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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
3章:修行道中面倒事増殖
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ダンジョン「バルブルリア」調査

たまには無双ゲームなどをしてみたくなる。


SIDEフレイ


「‥‥‥なぁ、リール。目の前の光景って、調査していると言えるのか?」

「いや、全然していないだろう」

【むしろ、絵面が酷い虐殺風景です……】


 フレイの問いかけに対して、リールは呆れたように答え、ナビリンがぼそりと真実を言った。



 現在、ダンジョン「バルブルリア」が謎の異常成長を遂げたようで、階層のあちこちが変化し、出現しているモンスターなども変わってしまったらしいという事で、嫌々ながらも無理やりゾンバルに引きずられ、共にダンジョン調査をフレイたちはさせられていた。


 とは言え、これも修行の一環として割り切っておきたかったのだが‥‥‥全然修行にならない。


 なぜならば、戦闘が‥‥


「がーっはっはっはっは!!『ゴールデンビートル』に『キングイーター』!!『ヘヴィアトラス』、『マッスルプラント』、『ギガントアイ』までいるとは、まさに宝の宝庫だぞぉぉい!!」


 いい年した大人と言うか、爺さんと言うか、ゾンバルが暴走し、フレイたちが戦闘する前に殲滅し、敵の首を狩りまくっているのだ。



 使用武器はあの斬撃を出せる鉄球で、ぶんぶん振り回し、思う存分暴れている光景は、もはや台風と言うか、災害に近い。


「なんというか、すごいモンスターの方に同情したくなるの」

「精霊からしてみても、あれは近付きたくない様な相手でござるな‥‥」


 フレイから出て、補助の精霊魔法などをかけようとするも、全然出番がないフラウとユキカゼがそうつぶやく。


 その言葉の通り、ゾンバルに殲滅され中の相手の方に、フレイたちは同情したくなるほどであった。



 鋭い爪や牙、毒液放出、翅射出、岩石投げ…‥‥様々な攻撃手段をしてくる敵が、ゾンバルの手によって亡き者にされていくのだ。


 デッドorライブと言う言葉があるが、この光景は首狩りorプレスと、もはや希望もない。


 いや、殲滅しないと危ないような、かなり強いはずのモンスターたちでもあるらしいが…‥‥もはやこれは、一方的な蹂躙劇にしか見えないのであった。




「ま、あれはあれで放っておくか」


 戦闘に加わろうにも、下手すれば巻き添えになりかねないのでフレイたちは調査の方に重点を置くことにした。


「ナビリン、鑑定機能である程度把握できたか?」

【ええ、既にできました。このダンジョンは急成長を、それも、自己防衛に徹底した成長を成し遂げたようです】

「自己防衛?」



 一説では、ダンジョンは一つの巨大な生命体だという話があるのだが‥‥‥自己防衛で成長することはあるのだろうか?


「原因は分からないのか?」

【ただ今鑑定中ですが、いかんせん調査範囲が極大化してしまい、処理に時間がかかります。もうしばらくお待ちください】


 鑑定機能である程度把握できるとは言え、それでも処理が追い付かないらしい。


 簡単に言えば、パソコンとかの解析ツールに時間をかけているようなものなのだろうか。



 取りあえず、今フレイたちにできる事としては、出現しているモンスターの種類を記録し、討伐していくことぐらいであろう。


 ゾンバルの手によって大半が逝ってしまったが、それでもしぶといものや、逃れたものなどがいるので、ある程度は把握し切れるはずである。


「フラウは風の精霊魔法の補助、ユキカゼはリールと共に近接戦闘。今回俺は援護射撃を行う!」

「了解なの!」

「了解でござるよ!」

「糞爺に負けてたまるかぁぁあ!!」


 今までのダンジョン内での戦闘もあり、全員の連携と指示は比較的向上しただろう。


 フレイも本当は近接主体の戦闘スタイルだが、この階層の相手は先ほどから炎が効くようなので、こういう時は得意な炎魔法を使用したくもあったので、今回は援護射撃に徹することにした。



「そーれ!!一気に加速するの―!」


 フラウの風の精霊魔法によって追い風が吹き、リールとユキカゼが加速し、フレイが放った炎の魔法は風によって取り込む空気を増やし、より燃焼して熱量を増やす。


 加速したリールはその勢いを利用して大槌を振り回し、圧殺、爆殺していき、ユキカゼは氷の精霊魔法で作った小さな小刀を利用して、的確に相手の急所を狙って切り裂いた。


 こちらも負けられないと、フレイも炎の魔法を展開し、灼熱地獄を味合わせたり、無数の炎の塊をぶつけるなどしつつ、時折雷魔法なども使用した。



 ゾンバルが戦闘でズッコンバッコンと暴れているのでさほど苦労はせず、互に補って戦闘できているので、そう苦戦していない。


 しいて言うのであれば、ゾンバルが狩った首を、保持するのが面倒になったのか、縄を出して縛り上げ、ずらっと並べていくうちに、首で出来たムカデのような気持ち悪い光景が出来たぐらいであろう。


 何にしても、快進撃で、絶好調であった…‥‥その時である。



【ん?】

「どうした、ナビリン?」

【ダンジョン内に、此の先人の生命反応を確認。どうやら潜り込んでいた冒険者のようですが‥‥‥あ、たった今、消滅しました】


 ダンジョン入り口での混乱から、この中にいはいる人はそうそういなかったと思うのだが、どうやら既に侵入していた者たちがいたようだ。


 とは言え、どうもたった今全滅したらしいとナビリンは告げた。



「全滅か……何かいる可能性があるし、注意しておくか」


 ダンジョン内には事故もあり得るし、警戒しておくに越したことはない。


 そう思いつつ、フレイたちは先を突き進むのであった‥‥‥




―――――――――――――――――――

SIDE???


―――――生命反応、急激低下を確認。

―――――出現モンスター、急速にロスト。

―――――強敵数名確認、防衛機構現在の状況では守備不可能。



……フレイたちがダンジョン快進撃をしていたその頃、その奥地、ダンジョンのコアではそのような声が響いていた。


 ぼうっと脈打つように光り、脅威となるような相手が接近していることに気が付き、モンスターを送り込むが効果を発揮しない。


 彼らが害をなすような相手とは思えないが、万が一の事を考えると排除したいのである。



―――――ERROR、ERROR。防衛不可能。

―――――では、どうするか?


……現在の状態では不可能な相手の力に、どう対応すべきかダンジョンコアは考える。


―――――最善策、検索‥プランA採用。



 そう音が流れたかと思うと、ダンジョンが震え始めた。


 そう、ダンジョンにとって物凄い脅威となりそうな存在の排除をするためだけに‥‥‥‥


……ダンジョンを突き進むフレイたち。

主な戦闘はほぼいゾンバルになるが、それでも各自で出来る事をするのみだ。

しかし、何やら動き出したようで……

次回に続く!!


……ゾンバルだけでも脅威になりそうなのに、なぜ動かなかったのか。

それは考えればわかるかもしれないが、この時のフレイたちは全然そこを考えられて居なかったりする。

ナビリンだけは、ちょっとずつつかんでいそうだが…‥‥

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