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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
2章:修行・・・・・したいのに
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やっとだよ、ようやくだよ

ようやくというか、まともに修行になりそう。

薄幸もなくなればいいが…‥‥まあ、無理だろうな。

SIDEフレイ


‥‥‥ゾンバルからの修行を、ようやくフレイたちは受けられることになった。


 敗戦の翌日、そこからスタートという事で、朝早くに‥‥‥‥




「‥‥‥ダンジョン『バルブルリア』の10階層で修行?」

「そうだぞい。昨日の戦闘から見て、まずはそこで行った方が良いと思ったのだぞい!」


 ギルドでダンジョン内へ入る手続きを経て、都市内にあるダンジョン「バルブルリア」1階層にて、フレイたちはゾンバルから歩きながら説明を受けていた。


「戦闘スタイル的に、ほぼ独学的ながらもそれなりに出来ているのは良かったんだぞい。だがしかし、いかんせんお前たちには3つの要素が足りないのだと分かったのだぞい!!」

「3つの要素ですか?」

「ああ、それができない限り、本格的な修行に入れぬがゆえに、まずはここで鍛えてしまうのが手っ取り早いと思ったのだぞい!!」


 フレイの問いかけに対して、ゾンバルはダンジョン内で襲ってくるモンスターを退けつつ、時たまフレイたちでやらせつつ、その足りない要素を話し始めた。



 まず一つ目に、「基礎力不足」である。


 元々、フレイの戦闘方法は炎龍帝との戦いによって幼い時から作られたものであるが、それは良く言えばほぼ我流、悪く言えば雑な格闘術に近い。


 前世の柔道、剣道、カンフーなどの格闘術などを混ぜてはいるが、それでも今までの戦闘ではそれなりに戦えていた。


 だがしかし、フラウやユキカゼといった精霊の力も借り、さらにスキルで魔法なども扱えるようになり、それらも混ぜたことで、やや不安定さが目立つそうだ。


「精霊魔法、および普通の魔法、それに修行前に話してくれた、今持っているスキルの中での『努力習得』による獲得に、『ナビリン』という名のスキル。それぞれを交えて、独自に作り上げているところまでは良いのだぞい。…‥‥だが、判断に迷いが生じ、全て生かし切れていないのだぞい!!」


 一つに特化するのであればまだしも、フレイの戦闘スタイルは多種多様な要素を交えている。


 けれどもまだフレイは12歳で有り、身体もまだまだ成長の余地があるゆえに、完成していない。


 でも、その完成前に歪んでいるようなこの戦闘方法ではおかしくなって、実力が伸びにくくなる危険性があるというのだ。



「それらの戦闘方法を見つめ直し、鍛えるには、まずは圧倒的に足りない経験をここで積むのだぞい!!」


 今さら特化することもできない。それならば、戦闘方法を見つめ直すために経験を積み重ねよという事で、色々なモンスターが出るダンジョンで戦闘を行わせ続けるそうだ。


「かと言って、生半可な経験量ではだめだぞい。弱者をいたぶるような行いでは成長できぬ。だからこそ、まずは10階層まで行けば、そこから強者とも言えるモンスターたちが出てくるので、それらを利用して戦闘していくのだぞい!!」


