異変の真相 その2
久し振りの更新
不定期投稿なのに、ひと月も開けないように気を使ってしまうのはなぜだろうか。
SIDEフレイ
……モンスター『ヘビーセンチペッド』。
その巨体は実は無数の子蟲の集合体で、大百足の形をとっている。
猛毒をまき散らして汚染してくる相手というだけだって、接近戦は不味い。
「となれば、遠距離攻撃でやっていくぞ!」
幸いというべきか、フレイたちはそれぞれ遠距離攻撃手段はある。
「『フレイムボム』!!」
着弾して爆発する火球をフレイは放ち、
「『ウインドブースト』するの!」
その火球はフラウの風の精霊魔法の補助を受けて威力が増大する。
「ふんばぁぁぁぁぞい!!」
ぶぉんっと勢いよく鉄球をゾンバルは振り回して直撃させ、
「でっせい!!」
その辺の岩石などを、リールは大槌で打って、砲弾のようにヘビーセンチペッドへめがけて飛ばしていく。
「バッフヒィィィン!!」
ボルドは雷撃を放って痺れさせ、相手の動きを制限させ、皆の命中率を上げる補助を行い、
【頑張るでござる!】
ユキカゼは遠距離攻撃手段に乏しいので、フレイの中に大人しく入って応援するのであった。
皆それぞれの遠距離攻撃を集中され、逃れようと動くヘビーセンチペッド。
だがしかし、運の悪いというか、ここはダンジョン。
室内では逃げようもなく、身体を元々の小さな虫の集合体から分散しようにも、炎で焼き尽くされ、鉄球や岩石によって潰されていく。
「ビッギャアッァアァァァァァァ!!」
断末魔をあげ、最後の抵抗とばかりに毒をまき散らすが、もはや意味をなさない。
爆殺、圧殺、殴殺、電撃殺の攻撃を受け、哀れにもその体は崩壊していき、殲滅されてしまうのであった…‥‥。
「‥‥‥さてと、後はこっちの調査か」
ヘビーセンチペッドの手ごたえの無さに全員物足りなさを感じつつ、今もなお輝き、暴走しているように動くダンジョンコアへ向き直る。
この潰れた蟲の群衆がまき散らした毒の影響もあるだろうが‥‥‥‥なんにしても、元々子のコアが暴走した原因が知りたいのだ。
「ナビリン、今なら解析可能か?」
【…‥‥可能なようです。あのモンスターの消滅と同時に鑑定の妨害していた力も消滅。これより鑑定を始めます】
……鑑定機能を妨害するほどの力は無かったように思える。
ヘビーセンチペッドの亡骸を見つつ、フレイはふとそう思った。
ナビリンの鑑定機能はちょっとやそっとじゃ妨害されないのに、この程度の相手で妨害されるとは少々考えにくいのだ。
まぁ、あっけなく倒せたから良いが…‥‥なんにしても、気にしておいたほうが良いのかもしれない。
【鑑定完了。ダンジョンコアの暴走原因判明】
っと、考えていたところでナビリンからの言葉が来て、フレイは我に返る。
「なら、その原因は何だったのか教えてくれ」
【ダンジョンコアの解析から、判明した暴走原因は‥‥‥‥ん?】
内容を告げようとしたところで、どことなく首をかしげる様な声でナビリンは言葉を詰まらせた。
「何かあったのか?」
【いえ、全容は解明できたのですが‥‥‥‥この結果って、出すべきなのでしょうか?】
珍しいというか、何となく告げるのを躊躇するようなナビリンの声。
スキルであるナビリンが、物凄く微妙な声を出すとは、どんな結果があったのか?
「報告するわけだし、出してくれ」
【……了解。今回のダンジョンコアの暴走原因、その大本は…‥‥どうやら、単純に恐怖というか、生存本能が働いたからのようです】
「生存本能?」
ダンジョンは生物の一種であるという説もあるし、生存本能があってもおかしくはないが‥‥‥なぜその本能が働いた?
【その発動原因ですが‥‥‥原因、我々です】
「え?」
【先日の、マグマイバーン討伐時、どうやらあれは中々自信あるタイプだったようですが、それを上回る力で討伐され、しかも記録されているブラックリストには無いタイプであり、その力量を本能的に感知した結果、ひどく恐れたようです。ゆえに、生存本能というか、防衛本能が働いた結果、あのような事に…‥‥】
・・・ブラックリストが何なのかは気になるが、その原因を聞きフレイはあっけにとられた。
まさかの元凶を辿ったら…‥‥自分たちらしいという事実に。
灯台下暗しと言う言葉があるが、まさにそれはこの状況なのかと思うのであった。
元凶を調べたら、まさかの自分たち。
灯台下暗し、自業自得、因果応報などが頭に思い浮かぶ。
というか、そこまで恐怖されることなのか…‥‥
次回に続く!!
……とは言え、まだ終わったわけでもなさそう。




