大丈夫かこのギルド
いよいよ、ようやく、ついに登録の‥‥‥
SIDEフレイ
……落ち着いて物事を整理しよう。
今、目の前をがタイの良いおっさんが二名ふっ飛ばされ、ギルドの壁に突き刺さっている状態。
そして、そこに追い打ちをかけるように…‥‥
「何を、そんなことを!!」
ばしぃぃぃん!!びしぃぃぃぃん!!
「ぎやぁぁぁぁ!!」
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
「思って、やらかして!!」
ばっしぃぃぃん!!びったぁぁぁん!!
「ぎぇぇぇぇぇぇ!!」
「許してくれぇぇぇぇl!!」
「ここの評判を貶める様な真似をさらしてくれたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ぐっしゃぁぁぁぁぁぁぁん!!
「「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
「‥‥‥オーバキルだろ」
【‥‥‥探知機能で、爆発物がないことは分かっていましたが、まさか別の意味での爆発物があったとは思いませんでした……スキルの私でもドン引きですよ】
目がきつめの女傑と言って良いようないでたちの女性の手によって、壁に刺さったおさんたちの弱点が連続で鞭で打たれ、何かが潰れたような音がしたと共にルースはつぶやき、ナビリンでさえもひくような状況がそこにあった。
ギルド内の冒険者たちで男性は股を抑え、女性たちの方は…‥‥なぜか目をキラキラさせて、「御姉様」とつぶやいているような気がするけど、気のせいだろうか。
とりあえず、その場は放置して、フレイたちは登録のために受け付け嬢の方へ進んだ。
「すいません、冒険者登録をしたいのですが」
「ああ今日も美しきギルド長……はっ、すいません、冒険者登録ですね?」
「はい、そうです」
「通常登録であれば、最低ランクからですが…‥今月は少し厳しいですね。冒険者育成学園の方で受講を済ませ、卒業できた証があれば、登録は可能です」
「それならここにあります」
ごそごそと、フレイは懐から卒業した証明書などを出し、手続きを進めていく。
「なるほどなるほど…‥‥確かに本物ですね。では、ここから細かな登録を‥‥‥」
「おや?なんだ、新しい冒険者志願か?」
ふと、そこで声がしたかと思うと、そこには真っ赤な液体をしたららせる鞭を持った、先ほどの女傑がいた。
「ぎ、ギルド長、先ほどの馬鹿たちのしつけはもういいのですか?」
「ああ、ちょっと男としての人生は終わらせたかもしれないが、これで十分だと思ったからつまみだしたよ」
受付嬢が慌てて尋ねかけると、その女傑は…‥‥ここのギルド長らしい人は、笑ってそう答える。
ちょっと慣れた対応のように聞こえるのが怖い。
「ふ~ん、新しい冒険者志願で…‥‥おお、なんだ育成学園の卒業証書まであるとは、実力は本物のようだな」
じろじろと見て、そう話すギルド長。
「よし!!せっかくの機会だ新人冒険者予定君!!その実力に偽りはないと思うが、少し腕試しとして模擬戦をしてくれたまえ!!」
「ええ!?正気でしょうかギルド長!!まだ新人に、いきなり勝負を挑むなんてどうなんでしょうか!!」
「いーや、そいつはただの新人ではない。よく見れば、精霊と思わしき者たちを連れているよね?」
「「!?」」
「だけど、無理やり従わせている様子もなく、互いに対等に接している。ここまで密接になっている関係だと、かなり実力があるとみられるからね」
そういうと、ギルド長はフレイの方を向いた。
「で、実際にどうかな?模擬戦を受けてくれれば、予定しているランクよりもさらに上になれるし……」
「あの、その他にメリットはありますかね?」
「ないよ?でも、受けた方が良いと思うな~」
ニヤニヤとしながらも、ふざけているというよりも真剣に問いかけるギルド長に、フレイは考える。
(・・・・・ナビリン、これは受けるべきかな?)
【受けたほうが良さそうですね。今のうちに、はっきりとしておかないと、後々厄介になる事が見えますし……】
「…‥‥良し、ならその模擬戦を受けましょう」
‥‥冒険者登録をしに来ただけなのに、何故かそこのギルド長に模擬戦を受けさせられる始末。
けれども、断るすべもないので、フレイは受けることにしたのであった…‥‥
……冒険者登録しに来たのに、何故模擬戦を挑まれるのか。
けれども、相手はここのギルド長だし、実力を確かめる点では文句はないかもしれない。
でも、ちょっとその赤い液体がしたたり落ちている鞭が恐怖を感じさせるのであった…‥‥
次回に続く!!
ようやく、冒険者になれると思ったところでこれか…‥‥ついていないというか、なんというか。
一度フレイたちはお祓いした方が良いとも思うのは、作者だけなのだろうか?




