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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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さてさて、ひとまず落ち着きまして

とりあえず、色々と進めたいところなんだけどなぁ……

SIDEフレイ


「よっと……これで全員かな?」


 ポイッと犯罪者たちを放り込みつつ、扉を閉めてフレイはそうつぶやいた。



【ええ、周囲に不審人物の影は見当たりませんし、探知範囲を広げても、特に害意を持つような相手はいないようですので、これでよろしいかと】


 フレイのつぶやきに対して、ナビリンが裏付けを取って報告した。



「とりあえず、子供たちが入れられていた檻から、子供たちだけを出して、入れ替わりに誘拐犯たちを入れたのは良いけれど…‥‥約数名が瀕死なのは仕方がないことでいいかな?」

「一部、持っていた毒が自身にかかってしまったやつもいるでござるが、いかんせん解毒剤は持ち合わせておらぬでござるよ」

「まぁ、自業自得だしこれで良いの」


 何にせよ、これで誘拐犯たちは一網打尽にしたはずである。


「と、後は確認作業だけど…‥‥」





 今回のこの誘拐犯たち、護衛対象であった人物以外にも、どうやらその他大勢の子供たちも誘拐していたようで、まとめて一つの荷馬車の檻に入れられていた。


 幸い、全員けがなどは無さそうだが……いやまぁ、約一名が「もっと早く助けに来いよ!パパンにいいつけてやるぞ!」と生意気な事を言った坊主がいたので、丁寧に話しかけて(『浮遊』で持って)じっくりと(大空高く)理解を頂け(飛んで)るように(一気に)事情を放したら(超・急降下)したら、わかってくれた(恐怖を与えた)のか、それとも安心からか(地に足が付くからか)ぐっすりと眠って(気絶して)くれたのであった。



 うん、理解がいただけたようで何より。


 え?他に文句を言うような人は…‥‥いないね。


 ちょっと見たら、全員全力で首を横に振って黙ってくれました。


 いやぁ、良い子たちばかりで助かるなぁ…‥‥まぁ、俺もまだ12の子供だからいまいち説得力ないけどね!




「っと、それで確認をしたいけど……君が、いや、貴女があの護衛対象だった人物、ミシェーラですか?」

「ええ、そうね。護衛をしてもらっている間、顔を合わせなかったけれども、確かにわたくしはミシェーラと言う名前よ。…‥‥ああ、騎士団長に名前を聞いたのですね?」

「はい、わからないと意味がなかったですからね」



 一応、今回の誘拐犯たちの捕縛(一部重軽傷)に関しての、そもそもの対象だった、護衛対象…‥‥同い年ぐらいの少女であるミシェーラの確認をフレイたちはとった。


 

 ただ、あの騎士団長は高貴なお方と言っていたが…‥‥どこの家の人なのだろうか?



 何にせよ、気にする必要は特にないだろう。どうせ、これであとは騎士団長たちに渡して、そこでお別れと言うような形になるだろうしね。



「ところで主様、ちょっと思ったことがあるの」

「ん?どうしたんだよフラウ?」


 ふと、何かに気が付いたのか、フラウが尋ねてきた。


「ここにいるのは良いとして、どうやってギルドの方へ彼女達の事を知らせるの?」

「……あ」


・・・・・まだまだ俺も、未熟だったようである。


 戦闘面では対人戦に慣れてきても、こういったところで抜けてしまう点はどうにかしたいところだ。


 まぁ、今のメンバーだと、補助フラウ、戦闘は俺、ユキカゼ、周囲の警戒などはナビリンに任せているし……現状、どうしようもないか。



――――――――――――――――――

SIDEミシェーラ


「ここにいるのは良いとして、どうやってギルドの方へ彼女達の事を知らせるの?」

「……あ」



……その少女の言葉に、ぽかんとして完全に「忘れていた!」という表情を浮かべる少年を見て、わたくしはどこか安心感を覚えた。



 いや、護衛をしてもらっていたというのもあるし、その実力とかがあることで、今は安全なのだというのは分かるが…‥‥ある意味人離れをした強さを持つ彼らに、どこか恐れを持っていたのだろう。


 だがしかし、抜けているようなところを見て、彼らもまたわたくしたちと変わりないことを感じて、どこかほっとしたような空気を得た。



・・・・・お父様の過保護さのせいで、今までは特に外を見るようなこともなかったし、せっかくわが国のための事をなし得ようとしているのに、馬車から出る事を、わたくしはほとんど許されなかった。



 けれども、今こうして、誘拐されて、そして助け出されて外を見て、わたくしは思う。


 やはり、自分の目で見て、そしてどのようなものか見極めたほうが、わたくしの性に合っているという事を。



 ならば、今回この国まで来た用事が済みしだい、わたくしはお父様に頼みこもう。


 誘拐されたというのはあるが、それでもこうやって実際に目で見聞きして、肌で風を感じ、そして人の強さや優しさに触れたいのだ。




 そう思いながらも、わたくしは目の前の少年たちを見る。


 まだ同い年ほどでありながらも、どれだけの強さを彼は持っているのだろうか?


 従えている少女たちも精霊だと護衛中に聞いたし、彼はまだこの先成長するはずだ。


 となれば、将来的に大物になりそうな気もわたくしはして・・・・ふと、気が付いた。



(……あれ?これってもしかして今のうちにきちんと友好関係を持った方が良いのでは?)


 彼の実力は誘拐犯たちを一気に潰せるほどでもあるが、まだまだ隠されたところがある。


 そして、成長の可能性もあるという事は…‥‥今のうちに、つながりを持っておいて損はないはずだ。



・・・・・けれども、どのようにすればいいのかわたくしは分からない。


 そのため、騎士団長たちと再会するまでわたくしは考え続け、そして一つの結論として、せめて好印象は残るように、少し話しかけて彼の通った冒険者学園へ寄付でもして、その話しを聞いてわたくしたちに対して悪い印象を持たせないようにしよと、稚拙なことを思いつくのであった。






―――――――――――――――――――


・・・・数日後、冒険者学園のセドリッカ学園長は、見覚えのない封筒が届いたことに気が付き、開封した。


 そしてその内容を読み、思わず驚愕の声を上げた。


「な、な、な、なんじゃぁこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」


 その内容は、あるお偉いさん…‥‥その娘が助けられたので、せめてもの恩返しになるように、彼のいた冒険者学園へ寄付をするというもの。


 彼のような優秀な冒険者育成できるようにするためという理由であったが…‥‥その金額が半端ではなく、思わずセドリッカ学園長は何度も見直し、そしてそうなった元凶である彼…‥‥フレイの存在に気が付く。


「おおぅ、卒業早々何をやったんだぁ…‥‥まぁ、良いかぁ」


 学園側にとってプラスの方向に働いたので、とりあえず落ち着きを取り戻し、学園長はそうつぶやくのであった。



・・・・・しかしながら、学園長はまだ知らない。


 それが、本当にただの寄付で済むはずがないという事を。


 思わぬところでフレイがやったことは、どうやら別の事を引き寄せてしまったようで・・・・



学園に利益がどっかっと降ってきました。

そのあまりの喜びで、セドリッカ学園長が喜んで踊って、ゴキッと逝くのはまた別のお話。

何にせよ、とりあえず事後処理に移らないとね…‥‥

次回に続く!


……まだ目的地についていないから、ちょっとペースを上げたい。

いや、投稿ペースはまだ良いかもしれないけれども、中身の方を進めたいんだよね。

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