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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
3章:修行道中面倒事増殖
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一旦整理しつつ……

不運は不運を呼び込むかもしれない。

と、本棚の角に小指をぶつけ、上に乗せていたものがトドメと言わんばかりに落ちてきたことで、実感した作者であった。ちゃんと並べていても、何らかのショックで落ちるもんなんだな…‥‥角痛い。

SIDEフレイ


‥‥ゾンバルの元親戚たちの襲撃があったが、フレイたちは無事にダンジョン「バルブルリア」の20階層を突き抜ける事が出来た。


 ただ、ここまで来てもダンジョンの変化の原因は未だに見つかっていない。


 


 ひとまずは休憩も兼ねて、強引にゾンバルが鉄球を振り回して辺りを薙ぎ払い、フレイたちで休憩場所を作製し、そこでここまでの情報をまとめる事にした。


 周囲には連れてきたボルドが生み出した電撃の柵と、フレイの炎魔法とフラウの風の精霊魔法で作り上げた炎の渦で、2重の防御が出来ており、万が一の襲撃も対応できている。



「そもそも、何で急にこんなに変化したのやら……」

「マグマイバーンを倒した時は、まだ普通だったよな?」


 リールの言葉に、ゾンバルを除く全員が頷いた。


 あの倒した時はまだこんなことにはならず、まさかここまでダンジョンが急成長するとは思わなかった。


「ふむ、それにあの馬鹿共…‥‥もはや塵と化したあれらがいたのも、驚きだったぞい」


 ゾンバルがそうつぶやくのは、先ほどのグールとなっていた元親戚たちについてなのだろう。


 フレイたちが話を聞いてみると、どうやらその元親戚たちはしっかり牢獄に入れられていたというので、脱獄した可能性があるらしい。


「とは言え、あれらのおかげで一つわかったことがあるぞい」

「何かあるのでしょうか?」

「うむ。現在われわれがいる階層は20階層を越えているが…‥‥あの屑どもの実力では、本来10階層~8階層程度までしか到達できないはずぞい。本来の、変化前のダンジョンに潜っていたとすれば、その階層をうろついているはず。それなのに、ここまで来ているという事は…‥‥この階層は元のダンジョンでの10階層辺りになるはずなのだぞい」


 つまり、ダンジョン変化時にあれらが入っていたと仮定するのであれば、ここまでの階層は新造された階層だということになる。


 変化後に入っていた可能性もあるが、それなりに慣れた場所を狙う人たちだったそうで、変化前入っていた可能性の方が高いのだとか。



「ここは20階層越え……でも、変化前だと10階層辺りだったということか」

「でも、多種多様な階層ばかりだったよな?」

「マグマイバーンまでの道のりは覚えているけれども、そこまで色々となかったはずなの」

「という事は、元の階層を下の方に下げ、新しいものを積み重ねたという感じでござろうか?」

「それが、たぶん正解だぞい」


 ダンジョン内の状態を整理するのであれば、元々あった階層が沈み込み、新しい階層が上に映えてきたという事らしい。


 だが、通常のダンジョンの成長だと、こういう階層を下っていくタイプであれば、下へ下へ新たな階層が出来るはずなので、このような成長はありえないのだとか。


「元々の階層が、下へ沈み込んだような形なのか……」

「そう考えると、ちょっと厄介かも」


 元々あった階層がどのぐらい沈み込んでいるのかはわからないが、そこまではこれまでになかった新しい階層ばかりということになる。


 今まででも十分面倒な階層とかがあったのに、新規階層大量増加とは‥‥‥



「あれ?という事はその元の階層があった場所に出たら、そこから楽になるの?」


 ここまでの道中はゾンバル無双ような形であったが、普通に挑んだらかなり苦労するはずだ。


 だが、元々あった階層は、浅い部分だったものであれば非常に楽だったので、急に楽勝になってしまうのではなかろうか?


「いや、その可能性はないぞい。元々の階層自体も、変化を起こしている可能性は無きにしも非ずぞい」


 長年ダンジョンに潜っているゾンバルのその言葉は、説得力があった。



(……ナビリン、ゾンバルの言っていることって本当かな?)

【可能性は極めて高いです。‥‥‥ん?】


 そこでふと、ナビリンが何かに気が付いたような声を上げた。



【鑑定及び探知同時発動、範囲最大化及び高速処理‥‥‥‥‥‥げ!?】


 珍しいというか、普段のナビリンであれば言わない様な声が出た気がした。


ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…‥‥


 同時に、何やらその不味い事態の足音というか、階層全体が震えだす。


「な、なんだこの揺れは?」

「何か起きているのかな?」

「‥‥‥なんか非常に不味い予感しかしないぞい」


【その言葉、大当たりです】

「というと?」

【ダンジョンが再び成長し始めてます。いえ、現在、我々がいる階層がだんだん下へ進んでいることを確認。上に新たに増設され、さらにモンスターの反応が急増しました】


‥‥‥それはつまり?


【帰路の破壊を確認、階層ごとに形状変化を確認、増殖するモンスター反応確認…‥‥現時点で、脱出経路確保困難。ダンジョンから出るには、ダンジョンコアの破壊、もしくは上層へ戻れる転移系のものを得なければ、脱出不可能であると断言いたします】


 不味い予感、的中。


 こういう時に限って、何故こうなるのか、つくづくフレイは自身の不運を呪いたくなるのであった‥‥‥

入っている間に再びの成長の可能性はあったが、すっかり抜けていた。

何にしても、どうやら帰路も変わってしまったようで、帰還しにくい状態。

こうなると、もはや先へ進むしか道はない。

次回に続く!!


‥‥‥食料等は、道中のモンスターなどから確保できるが、先へ進めば進むほど手ごわくなるだろうし、無理して帰路を辿ろうとしても、また色々と変わっている可能性がある。

だからこそ、元の階層があるかもしれない下へ進んだほうが、むしろ構造的に分かっていることが多いので、こちらの方が安全なのかもしれない。あくまで残っている可能性しかないが‥‥‥

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