ようやく修行の地……何だけどな
エアコンで頭が痛くなる夏。
扇風機だけでもなんとか行けるが、夜寝る時には必要なんだよなぁ…‥
SIDEフレイ
……ボルドの電撃激走によって、遂にフレイたちは目的地である修行の地へ着いた。
セドリッカ学園長に推薦してもらい、修行を付けてもらえる相手がいるそうなのだが‥‥‥‥
「ここが修行を付けてくれる人がいるという、『迷宮都市バルブリア』か……」
目の前に遠くまである外壁を見て、フレイはそうつぶやいた。
―――――――――――――――
『迷宮都市バルブリア』
ダンジョン「バルブリア」が中心にあり、それを元にして栄えてきた都市。
ダンジョンシティーと名づけられた由来通りだが、一応きちんとした管理が必要であり、モンスター・カーニバル対策として都市の周辺には城壁が作られ、できるだけ外部に漏れださずに都市内で終わらすようにされている。
なお、同様の構造を作るためにはある程度の年月が必要とされており、この形になるまでは犠牲者も大勢出た。
―――――――――――――――――
都市の内部へ入ると、活気が触れていた。
冒険者たちが行きかい、彼らに武器や防具、食料などを提供する商人たちも多く、中々賑やかそうである。
「すごいな‥‥‥でも、ここに本当に修行できるような場所があるのかな?」
「ダンジョンの方にとならば納得できそうなの」
「でも、人込みの中を進むのは大変そうでござるよ」
「バルブッヒン」
セドリッカ学園長から、あらかじめもらっておいた案内の紙では、ダンジョンに近い部分にその修行の人がいるようだ。
先に連絡が行っているそうだが‥‥‥
ひとまずは、まずはその教えられていた場所へ向かう。
ダンジョンから少し離れた場所にある、屋敷のような建物だが、目印としては分かりやすいのがあるらしい。
「でも、その目印の特徴が『生首』ってなんだ?」
「どう考えてもろくでもなさそうな気がするの」
「っと‥‥‥あの主殿、もしやあれではなかろうか?」
ふと、ユキカゼが気が付いたように指を刺したところにあるのは、大きな屋敷。
だが、その屋敷の屋根には堂々とライトアップ(?)された、生首は生首でも蛇の頭のような物体がのっていたのであった。
「‥‥‥あれしかないよな?」
インパクトがあり過ぎると言うが、人も何やら避けているようにも見える…‥‥大丈夫なのだろうか?
不安たっぷりな状態になりながらも、フレイたちはその屋敷に向かうのであった。
「‥‥‥え?不在ですか?」
「はい、連絡をいただいてはいたのですが、到着予定の予想が付きづらかったですので…‥」
屋敷に向かい、チャイムのようなものあったので鳴らすと、屋敷の住人に仕えている執事らしき人が出てきた。
彼の名前はセバーン。この屋敷の持ち主が留守の時に任されている人物だそうだ。
全国執事セバ組合会員番号1111と、ちょうどぞろ目なのが誇りらしい。
何にしても、セドリッカ学園長からきちんと連絡は届いており、フレイたちがこの場所に来ることは分かっていたそうである。
だが、到着予定時刻は不明なので、暇つぶしに屋敷の主……学園長から紹介されたその人物はダンジョンへ向かったそうなのだ。
それも、フレイたちが到着する1時間ほど前にである。
「えっと、帰宅はいつごろになりそうですかね・・・・・」
「そうですね‥‥‥あの方の事ですから、適当な階層で切り上げ、また生首を持って帰って来るでしょうし、夕方ごろになるでしょう」
「また」?え?ってことはもしかして……
「はぁ、屋敷の上に飾っている首は、3日前に得た者でして、実はこの館の主は捕らえた大物の首をかzらうのを趣味にしておりまして…‥‥色々と大変なのでございます」
疲れたような顔になって、セバーンはそう溜息を吐くのであった。
……かなり苦労しているようだ。
そして、余計に不安になって来たなぁ…‥‥後悔しても、もう遅いかもしれない。
何にせよ、その肝心要なその人が帰宅するまでの間、セバーンに勧められ、フレイたちはしばしの間その館で待つのであった。
到着早々、まさかの不在である。
だがしかし、主人公の薄幸を舐めてはいけなかった。
こういう時こそ、より出てくるもので……
次回に続く!
……しかし、今更ながらすごい不安になって来たぞ。大丈夫なのだろうかその人物……




