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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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悪党どもには鉄槌を

……正確には、炎や風、氷などを使うので、鉄槌とは言わないかもしれない。

SIDEフレイ


……マッソンさんと共に護衛していた対象が、この都市で誘拐された。

 

 どうやら毒薬などを扱うようで、やばそうだが…‥‥とりあえず、今は探すことに集中した方が良い。



「『浮遊』!」


 ばっと空中へ飛びあがり、フレイは都市の上空から全体を見下ろすことにした。


「ナビリン、探知機能での探索は?」

【現在捜索中。妨害のマジックアイテムなどの可能性があるものによって反応が薄いですが、むしろそのおかげで確認完了。…‥‥都市の北側にあるところです】

「よし、フラウ、風の精霊魔法での補助を頼む」

【了解なの!】


 宙を素早く移動するために、フラウの精霊魔法によって加速しつつ、フレイたちはその反応の下へ急ぐ。




 少し飛んで、都市を出ようとしているところで、探知機能の反応によって護衛対象がいるらしい馬車をフレイたちは見つけた。


 一見、普通の荷馬車に見えるのだが、どうも普通の荷馬車ではない。


 流石に上を相手は見ていないだろうけれども、周囲に数人ほどの人影が付かず離れず付いているのだ。



【目視確認距離へ到達。探知精度向上。…‥‥どうやら護衛対象以外の生命反応を確認。同年代の者たちと思われ、首謀者は馬車の御者及び周囲の人影と思われます】

「わかった……じゃあ、一方的に上から止めるか」


 正面から堂々と行けば、場合によっては馬車の内部にいる人たちが人質にされる可能性がある。


 ならば、まだ流石に上空からの襲撃を考慮せずに油断している相手を、ここから一方的に一気に殲滅した方が良いだろう。


「よし、ユキカゼ、フラウ。相手が動く前に、一気に殲滅を開始だ!」

【了解なの!】

【大暴れをするでござる!】


――――――――――――――――――――――――――

SIDE馬車内:護衛対象???




「うぇ~ん!うえぇ~ん!!」

「助けてママン!パパン!!この状況から僕ちんを逃がしてくれぇ!!」

「…‥‥」



 周囲の同年代ぐらいの子供たちが泣き叫ぶ中、私は一人、冷静にこの状況を考えていた。


 今回は、国同士の話し合いのために、わざわざ私がここまで来て、この都市で相手側の代表と話し合う予定だったが…‥まさか誘拐されてしまうとは思わなかったのだ。


 まぁ、騎士団長が元副団長を犯罪者として移送するために衛兵の下へ連れて行き、道中で偶然にも護衛依頼を受けてくれた少年たちともこの都市から離れたこともあり、一時的にだが周囲の守りが薄くなったというのが原因かもしれない。


 何にせよ、この状況を考えるに、どうも子供を狙ったただの犯罪手段という訳ではなさそうだ。


 頑丈な檻の中に無造作に入れられ、見渡せば他に泣いている子供たちがいるが、おそらくはあの年に滞在していた貴族の子息や子女であり、おそらくは子供目当ての誘拐と言うのではなく…‥‥どちらかと言えば、身代金目当ての可能性の方が高い。


 それも、騎士団長たちが追ってきたことを確認しつつ、毒薬などで撒いていたことから、かなり熟練した犯罪組織が実行しているのであろう。



……こういう時に、自分の身を守るすべを持てない自分が悲しくなる。


 お父様がいくら過保護とは言え、護身術ぐらいは習いたかったなぁ…‥



 何にせよ、今はただ、運ばれるしかない。


 抵抗もする意味もなく、迂闊に動けない自身の無力さを味わっていた…‥‥その時であった。




ズッドォォォォン!!ズガガガガガガガガガ!!

「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」



 突然、外から何かが落ちた音がしたかと思うと、そのまま何か攻撃したような音と悲鳴が響く。


 何が起きたのか、捕獲されていた私たちは目を丸くしつつ、身構える。



『ぜやぁぁぁぁ!!我流剣術「飛剣氷雪切り」でござる!!』

『うわっと!?ユキカゼ、斬撃がこっちにも飛んできたんだけど!』


 なにやら別の声も聞こえたが、その声に私は聞き覚えがあった。


 そう、それなりに時間は立っていたが、ここ数日の間だけ護衛依頼をしてくれていた……



『ああもぅ!!ユキカゼ一旦戻れ!!そうじゃないならこれをぶっ放すぞ『ファイヤストーム』!!』

『主殿、それはシャレにならないでござるが!?』



ズッパチュドォォォォォォォン!!


・・・・・いや、もうこれ護衛とかじゃなくて、本気で潰しにかかっていそう。と言うか、今、明かに戻る意思表示の前に何かをぶっ放したよね?


 ちょっと待って、この荷馬車にはまだ私たちがいるのですが。


『二人とも、ちょっと辺りがやばいの!!一旦やめて欲しいの、精霊魔法「ウインドカッター」!!』

『『そっちの攻撃の方がやばいんだけど(でござる)!!』』


ズパパパパパパパパパ!!


 爆音、斬撃音、悲鳴・・・・・荷馬車の外から聞こえてくる音に、私は物凄く不安になった。


 多分、救出してくれる人たちが戦闘しているのだろうけれども…‥‥いつ、こちらが巻き添えになるか気が気ではない。




 数分後、ようやく音がやみ、どうやら戦闘が終わったようである。



ばさぁっ……


 荷馬車にかけられていた布が取り払われ、外の明かりが差し込んでくる。


「っと、ここにいるのが護衛対象だった人たちと……その他か」


 そこに立っていたのは、馬車から見ることしかなかった少年と少女たちであり、周囲にはあちこちズタボロになった誘拐犯たちがいたのであった。


……相当激しい戦闘があったというか、ほぼ一方的だったようである。




 なんにせよ、今この瞬間、私含む誘拐されていた者たちは、生きている喜びをかみしめるのであった…‥‥


 いや、本当にすごく不安だった。誘拐されたよりも、巻き添えになるかもしれない恐怖がね……




とりあえず、護衛対象であった人物たちとその他を助け出したフレイたち。

誘拐犯たちは少々目も当てられない状態になったが、まぁ加減を間違えただけである。

何にせよ、ひとまずは救出できたのだが……

次回に続く!


・・・・・彼からの強襲、爆炎、斬撃、氷漬けなど、どっちが悪なのか分からない状態だったりする。

とりあえず、今回は悪党相手なので、自重無しの先手必勝戦法を取ったのであった。

人質を取られる前に、全滅させた方が良いからね。

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