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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
3章:修行道中面倒事増殖
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何処かで練られている悪意

どっちかと言うと、後半部分がメインかも

SIDE???


……フレイたちがダンジョン内で修行中の中、ある悪意を持つ者たちが都市のある邸内に集まっていた。



「…‥‥ええい!!ゾンバルを殺る手段はまだないのか!!」

「残念ながら、どうして無理なようでございます」


 苛立たしげに叫ぶ声の主に対して、集まっていた者のうち配下の一人が答える。


 彼らはかつて、ダンジョン内で巣くっていた盗賊モドキ。


 その正体は、ゾンバルの親戚たちであり、今もなお獄中にいるはずの者たちであった。



 だがしかし、特権階級思考と言うか、ゾンバルの財産目当てと言うか、欲深き彼らにとって反省、改心なんて言葉は縁がなく、脱獄し、隠し財産で何とかここまで舞い戻って来たのである。


 彼らは未だに罪で問われているるのだが、ここでゾンバルさえどうにかしてしまえば、彼の持つ資産を自分たちのものにできるという、何処か頭がおかしいような考えをしていた。


……敵の首を狩るのを好むゾンバルの親戚と思えば、それはそれでどこか似たようなものでもあったが。





 何にしても、彼らが求めるのは金である。


 だが、ゾンバルをちょっとやそっとでは倒せないことは嫌と言うほど理解しており、どうにかしなければいけないと思いつつも、その対処法が思いつかない。


 そこでふと、その場に居た一人が手を上げた。


「そう言えば、一つ良いか?」

「なんだ?」

「ゾンバルについては真正面から挑むのは不可能に近い…‥‥だが、奴の関係者を人質に取るのはどうだろうか?」

「馬鹿かお前は?以前にも検討して、あの邸の執事などを利用しようとしたが、どこをどうしたのか、あのゾンバルの手によってか、思いっきり返り討ちにされただろうが!!」

「いや、そうじゃないぞ」


 叫ぶ者に対して、その発言者は足りなかった言葉を補う。


「関係者と言っても、執事などではない。最近入った情報だが、どうも奴は弟子を取ったらしくてな、そいつらを人質にできないかという事を、出したんだ」

「何?奴の弟子だと?」

「ああ、一人は我々もかつて奴隷にしていたリールだが、もう一人が同じぐらいのガキだ。どっちもそれなりに腕は立つが…‥‥ゾンバルに比べるとどうだ?」

「…‥‥まだ楽そうだな」

「だろう?」


 あの凶悪破壊鉄球首狩りゾンバルと、その弟子とやらを比べると、明かに後者の方が難易度が低い。



「それにだ、今その弟子たちはゾンバルの手によって、修行ということでダンジョンに潜っている・・・・・・つまり、不慮の事故に見せかけて捕らえる事も可能なはずだ」

「なるほど、確かにその案はいいかもしれない」


 悪くない、うまいこと行くかもしれないと、希望が見えてきた者たち。




……だがしかし、彼らは知らない。


 不慮の事故に見せかけて襲撃しようにも、それは完璧にバレてしまうという事を。


 そして、滅亡の未来が待ち受けているのに気が付かず、彼らは着々と自らの破滅へ向かって計画を練ってしまうのであった…‥‥


 そもそも、その階層まで行ける実力があるのだろうか?




――――――――――――――――――――

SIDEフレイ


 現在、フレイたちは19階層まで来ていた。


「で、次の階層で20階層だけど…‥‥その前に、あれをどうやって討伐すればいいかな?」

「さぁ?運が悪いというか、あれの相手は…‥‥きついぞ」


 フレイの問いかけに対して、リールも打つ手がないと言うように、悔しそうな声を出した。




 次の階層へ向かう階段。


 その前に、大きなモンスターが鎮座しており、強行突破しなければ先へ進めない状況となっていたのだ。



 だが、そのモンスターは……


【鑑定完了。……ドラゴンとは別種ですが、戦闘能力は近いワイバーンの一種『マグマイバーン』です】


 ナビリンの鑑定結果を聞き、フレイは舌打ちをした。


――――――――――――――

『マグマイバーン』

ドラゴンに似てはいるが、別種のワイバーンの亜種と言うややこしいモンスター。

ブレスではなくマグマを直に吐き掛け、獲物をドロドロに焚きながら溶かす。

本来ワイバーンは大空を飛翔するのだが、マグマイバーンは羽が退化して飛翔できず、その代わりに足が強靭に発達している。

――――――――――――――


 なぜこのようなものと遭遇したのか。


 本来であれば、この場所はギガンテスとか、ゴブリンキングとか、割とまだ倒せそうなものが出るのだが……運が悪いと、マグマイバーンが出現するらしいのだ。


 そしてその運の悪さと言うか、薄幸があるせいか、見事にそれを引き当て、階段前にマグマイバーンが居座ってしまったのである。


 

「まともに戦闘したところで…‥‥勝てるかな?」

【勝率は五分五分ぐらいですか‥‥しかし、炎は吸収されますので、最大火力は使えません】


 炎魔法と炎龍帝のブレス(プチ)などが使用不可能。


 龍魔法で強行突破も考えたが、威力も魔力消費量もシャレにならないので、ダンジョン内でぶっ放すのも現実的ではない。


 という事は、ここにいる全員でどうにかしなければいけないし…‥‥このまま放置していると、どうやらマグマイバーンは獲物を求めて動き出し、階層を上がってくる可能性があるらしい。



・・・こうなると、もう覚悟した方が良いだろう。


 いや、むしろ逃げてはいけない。こういう強敵と戦わねばいけないし、ここでしり込みしていたら、いつまでたっても炎龍帝とは戦闘できないだろう。


「……やるしかないか。フラウ、ユキカゼ、大丈夫?」

「大丈夫なの!」

「相性は最悪でござるが、主殿に修正を尽くすのみでござる!」


「リールは?」

「オレが逃げるとでも?あいつを倒せないと、ゾンバルの糞爺にいつまでたっても目にものを見せられないだろうし、ここはやらせてもらう!」


「ボルドも大丈夫?」

「ブルバフゥン!!」


 任せろと言うように、息荒く叫ぶボルド。


 ・・・・・うん、ここまで来るともう引き返せない。


 やれるときはやらないと、そして強敵が相手ならば、全力で挑まないと。


「ナビリン、サポートを頼むぞ」

【了解です。敵のマグマ放出経路など、全力で探知し、動きなどを教えましょう」


 皆の覚悟も決まり、フレイたちは各々の全力を出せるように奮い立つ。



 そして、マグマイバーンへ向かって駆けだすのであった………


 





マグマイバーン、炎龍帝よりは弱いだろうけれども、今のフレイたちにとっては強敵。

全力で挑み、倒さねばならない相手。

犠牲が出ないようにしつつも、何とかしなければ!!

次回に続く!!


……そろそろナビリンのバージョンアップもしたいところ。

この戦いを終えたら、なんとかパワーアップさせるんだ…‥‥フラグじゃないよ?

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