進路変更
内容としては少々短め
しかしながら、フラグの建築は忘れない。
というか、勝手に建築されていく。…‥‥どうしよう、勝手にどんどんできていくんだけど。
SIDEフレイ
…‥‥まさかの目の前でのギルド大爆発によって、この都市での冒険者登録はできなくなった。
仮のギルドが設置されればいいのだが、どうもあの冒険者たちの喧嘩の処理が色々あるようで、仮設置には1週以上かかるらしい。
「前のマブロックの時はどうだっけか」
【あれはモンスター・カーニバルが起きたので、確認し切れていません】
何にせよ、ここでの冒険者登録に時間がかかってしまうのであれば、さっさと修行する場所を目指して移動したほうが良さそうである。
ひとえにギルドと言っても、ここだけにしかないという訳でもないし、道中にも存在するであろう。
そこで改めて登録すればいい話しであり、そう焦る事もあるまい。
という訳で、道中にギルドが存在することを願いつつ、フレイたちはその場を後にした。
セドリッカ学園長の紹介状にはその場所までの地図があるし、いざとなればナビリンのアドバイスを頼りにすれば、迷うことはなかろう。
浮遊のスキルで空から見ることもできるし、今回ばかりは万全かつ安全な旅路になるだろう。
そう思っていたフレイであったが…‥‥‥この時、ナビリンだけは警戒していた。
何しろ過去の例があるので、フレイに平穏があるのかどうか、物凄く疑わしくなってきたからである。
一応、ナビリンはスキルではあるが、自立して考えられる存在であり、経験を積み重ねて成長しているのだ。
(さて、今回は目的地まで無事にいけますかね?)
そう内心ナビリンは思っていたが、あえて口にはせず、黙って探知機能で周囲の警戒を怠らないようにしているのであった‥‥‥‥
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SIDE???
ぽかぽかとした陽気の中、その馬車は進んでいた。
周囲は鎧を纏った騎士たちに守られ、しっかりと警備されている。
「ふぃ……まだ目的地に憑かないのかしら?」
「まだですよ、姫様。あと3日はかかる道のりですからね」
馬車の中にて、少女がつまらなさそうな声を出すと、世話をしている者はそう答えた。
ある目的のために、彼女達は移動しているのだが…‥‥まだ幼げさがのこる、彼女にとっては暇なのだ。
「あーあ、どうせならお父様たちも一緒についてきてほしかったなぁ」
「仕方がないですよ、これも王族に課せられた試験というか、姫様の根性試しのようなものですからね。ここで我慢できず引き返したら、それこそ笑い者です」
「でも、どうせわたくしは王位につけないでしょ?どこかの政略結婚の駒にされるだけだし…‥‥自由にしたいのよねぇ」
はぁっと溜息を吐き、どこか達観したように彼女はそうつぶやく。
生まれてからずっと受けている教育のせいで、年相応の精神年齢よりも彼女は成長し、物事を深く考えられるようになっていた。
一応、そういう風になっているのであれば、抗う事は特にしないが‥‥‥‥それでもどこか、息苦しさを感じる生活。
抜け出したいと思いながらも、その機会は中々訪れず、仮に抜け出したとしてもどうすればいいのかはわからない。
ゆえに、何かきっかけさせあれば良いのだが‥‥‥‥そう物事はうまいこと行かないようで、結局諦めて、趣味と義務を兼ねて、適当に刺繍に取り組み始める。
まぁ、平穏な旅路であればそれでいいのだが‥‥‥‥こうやって周囲を騎士たちに守ってもらっても、「絶対安全」という言葉は存在しない。
そのことを彼女達が知るのは、もう少し後であった‥‥‥‥
何事もない旅路になれば良いなとフレイは思う。
だがしかし、彼にそう無事な旅路が送れるだろうか?いや、無理であろう。
お断りしているはずの事でも、向こうから来てしまうのであった‥‥‥
次回に続く!!
…‥‥ちなみに、フレイって実は運が悪いというよりも、物凄いトラブルを引き寄せる体質なのではないかとナビリンは最近疑い始めていたりする。
【実は、あの屑左遷女神が裏で勝手に運命を操作していませんよね?いや、神でも確か運は操作できなかったような‥‥‥‥まさか、私でも鑑定できないようなトラブル体質の元凶が、あるのでしょうか?】




