の仕事も終わったハズだけど?」


 テツがそういうといきなり大泣きして白いハンカチーフをとりだして咬みはじめる。


 「うんもう、いけずなんだからぁ、あなた達がハツネちゃんを探しに旅にでた後、護衛を任せられる人材がいないから替わりに雇われたのようワタシ」


 そういうとテツが一瞬の沈黙の後に目を見開いて驚く。


 「ええー、何おまえそんなのできるの!? 正直驚いたわ!?」


そうやって驚いた顔を見せると自慢気にムネを反らすと得意気になるのであった。


 「おほほほ、これでもワタシは小さな国で王様の護衛も勤めてたんだから、もっと誉めてもいいのよぉ」


 「あ、いやべつにいいです」


 「そう? つれないわねぇ」


 等と会話していたが、テツが聞くところによるとシノブがよこした連絡により急遽連絡&調査係としてよこされたのだという。


 「ほんとに、ブラウンの旦那様は人使い荒いんとから、けどそこも素敵」


 そんな事を、いいながらクネクネするアクロスを見てアイツも大変だな・・・と思うテツなのであった。

 


 

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