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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
3章:修行道中面倒事増殖
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修行に置いてのある意味強敵

修行道中のような感じだなぁ‥‥‥

SIDEフレイ


「ぜやぁぁぁぁ!!」


 今日も修行ということで、ダンジョン内でフレイたちは戦闘していた。


 とは言え、修行の成果はすぐに目に見えるものではないのだが、確実に連携だけは強くなっているだろう。



「『ウインドブースト』!」


 フラウの風の精霊魔法によって補助がかけられ、全員が加速する。


 今日の戦闘対象は、ダンジョン12階層に出没するという『ギガントクラブ』。


 名前の通り、カニのモンスターではあるのだが…‥‥うじゃうじゃとわいております。


 しかも、横だけではなく盾にも進撃可能であり、お腹部分がさらけ出されるので弱点になるかと思いきや、ぬるぬるしたあぶくを吐いて守っており、生半可な打撃が通用しない。


 そのため、魔法中心で攻撃するのだが…‥‥



ジュワァァァァァ!!

「ぐっ!!滅茶苦茶香ばしい香りがすごいな!!」

「残念ながら、こいつらは猛毒持ちだぞ!!」

「なんか色々と酷いでござる!!」



 炎魔法で攻めるのだが、焼けたときの香りが非常に香ばしく、この階層はこいつらのせいで別名「腹殺し」と言われているらしい。


 生憎猛毒持ちで食用に適さず、しかもそれが嫌ならば炎以外の魔法で攻めれば良いのだが、なんと魔法耐性が非常に高いようで、炎以外は余り通用しないのだ。


 そのため、必然的に炎魔法ばかり使う事になるのだが、その香ばしすぎる匂いのせいで腹の音が通常よりも早くなり、冒険者たちを空腹で苦しめる凶悪さを持っているのである。


‥‥‥一応、その甲羅やハサミは防具や武器の材料となるので無駄ではないが、中身が食べられないのは非常に残念だ。



ジュワァァァ!!

じゅぅぅぅぅぅ!!


「ぐっ、打撃が効きにくく、魔法で攻撃するとは言え…‥‥胃への攻撃力が半端じゃないぞ!!」

「しかも普通に強いとか、詐欺に近い!!」

「硬いし斬りにくいでござるよ!!」


 フラウの補助で、前衛としてフレイたちは戦闘するが、やはりその旨そうな香りにやられかける。


 ある意味精神的に鍛えられるが、食欲が先か、全滅が先か…‥‥引きようのない戦いになるのであった。


【‥‥‥こういう時ばかりはスキルで良かったと思えます】


 一人(?)安全地帯というか、ナビリンのつぶやきにフレイは少し羨ましくも、ちょっとだけ怒るのであった。









「…‥‥ふぅ、とりあえず休憩できそうか」


 ある程度殲滅し終え、フレイたちは休憩することにした。


 とはいっても、普通にそのへんの場所に座って休憩することはできない。


 ここはダンジョン、どこから襲われるのか分からないし、ナビリンの探知機能である程度察することが可能とは言え、毎回出てこられても非常に疲れる。


 ならば、ダンジョン内でどのように休憩すればいいのか。


 その答えは、割と身近にあった。




 通常であれば、魔物避けと呼ばれる類のものを周囲に置き、休憩しながら交代で見張りにつく。


 だがしかし、フレイたちにはその代用となるものがあった。


「バルブッホォォォン!!」


 誰であろう、ボルドである。



‥‥‥正直言って、ダンジョン内にモンスターを外部から入れて良いのかという疑問はあったが、別に良いらしい。


 そのため、回復薬も兼ねてボルドを連れてきたのだが、驚くべきことに回復効果のあるミルクだけではなく魔物避けの効果のあるミルクまで生成できたのだ。



 修行にボルドを使ってはいけないというルールはなかったので、今日はわざわざ連れてきたが‥‥‥思った以上に活躍していた。


 ただし、一応戦闘にはまだ参加してもらっていない。


 というのも、ボルドの場合は色々な攻撃手段があるようで、戦闘センスで言えば一度フレイは勝利したとはいえ、やはりまだ上な部分があるのだ。


 そのため、もう少しフレイたちが強くなったところで参加してもらうのだが、今は魔物避けと皆の回復に徹底してもらっているのであった。


「‥‥ところでフレイ、こいつがいればあの糞爺に勝てたんじゃないか?」


 休憩している時に、ふとリールがそうつぶやいた。


「‥‥‥さぁ?どうだろうね?」

「バルブヒン」


 電撃による攻撃や対空性能、加速、その他諸々を考えると‥‥‥‥ボルドだけの方が勝利できたような気がしなくもない。


 けれども、あのゾンバルがそうやすやすと敗れるような事は無さそうであり、対処法を練られそうである。


 何にしても、今はただ修行をして強くなり、一気に倒せるようになるしかないのであった‥‥‥‥




ぼりぼりぼり‥‥‥

「ところでボルド、お前さっきから何を食べているんだよ?」

「バルブッヒィン」

「え?クラブの甲殻‥‥‥って、毒なんじゃ?」

【どうやら対毒性能があるようですね。鉄壁の胃袋をもっているのでしょう】


…‥‥焼けたカニをうまそうに食う光景は、ある意味一番の敵なのかもしれない…‥‥いいなぁ、毒耐性。どうもスキルではなくて本当に生まれ持って得た性質そのものだし、努力習得で得られないんだけど‥‥‥腹減った。

ぼりぼりと毒があるはずのカニを思いっきりおいしそうに食べるボルド。

羨ましいながらも、我慢するしかない。

ある意味、一番の敵は仲間だったのだろうか‥‥‥

次回に続く!!


‥‥‥一応、他に食べられる奴を調理できるが、カニは美味しそうなやつだからなぁ。解毒剤を用意してとも考えられるが、それでもどうやら無理っぽい。


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