何故そうやったと問いただしたくも
日数開いたな‥不定期投稿とは言え、待たせてすいません。
SIDEフレイ
……突然、現れたリール。
彼女の話によれば、ダンジョンコアにフレイが消えたのを見て、なんかしようと思い、コアを脅そうとしていたらしいのだが、気が付いたらあの場に出されていたそうである。
「で、今目が見えないんだけど‥‥‥周囲の状況、変わってないか?」
「あ、ああうん。変わってないぞ」
フレイの言葉に、気まずそうに答えるリール。
どういう訳か、フレイは普通に衣服付きなのに対して、リールはここに現れた時、まさかの素っ裸であった。
まだ成長してないし、荒っぽいし、まだ未熟とは言え彼女も一応女の子。
異性の間で肌をさらしたのは恥ずかしかったようで、盛大な目つぶしをフレイは喰らってしまったのである。
……スキルで回復は可能だが、それでも痛みまで引くわけではない。
あの目つぶしは、下手すると眼球がえぐれるレベルであった…‥‥
何にしても、一時的にフレイの視力が奪われたとはいえ、周囲の状況に変化はないらしい。
「本当にここはどこだよ…‥‥っと、リール、服はあったかな?」
「‥‥‥生憎、何もないな」
仕方がないので、ベッドのシーツを拝借し、巻き付けているらしい。
考えると彼女の衣服とかはダンジョンコアの周囲に散らばっているのだろうか?
とにもかくにも、彼女も加え、視力を回復させつつ探索を試みるが、そう大した変化もない……と思っていた、その時だった。
「ん?あれ?」
「どうした、フレイ?」
「いや、なーんか違和感が‥‥‥‥」
視力もだいぶ回復し、周囲を見渡している中、ふとフレイはある違和感を覚えた。
先ほどまで…‥‥リールがいなかった時に探索した時には、確実に無かった違和感。
その違和感を探り、それが何なのかフレイは気が付く。
「‥‥‥なぁ、リール。気のせいだと思いたいが…‥‥」
「?」
「なんかさ、この部屋、いや、この家そのものが小さくなってないか?」
「‥‥‥あ」
よーく目を凝らして見れば、今いるこの家がだんだん小さくなってきている。
ゆっくり、けれども指とかで示して確認すると、確かに縮小してきているのだ。
フレイたちが大きくなったとかでもなさそうだし…‥‥
「って、それならさっさと出ないとだめじゃん!!」
「潰されるぞ!!」
その事実に気が付き、家の玄関へ向けてフレイたちが駆けだす。
そしてそれが引き金となったのか、急に大きな音が聞こえ始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
「なんか一気に縮み始めたぁぁぁ!!」
「急げぇぇぇぇえ!!」
迫りくる壁に天井、奥の部屋の扉。
駆け抜けていく間にも小さくなり、玄関まで短くなっているはずなのに、距離が非常に長く感じさせられる。
「見えた!!アレがこの家の玄関だ!!」
「しまっているんじゃないか!?」
「鍵がかかっていようがいまいが、取りあえずぶちやぶるぞ!!」
拳に力を籠め、飛びこむような形で殴りかかる。
ぶっ壊すのもどうかと思うが、今は丁寧に扉を開閉する暇もない。
「でやぁぁぁあ!!」
勢いそのまま、一気に扉が外へ吹っ飛び、フレイたちは何とか飛び出す。
それと同時に、家が縮小しきり、難を逃れた。
ばしゅーん!!
振り返って見れば、先ほどまでいた家が小さくなっていき、見る見る間に一つの点へと変わり果てる。
家の跡地には立っていた跡が残れども、その形跡はもはやない。
そうこうしているうちに、縮み切った家は小さな点となり、その場から消え果てた。
「ふぅ‥‥‥な、何とか助かったな」
「危なかった…‥‥あのままだったら巻き添えになっていたな」
ほっと安堵の息を互いにはき、落ち着いたところでどうしようかと話そうとした…‥‥その瞬間であった。
ぼんっ!
「「ん?」」
なにやら破裂音が聞こえ、その音の方を向いて見れば、そこに何かが立っていた。
……気のせいか、某ピンクなドア‥‥‥いや、装飾がある程度施された、真っ赤なドアである。
家の消失した跡地のすぐそばにあり、いかにも怪しげなドアだが…‥‥
「‥‥‥ナビリンの応答もないし、確認できないか」
「となると、頼れるのは自分達だけってことなのだろうな」
互に顔を見合わせ、そのドアの周囲をぐるっと回って確認するが、特に変哲なところはない。
されども、開かないといけないような気がするし‥‥‥‥先へ進まない気がする。
「‥‥‥よし、開いてみるか」
そうつぶやき、フレイがドアノブに手をかけた。
きゅっとノブは動き、開閉し始める。
そしてその隙間から、何か光が漏れだすが…‥‥のんびりと開けるのも意味はない。
「一気に開ける」
ばっと開き…‥‥そのドアの先の光景が、フレイたちの目の前に広がった。
そこは、ドアの後ろにあるような荒野ではなく、どこか別の空間。
真っ赤に彩られているが…‥‥ダンジョンコアの色に似ている。
そして、その向こう側には…‥‥何やら大きな、宝箱のようなものが鎮座していた。
中に入ると、先ほどまでの荒野とは完全に別空間であることが理解できた。
念のために、その辺に落ちていた意志でストッパーにしてドアをひらっきぱなしにし、いざという時に逃げられるように退路を確保しておく。
「‥‥‥罠の類もないようだし、開いて良いのかな」
「多分、そうだろうな」
宝箱の周囲を見るが、特にたいしたものはない。
ならば、あとはこれを開けるだけだ。
……しいて言うなれば、開けた瞬間に毒ガスが出るとか、化け物が出るなどの可能性はあるが…‥‥開けてみるべきだろう。
「それじゃ、二人で合図して開けよう」
「ああ」
大きな宝箱でもあるので、互に宝箱のふちに手をかける。
「3」
「2」
「1」
「…‥‥せいやっ!!」
同時に力を入れ、一機に宝箱を開封する。
そして、その中身を見れば‥‥‥‥
「‥‥‥‥なんだ、これ?」
そこにあったのは、一つの真っ赤な瓶。
それと、何やら日記のようなものが一つだけ置いてあるという、何とも微妙そうな中身であった。
宝箱の中にあった、真っ赤な瓶と日記帳のようなもの。
それがどの様なものであるのかは、中身を読まない事には分からない。
けれども、どう考えても面倒な予感しかしないが‥‥‥
次回に続く!!
……ふざけて、ご・ま・だ・れ~みたいなことをやりたかった。




