臨時護衛道中 その4
ようやく目的に到着。
ここでようやく冒険者登録などをしたいところ‥‥‥
SIDEフレイ
少々休んだ後、ようやく進み始めて30分後。
何とか騎士たちとその護衛対象たちが目的とする場所に、彼らはたどり着いた。
「ここが目的地、都市マスターングースである!」
騎士団長マッソンの言葉に、騎士たちはうれしい声を上げた。
ここまでの道中で、あの副騎士団長‥‥‥いや、もはやその称号は剥奪され、ただの重罪人のせいでいらぬ体力を使ったので、無事に目的地に憑けたことがうれしいのだ。
なんにせよ、この都市に辿り着けば、フレイたちの護衛も終了である。
「いやはや、あの大罪人のせいで、いらぬ苦労を掛けたことを謝罪しておく。この護衛依頼はギルドから出した者ではなく、またそちらは冒険者にまだ所属していないところから正式なものではなかったが、その依頼料を先に渡しておこう」
そう言って、マッソンは馬車の方に向かい、なにやら中の人と話して、どさっと大きな袋を貰っていた。
「この中に、依頼料としての金貨や、その他諸々かかった必要経費が入っている」
それを持ってきて、フレイたちの前に置いたが…‥‥ずしっと重みがあった。
とりあえず、一旦ここで別れてフレイたちはこの都市にあるギルドへ、きちんと冒険者登録しに向かった。
前の都市だと爆発したりしたし、ここでこそきちんと登録できればいいのだが…‥
そうこうしているうちに、無事に都市マスターングースのギルドにフレイたちはたどり着いた。
「ナビリン、流石に爆発するような反応はないよね?」
【流石に無いようですね。安全に登録可能なはずです】
念のためにナビリンに探知してもらったが、今度こそ大丈夫そうだ。
「それじゃ、入るか」
ギルドの扉を開け、フレイたちはいよいよここで冒険者登録を‥‥‥‥
「何やってんだこの腐れ外道野郎共がぁぁぁぁ!!」
ばっぎぃぃぃぃぃ!!
「ぐげぇぇぇぼ!!」
「ぼうふぁぁぁぁぁぁ!?」
…‥‥目の前を、大柄な男性二名が何者かに殴られて、宙を舞って壁に叩きつけられました。
え?何事?いや本当になんでこうなるの?
―――――――――――――――――――――――
SIDE騎士団長マッソン
「…‥‥良し、これで後は頼む」
「はっ、この罪人はこちらで丁寧に拷問いたしますので、ご苦労様でした」
都市内にある詰所にて、騎士団長マッソンは犯罪者になった元副団長を引き渡し、処理の手続きを終えた。
「ふぅ、これでようやくまともに目的地に着いたのだし、あのお方がここでやる事ができるな…‥」
ここまでの道中でゴブリンの群れに襲われたり、挙句の果てに副団長による裏切り行為のようなことを去れたが、なんとか無事にたどり着いたことをかみしめる。
「さてと、それではさっさと高貴なる御方にはここでの仕事を終えてもらいたいところだな。さっさと済ませてもらって、安全な邸へ護送を‥‥‥」
「あ!!騎士団長!!ちょっと大変な事が!!」
と、詰所から馬車のところに戻ろうとしたところで、部下の騎士が一人、慌てて走って来た。
「どうした?何かあったのか?」
ふと気が付けば、部下の服装が何やらボロボロになっており、マッソンは嫌な予感がした。
「馬車を置き、高貴なる御方を卸したところで突然煙幕が!!そして何者かの襲撃を受け、攫われてしまいました!!」
「‥‥‥‥はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何をやっているのだ!!急いで現場に向かうぞ!!」
ようやく騒動も終わって、一息つけるかと思った矢先に突発的に起きた誘拐事件。
騎士団長マッソンに、急な不幸が舞い降りたようであった‥‥‥‥
……どうやら不幸はあったようだ。
目の前の喧嘩、一方で騎士の方では誘拐事件。
終わったというところで、何かしら起きてしまうのだ…‥‥
次回に続く!!
……これってさ、下手すると騎士団長の責任もかなり問われそう。
現場を離れて犯罪者を自ら引き渡すのは良かったけどさ、安全かと思って油断して、護衛対象を見事に攫われてしまうのって…‥‥




