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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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事後処理&依頼達成報告

そろそろ新章へ移る前に、ちょっと事後処理

SIDEフレイ


 誘拐犯たちは自分達が用意してきた折に囚われたまま、そのままギルド直轄の護送馬車によって、しかるべきところへ輸送されることになった。


 いわく、どうやらこの誘拐犯たちの背後にある組織はそれなりに大きそうなので、この機会に徹底的に調べ上げるために、拷問げふん尋問が可能な地へ引き渡すためらしい。


「ふふふふふふふ、これで都市のバカ騒ぎの一つが消えたし、ちょっと肩の荷が下りたわね」


 都市マスターングースのギルド長、フルファングさんが笑みを浮かべて護送されていく誘拐犯たちを見てそうつぶやいたが、どうやら前々から同様の事があったらしく、よっぽどいら立っていたそうなのだ。


 何にせよ、あの犯人たちに明るい未来はないだろう。


 と言うか約数名、毒状態になってたけれども治療すらなかったなぁ‥‥‥



「あれで良いのかな?」

【おそらく大丈夫だと思われます。まぁ、犯人は引き渡されましたし、これ以上考えても無意味でしょう】

【存分にボッコボコにして、ちょっと楽しかったでござるな】

【ちょっとやり過ぎだと思ったの。でも、まぁ、良かったの】


 奇襲をかけたとはいえ、戦闘の疲れがあるので一旦フラウたちはフレイの中に入っていた。


 ナビリンは戦闘終了後も色々と分析していたようだが、今のところ放置で良いそうである。








 とにもかくにも、これで依頼としては達成であった。


 騎士マッソンさんがやって来て、お礼を述べつつ達成報酬を渡してくれる。


「あれ?護衛の時の件でもらってますし、旅費とかを削ることになるのでは……」

「ははは、その程度ならば大丈夫だ。・・・・・まぁ、ちょっと違った面倒事にはなったがな」


 いわく、何でもあのミシェーラの親に連絡が付いて、現状を知った途端に引き返してすぐさま戻ってくるようにという指示が来たらしい。


 相当な距離が離れているはずなのだが、電話のような連絡手段がこの世界にあるのだろうか?


【‥‥‥スキルの中にもあるそうですが、マジックアイテムの可能性があります。とはいえ、簡単には手に入りにくいものです】


 つまり、そのようなものを扱えるという事は、ミシェーラたちは相当な金か権力、もしくはその両方を持った人物でもあるということになる。


 身分で言えば貴族になるのかもしれないが…‥‥波の貴族でもなさそうだ。


 まぁ、かといってどのような身分とかについては、フレイたちは探求する気にならなかった。


 知ったところでどうしようもないし、面倒ごとの予感がまたあるようにしか思えないからだ。



「とはいえ、せっかく助けてもらったのに、依頼報酬だけではちょっと勿体ないですわね・・・・・」


 マッソンさんに護衛されつつ、ミシェーラはそうつぶやいた。


「とは言え、俺たちも特にこれ以上必要ないし、そもそも冒険者登録しても、学園で学園長から勧められた修行の場へ向かっているからなぁ…‥」

「そうなのね‥‥‥あら、ってことは貴方たちを育てたのはその学園で良いのかしら?」

「ああ、冒険者育成学園出身だからね」

「そう……だったらせっかくだし、その学園に寄付でもしておきましょう。貴女のおかげでという事を載せておけば、受け取ってくれるはずよね」


 いいことを思いついたというようなその顔は、年相応の少女にしか見えず、本当に貴族とかそういった類の人なのかフレイは疑問に思った。



【‥‥‥一応、鑑定機能で調べる事も可能です】

(いや、別に良いよ。どうせもう会う事もなさそうだし、旅の思い出とでも残しておけばいいからね)


 人生一期一会、冒険者として過ごすのであれば、そう簡単に同じ人に会うことはないだろう。


 出会いを大切にしつつ、その想いを持っておくのが一番大事なのだ。


 まぁ、最終目標である炎龍帝との決戦があるまでは、まだまだ出会いがありそうだけどね。





 なにはともあれ、ミシェーラ達がその場を去った後、フレイたちは都市マスターングースに数日ほど宿泊して、食料などの補給をしておく。


 時折ギルド長のフルファングが宿に来て模擬戦をしつつ、懲りずに副ギルド長に叱られもしたが、3日後には都市をフレイたちは発った。



「できればあのまま都市で冒険者として稼いでほしいとか、模擬戦してほしいとか言われたけれども…‥まずは学園長に進められた修行の地へ向かわないとね」

【目的地までの予定日数に変動はありますが、十分誤差の範囲でしょう】

「それじゃ、向かうの!」

「思ったよりも滞在したでござるが、旅の再開でござるな」


 そう言いつつ、フレイたちは目的地まで再び歩み始めるのであった…‥‥







―――――――――――――――――――

SIDEミシェーラ


・・・・・過保護なお父様のせいで、また帰宅させられることになった。


 本来はあの都市で重要な話し合いもするはずだったが、兄たちの方を向かわせることにしたようである。


 とは言え、流石にもうあの誘拐のような事もないはずでしょうし、帰路はおそらくまだ楽になるはずだろう。



・・・・・副団長、いえ、もう犯罪者として更迭されたあの人物にはまだ謎がありますが、一応、わたくしを狙っていた方々は、しばらくは来ないでしょう。


 それまでに、今回の事で経験したことを活かせるようにしなければならないはずです。



「‥‥‥とはいえ、彼に再び会えた方が面白そうですわね」


 そうつぶやき、思わず笑みを浮かべるミシェーラ。


 精霊を仲間とし、誘拐犯たちを瞬く間に潰し終え、そのうえ護衛道中でもいろいろやってくれた少年の事を思い出し、心の中に記憶しておく。



「出来れば我が国に仕えてくれたほうがよかったかもしれないけれども……まぁ、無理よね」


 そう思いつつも、再会の機会があれば、今度はゆっくり話をしてみたいものだと彼女は思った。



 そして、彼女を乗せた馬車は帰路へつく‥‥‥‥再びの出会いを望みつつ、そうそう機会はないだろうと思いながら。



 だが、その機会はそう遠くない未来に起きるのだが…‥‥それはまた、別のお話。



 

さてさて、冒険者登録を済ませたフレイたち。

これでいよいよ、あとは修行の地へ向かうだけである。

あのミシェーラとの再会は、また未来にあることを知らないが…‥‥

次回に続く!


……そう言えば、まだ旅の途中である。さっさとしてほしい反面、もうちょっとゆっくり行きたい想いがあるんだよなぁ。

不定期更新とはいえ、書いている作者が早く更新できるようにしたかったりする。

何にせよ、次回もお楽しみください。

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