 ゆえに、ダンジョン1階からではなく、やや強めのモンスターが出てくる10階層辺りから戦闘させるそうだ。


 いつまでも弱い者相手にし続けるよりも、どんどん深い階層、より強い相手と戦った方が良いようである。




 そして2つ目には…‥‥「精霊とのつながり強化」だそうだ。


「まぁ、我輩としても精霊を2体も体に宿らせる人間は見たこともないぞい。だがしかし、それは前例がないわけではないのだぞい…‥‥成功例があるかどうかは別だがな」


 ゾンバルいわく、フレイのように精霊を体に宿らせることを試みる人たちは案外いるらしい。


 精霊の力を借り、施行できる精霊魔法を見て、ならば直接精霊とつながり、その力を得たほうがより強くなれるのではなかろうか、と考える人はいるのだ。


 だがしかし、精霊を何か物に宿らせるのであればまだしも、生身の人間に宿らせるにはそれ相応のリスクがある。


 精霊の持つ力に耐え切れず、人体爆発しかねないのだとか。


「まだまだ精霊を詰め込めそうな人間なのは分かるぞい。だがしかし、その精霊の力をまだ完全に使いこなせていないと、我輩は見るのだぞい!!」

「…‥‥フラウ、ユキカゼの力を使いこなせていないのか」

「うーん、私としては使われている感じはするの」

「ただ、一理あるでござるな。拙者は主殿と共に近接戦闘を行うでござるが、まだまだ連携とかを強化できそうでござるもの」


 ゾンバルの言葉に、フラウは首を傾げつつも、ユキカゼの方は思い当たるふしがあったようだ。


 まぁ、これも経験を積むしかないが、これはただ戦うのでは意味がない。



 精霊を補助に使うなら補助に、共に戦うのであれば連携やその他戦闘方法を、と先ほどとは違い、少々特化させた方が良いらしい。


「多種多様な戦闘方法の中で、精霊を使う時に一瞬でも特化すれば、戦闘力は瞬時に跳ね上がるのだぞい。これは精霊との関わりを深めるためにも、体内にいてもらうのではなく、寝る時以外は外に出てもらうのだぞい」


 故に今回、フラウとユキカゼはフレイの身体から出て、ともにダンジョンでの戦闘に挑むようだ。



 そして3つ目は‥‥‥‥


「むがー!!むだががが!!」

「‥‥‥ゾンバルさん、リールさんをそろそろ解放してはどうでしょうカ?」

「いや、10階層までこのままだぞい!」

「もがぁぁぁぁぁ!!」


「すごい激怒しているの」

「あれはそうとう暴れそうでござるなぁ‥‥‥」

【それでも平然と持ち続けるその姿は、どう見ても不審者ですよね】


 ゾンバルの背中にあるかごの中で暴れているのは、簀巻きにされたリールである。


 昨日の戦闘後、敗北して気絶していた状態で簀巻きにし、ダンジョンまで連れてきたのだ。


…‥‥他者から見れば人攫いとかに見えそうなのだが、ダンジョン前のギルドの受付の人や、他の簿王権者たちが生暖かい目でゾンバルさんを見ていたから、既に色々と理解されているようである。




 何にしても、彼女もいっしょに連れてきた理由としては…‥‥


「3つ目の要素は、『他者との協力』ぞい!精霊とかスキルとか、その他諸々いるようだが、それでも冒険者として活動する際に、合同でやる事もあるのだぞい。その時に、他者とのコミュニケーション不足で争いともなるゆえに、その部分の鍛錬が必要なのだぞい!」

「で、リールさんを連れてきた理由と、どんな関係があるのでしょうか?」

「ちょっと屋敷の破壊もされたからその修理費を稼いでもらうのと、リールと一緒にこのダンジョンで活動してもらい、他者との協力の在り方を学んでもらうのだぞい!!」


 割とまともな理由であったが、戦闘を挑まれた爆裂打撃少女と組めとなると、ちょっと精神的にきつい。




 何にしても、ようやくまともな修行となりそうで、フレイはなんとなく安堵の息を吐くのであった‥‥‥これまで非常に苦労したというのもあるし、しっかりとやらないとなぁ…‥‥



 しかし、修行は自身の力を高めるために重要だと理解できているのだが、非常に不安しか沸き上がってこないのはなぜだろうか?


‥‥‥戦闘経験をまずは積む事になりそうである。

とりあえず、まともな修行なのは喜ばしいが、不安しかない。

それは、主人公の不幸体質というべきものが原因なのだろうか?

次回に続く!


‥‥‥こういう時こそ、主人公の薄幸が光りそう。フラグかな?

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