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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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臨時護衛道中 その1

ちょっとコメディが混じったような

SIDEフレイ


…‥‥護衛依頼の形で、白薔薇の乙女騎士団とやらと共に、ある馬車の護衛をすることになったフレイたち。


 本日は晴天であり、周囲が見やすかったのだが‥‥‥‥




「その分、相手側も見やすいのかなぁ?」

「多分そうでござろうな。ただまぁ、弱いでござる」


「‥‥‥‥いや、何と言うか凄まじいな」


 フレイとユキカゼが呆れたように話し合う中で、騎士団長マッソンが引きつった笑みを浮かべて声をかける。



 昼前にとりあえずいったんどこかで休憩をということで、その場所へ向かっていたのだが、その道中に盗賊たちに遭遇したのだ。


…‥‥とは言え、ナビリンの探知機能でばっちり動向が捉えられていたために、騎士たちにスキルのおかげでわかったと伝えつつ、すぐさま対応できてしまった。


 

「ぐ、ご、ごのや”、」

「『ウインドスタンプ』!!」


どっすん!!

「ぐげぇ!?」


 ぶるぶると手を震わせ、何とか起き上ろうとしていた盗賊がいたが、その後方から風の精霊魔法でフラウが地面にたたきつけた。


「ふぅ、無力化できたの!」

「おっと、まだギリギリ大丈夫だった奴もいたのでござるか」



 何にせよ、この盗賊たちの中で、生き残っている者たちをフレイたちは捕縛していく。


 その場で切り捨てて、アンデッド化を防ぐために火葬することも可能だが‥‥‥‥団長いわく、少々気になることがあったらしい。


 そのため、馬車の中にいるであろう高貴な人やらに見せないために、近くにあった林の中に連れ込んで、騎士たちが尋問させた結果…‥‥ある事が分かってしまった。



「‥‥‥え?この盗賊たちって、誰かから頼まれて襲ってきた者たちだったのですか」

「ああ、そのようだ。どうやら馬車の中の高貴なお方を狙っていたようだが…‥‥」


 尋問の結果、どうやらこの盗賊たちは野生の盗賊という訳ではなく、誰かに雇われてきたらしい。



 待ち伏せしていたのは、そのルートを取るかもしれないという情報を元にしていたようだが…‥‥生憎ながら、ナビリンの探知機能の前には待ち伏せは意味なかったのであった。



「‥‥‥マッソン団長、一つ聞かせてもらっていいでしょうか?」

「ああ、なんだ?」

「こんな盗賊たちを雇ってまで来るってことは、もしかしてその馬車の人ってかなり地位的に高い、もしくは何かの継承権がある人で、邪魔だからと思う人がいるのでは…‥‥」

「そういう事になるな。まぁ、詳細は明かせないが‥‥‥」



 とにもかくにも、此の先にも同じような輩が出る可能性があるらしい。


 偶然とはいえ、フレイたちが護衛に入ったことで奇襲される確率は減ったが…‥‥それでも何かしらの仕掛けをされる可能性があるという。


……どうやらとんでもない護衛依頼を引き受けてしまったようであった。


「まぁ、この盗賊レベルならば楽なんだけどなぁ」

【油断は禁物と言いますし、遠距離からの攻撃の場合、気が付いたとしても避けれない可能性もあるので、注意した方が良いでしょう】


 ナビリンの注意もあって、フレイたちは油断しないように気を引き締めるのであった。


――――――――――――――――――――――

SIDE馬車内‥‥‥とあるお方。


「‥‥‥そう、やっぱりそういう輩が出てしまったのね」

「はっ、ですがご安心を。今回のは無事に退けましたし、昨日依頼して入ってくれた護衛の冒険sニャのおかげで怪我人は出ませんでした」


 馬車を引く馬の休憩も必要という事もあり、昼頃になってとある湖畔にて、一旦休憩の時刻となった。


 騎士たちが警戒しつつも休憩している中で、騎士団長マッソンは馬車内に留まっているある御方に報告をしていた。



「‥‥‥その冒険者って、馬車から見ていたけれどもあの子よね?」


 そのお方が指さした先には、周囲の警戒をしつつも、休憩がてら騎士たちと談笑している少年がいた。


 なお、馬車の内部の方は特殊な構造になっており、外からは中が見えないのである。


「はい、あの少年は昨日のゴブリン共の襲撃にも駆けつけてくれ、戦闘能力が高く、また精霊2体を従えていることが判明しています」

「精霊ね‥‥‥片方はあの少年の周囲をぷかぷか浮いているのはいいけれども…‥‥あっちは完全にやる気ね」


 見れば、風の精霊という方は少年の周囲を浮いているのだが、氷の精霊という方は、剣を渡され、休憩している騎士たちと交えていた。


 精霊というくくりは同じなのだろうけれども、性質が異なるのであろうか?


「ねぇ、マッソン。私としては興味があるのだけれども、話しかけてはダメなのかしら?」

「ダメです。姫様が誰に興味を持とうが、それは姫様のご自由なのですが…‥‥国王陛下が絶対に騎士団以外の異性とは触れることが無いようにという命令を為されているので……」

「‥‥‥そう、仕方がないわね」


 そのお方が残念そうな表情をしたのを見て、マッソンは少し心が痛む。


 とはいえ、そのお方以上の方の命令なので、どうしようもないのだが…‥‥


「ところでマッソン、知っているかしら?」

「何をでしょうか?」

「城の書物室で、読んでいた時に知ったんだけれども、過去にある言葉があるのよ」

「?」

「『みんな黙っていれば、完全にばれない』ってね」

「‥‥‥‥いやいやいやいや!!ダメですってば!!」


 何をしようとしているのか察したマッソンは、慌てて止めさせる。


 彼らより上の人の命令を破るような真似はしたくなく、というよりも破ったらどのような目に合うのか前例が色々とあるのでする気もない。


 だがしかし、実行力溢れる目の前の方に自由を許すと、その前例のような目に合うのが目に見えたので、マッソンは必死に食い止めたのであった‥‥‥




……が、彼は知らなかった。


 通常であれば、これで終わり。


 けれども、運の値が何と言うか底辺と言うべきか、それともそういう星の下に生まれたような人物がいた場合、それでは終わらない運命になってしまうことを‥‥‥‥‥

盛大なフラグが建設されました

果たして、騎士団長マッソンはどうなるのだろうか。

というか、このお方とやらは一体‥‥?

次回に続く!!


……襲うのは何も盗賊ばかりではないんですよねぇ。

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