表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
57/99

臨時護衛道中 その3

事後処理少々かな?

SIDEフレイ


…‥‥副団長ギガマスとやらがやらかしたせいで、現在、この場の全員は疲労していた。


 一応、全力逃走によってなんとか事なきを得たが、何を思ってあの副団長はこんな大それた大馬鹿な事をやったのだろうか。


 そのため、その理由について問いただしたかったのだが…‥‥あの人為的なモンスター・カーニバルから逃れる際にいろいろやったせいで、どうも話せない状態になってしまったのだった。



「これでは聞き出せないな…‥‥焼け爛れているし、治療するにも薬はない」

「ユキカゼ、精霊魔法でこのギガマスとかいうやつの顔面までは守れなかったのか?」

【無理でござる。拙者はそもそも精霊だけれども精霊魔法を扱うための魔力も少ないゆえに、余裕がなかったのござるよ】


 体の中に戻って、少し回復したユキカゼにフレイは尋ねたが、余裕がなかったのであれば仕方がないだろう。



「一応、一命はとりとめているから、後で拷問する前に治療させるのだが‥‥‥全く、なんて面倒なことを引き起こしてくれたんだ」


 いらいらとマッソンさんはそう言うが、フレイたちも同意である。


 流石に今回ばかりは多勢に無勢過ぎたし、なんとか機転を利かせなければ相当危なかったのだ。


「なんというか、とんでもない馬鹿が混じっていたの!」

【愚者の最たる例でしたね。自分だけが助かると思っていたような、そんな都合のいいことしか頭にない人って、どうしようもないですよ】


 フラウはまだ良いとして、ナビリンがここまで強い文句を言うのも珍しいが‥‥‥スキルという立場とはいえ、ナビリンなりに怒りの感情を覚えたのだろう。







 とにもかくにも、護衛対象が乗る馬車は無事であり、不幸中の幸いというか、ここまで必死に逃げてきたおかげで、どうやら依頼達成の場所である目的地まで、ここから後30分もかからずに到着する位置にいるようだ。


 そのため、取りあえず今回の原因でもある大罪人になる副団長ギガマスはここでしっかりと縛り上げ、周囲の警戒をしつつ進めば後は大丈夫なはずである。



「マッソンさん、一応この馬鹿の仲間が目的に潜んでいる可能性もありますが、どうでしょうかね?」

「うーむ、この大馬鹿野郎の仲間がいる可能性も考えたが…‥‥おそらくはいないだろう」

「なぜなの?」


 マッソンさんの考えによれば、今回の件はあの馬車に乗っている高貴なお方とやらを狙う下賤というか、最悪の馬鹿野郎が関わっていると推測できるらしい。


 そして、あの呪魔香と言うのはそう簡単に入手できる代物ではないそうなので‥‥‥



「相手の場合、あの呪魔香の効果で我々は全滅するだろうと考えているだろう。そうであるならば、本来は確認のための人をやるかもしれないが…‥‥あの頭の足りない残念副団長ギガマスを捨て駒に使った点からして、あいつの死亡確認が取れれば良いと思っている可能性がある。ゆえに、わざわざ面倒な人の派遣はしないと考えても良いだろう」

【まぁ、そうかもしれませんね。あの呪魔香で全滅すると思っているのならば確認の手間を取らない可能性もありますからね。‥‥‥ですが、ここで我々を全滅させようとしていたのはムカつきますね。巻き込まれた形に近いとはいえ、そんな輩は処分してやりたいデス‥‥‥‥ああ、スキルであるこの身がちょっともどかしい。自由に動き回れたのであれば、今すぐにでも情報を収集し、具体的には血管に空気を入れたり、動けば頸動脈がぶちっとなるような細工を‥‥‥】



…‥‥ナビリンが何やら恐ろしいことをつぶやいているのだが、相当怒りがあるようだ。


 あ、そうか。ナビリンってナビゲーションという立場でもあったし、今回は探知機能以外にも鑑定などをフルに使って調べていれば防げた事態だったかもしれないから、その責任感ゆえに怒りに感情が傾いたのかもしれない。



【おおぅ、なにやらすごい怒気がするでござる…‥‥スキルなのに、スキルらしからぬ感情が怖いでござるよ…‥‥】


 ユキカゼが恐怖に怯えた声を出しているところを考えるに、相当な怒りである。


 巻き込まれた立場とはいえ、依頼を終えて別れたとしてもナビリンの怒りが収まりそうにないし……修行の目的地へ行く前に、どうにかしないといけなさそうだなぁ。



 フレイはそう思いながら、どうやってナビリンの機嫌を直すべきなのか考えるのであった…‥‥





―――――――――――――――

SIDEナビリン


…‥‥少なくとも、今回のは私の失態でもあります。


 油断し、あの騎士たち全員の鑑定を行っていれば大丈夫だったかもしれません。


 ですが、それを怠ってしまったことを後悔し、怒りを覚えました。




 ですが、私には肉体はない。


 ナビゲーションシステム、スキルとしてフレイに尽くすしかなく、報復措置を取れないのが非常につらい。


 ああ、あの馬鹿左遷女神によって、この方のスキルとなる前に何らかの手段で肉体を得られるようにしてほしかったです。


 こうなれば、いかにしてこの怒りをぶつけるかを考えねば…‥‥


(・・・・・待てよ?肉体を得ると考えるのであれば、確か仮初のものを得るスキルならば存在したはず。でしたら、なんとかして習得できない者でしょうか?)




……この日から、ナビリンは考え始めた。


 今以上にフレイをサポートするために、そしてこのような事態ですぐに報復しやすいように、いかにして自身が肉体のような物を得るかについてを。


 そしてのちに、その方法を習得するのだが…‥‥それはまだ先の事であった。


……ナビリンの肉体を持たせる予定、少々検討中。

本当は何も持たせないつもりだったが、これだと困る時があるからね。

とにもかくにも、ようやく護衛依頼終了となるのだが‥‥‥

次回に続く!!


…‥‥さてさて、ナビリンが仮に肉体を持ったとしたらどんな姿になるのやら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