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第99話

 「うう、本当に良かったです、もしこのまま目をさまさなかったらと思うと私・・・」


シノブが涙やその他もろもろでグシャグシャになった顔で更に泣きだす。


 「ああ、なんか迷惑かけちゃったな、って泣き止んでたいした事ないから」


 テツがシノブを励ます為にそういうとシノブは身を乗り出して何故か少し怒りだす。


 「そんな事なかったんですよ!? ハツネは私以上に暗殺のプロなんです、げんにテツ様は一週間寝てらしたんですよ!? 多分ためらいもあって傷がまだ浅い方だったんでしょう、本気だったらすでにあの世いきです、ぅぅぅうわぁあああん」


 そういうとシノブはまた泣きだす、とその声を聞きつけて皆がやってくる。


 「テツさん、目をさましたんですね、ほんっっとうに良かった・・・」


ミュウが駆けつけて涙ながらにそういうと、安堵のため息とともに、近くにあった椅子に力なくへたりこむと、ゼウが嬉しさのあまりベッドの上に飛び乗ろうとするが飛び上がれずヨタヨタと回りをしかたなく歩き回り心配そうにテツを見上げる。


 「よく目を覚ましたな、嬉しいぜだって? 俺もお前の顔見れて嬉しいよゼウ」


 テツがそういって、ゼウの頭を撫でてやると嬉しそうにワンっと吠えるのであり、そして孤児院の子ども二人もやってくる。


 「あー、テツ兄ちゃん生きてるー」


 と片方がいうと、もう片方が"起きてるでしょ"、と注意をすると、"そうだったと"と舌をだしてペロッと謝る。


 「おうよ、生きてるぜ」


 テツがそういうと軽く笑いが漏れ、そこへブラウンとマエダがやってくる。


「お、何かと思えばやっと目を覚ましたのだなテツよ、ウムウムそれで良い」


 ブラウンがそういうとマエダも豪快に笑って声をかける。


 「ガッハッハッハッ、無事でなにより、大したもんだ」


 テツのケガの考慮してか肩をバンバン叩かずに頭をフワッと撫でてみせると、少し照れた顔を見せるテツだあったが、そこへ振り付け師のアクロスが泣きながらテツに抱きつこうとするが、マエダに襟を掴まれ寸でのところで引き留められる。


 「あらヤダこんなに近いのに遠いなんて」


 「イヤイヤ、お前さんの距離あったけ?」


 とツッコミをするとまた笑いが漏れるが、ハツネの姿が見えない事に気づく。


 「ブラウンそのー、」


 テツがいいかけるとブラウンが頷く。


 「うむ、わかっている、その件について話そう」


 ブラウンがそういうと周りの空気が重くなるのであった。

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