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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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逃げ延びたのは良いのだが

帰るまでが遠足というように、帰還するまで卒業試験は終わらないのである。

SIDEフレイ


…‥‥モンスター・カーニバルから必死に逃げ延び、「浮遊」のスキルも会得してから三日後。


 現在、フレイたちはダンジョン調査の結果などの報告のために、学園への帰路をとっていたのだが‥‥‥



「なんだろう、この最初から取っておけばよかった感じは…‥‥」

「なんか行きよりも楽なの!」

【拙者にはそのスキルがないでござるからなぁ…‥‥主殿の補助を体内からするしかないのが残念でござるよ】


 空中をフヨフヨと漂いながら、フレイのつぶやきにフラウは元気に答え、ユキカゼはうらやましそうな声を上げた。


 

 せっかく修得したのだし、それに追いつかれる可能性も考えて空を行くことにしたのだが‥‥‥‥想像以上に楽な移動方である。


 河があろうが道が悪かろうが、空さえあれば楽に進めるのはかなりの利点だ。


 一応、足腰が弱くなりそうな気もするし、魔力の消費なども考えて数時間程度の飛行にしているのだが…‥‥空を飛ぶのは気持ちが良いのだ。


 最初は高所恐怖症になりかけたとはいえ、慣れれば中々快適である。



 あくまでも「浮遊」と言うスキルゆえに、精霊魔法の補助がなければ物足りないのだが…‥‥それでも空を行くのは誰しもが夢見ることではなかろうか?


 なお、ユキカゼも本来ならば「浮遊」のスキルがある精霊でもあったのだが、残念ながら妖刀に憑かれていたせいで性質が変質し、失ったので飛行不可能。


 ゆえに、空を行く際にはフレイの中に入らなければならず、本人としては残念らしい。


…‥‥それでも、体の中から空の景色は見えるので、そこまで不幸な事もないようだけどね。というかどうやって見ているのだろうか?



【一応、空にもモンスターなどの襲撃するものがでますが、現在のところ危険な反応は空中にありません。しばらくの間、快適な空の旅を楽しめます】


 ナビリンもこういっていることだし、せっかくなので曲芸飛行も開発したいなぁ‥‥…ついでに何かしらの新技も開発してみたい。忍者が使うとされるいずな落としとかはどうかな?


 もしくは対象をつかんで、一気に急上昇と急降下を繰り返すジェットコースターモドキの恐怖体験を与えるとか…‥‥うわぁ、応用の幅が広がるなぁ。



 広がる空への可能性にワクワクしながらも、フレイたちが飛んでいたその時であった。



【あ、地上にて反応を確認】

「ん?どうしたナビリン?」

【ちょっと珍しいモンスターの反応を確認いたしました。『ダッシュバード』の群れです】

「?」


―――――――――――

『ダッシュバード』

群れで集まり、地上を駆け抜け、一生を全力疾走して過ごすと言われる鳥型のモンスター。

その移動する様子はまるで荒れ狂う激流のような様子から、別名『鉄砲水の鳥』とも呼ばれ、その勢いは縁起がいいとされ、ある地域では崇められているらしい。

また、彼らからとれる羽は様々な素材になり、一羽捕獲するだけでも相当な額となり、冒険者たちからも人気が高い。

ただし、基本的に何もしない相手ならば放置するが、ひとたび敵とみなせば地獄の底まで追ってくると言われるほど執念深く、逃げ切るには彼らの検知できる範囲外に出るしかない。

強靭な脚力を持ち、その一撃は鉄の盾ですら粉砕してしまう。

――――――――――――



「なるほどね…‥‥そりゃ面白そうなモンスターだな」


 せっかくなので、寄り道してその群れを見てみようとフレイは思い、ナビリンの指示に従って目的地に向かった。






ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


「うわぁ!!すごい壮観な光景だな!」

「なんかすごいですの!」


 ある程度接近したところで、その姿を捕らえ、フレイたちは感嘆の声を上げた。


 ダッシュバードたちがものすごい土煙を上げて走行しているのだが、その様子は迫力があり、見ごたえ満載だったのだ。


 もう力強さを感じさせ、まるで大地の息吹を感じさせるようなその様は、寄り道してまで見る価値があると言えるものであった。


 というか、こんな群れを襲うことができる人っているのだろうか…‥‥


「なんかダチョウに近いのに、足がすごい太いな…‥‥」


 走りに走って鍛え上げたのか、その足は丸太のように太く、筋肉質である。


 蹴りで鉄の盾を粉砕するというが、それで済むのかと言いたい。



 何にせよ、もう少しだけ壮観なその様子を見て、帰路へ戻ろうとしていた‥‥‥‥その時、ふとフレイは気が付いた。



「ん?あれ?」

【どうしたのでござるか、主殿】

「いや、なーんか変なのが混じっているような‥‥‥‥」


 明らかにというか、群れの中に一羽だけ、明らかに他のダッシュバードとは異なる外見を持ったものがあった。


 いや、というか全くの別種のような…‥‥他がダチョウのような見た目としたら、こちらは恐竜っぽいんだよな。Tレックスってやつか?



「ナビリン、鑑定機能を頼む」

【了解‥‥‥‥鑑定結果出ました】


―――――――――――

『テラダッシュバード』

ダッシュバードの中でも、長となって進化に進化を傘ね、強さを手に入れた究極の一羽。

仲間たちと同じ外見は捨てさり、強さそのものを具現化したような姿となる。

強靭なくちばしから顎へと変化し、脚力は100倍以上。

まさに生きる暴君とも言われ、気性が荒く…‥‥

――――――――――――



「ジャゲェェェェェェェラァァァァァァ!!」


【あ、敵認定されました。テラダッシュバードはどうやら戦闘を好み、強そうなやつを見かけたら戦いを挑む戦闘狂らしいですね】

「敵認定!?」


 まさかのモンスターから喧嘩を売られたようであった…‥‥‥どうしよう、相手にするべきか、それともしないべきか。


 いや、せっかく相手になった方が良いかもしれない。



 鳥は恐竜の子孫とも言うらしいし、モンスターとはいえ似たような物であろう。


 将来的な炎龍帝との戦闘のためにも、経験を積めるのであれば…‥‥ここで得よう!!


 


 売られた喧嘩だし、買った方が良いということで、フレイは地上におり、戦闘態勢をとる。


 フラウは中に入り、ユキカゼが出て配置につく。



「ジャゲェェェェェェェェッ!!」


 学園へ戻る前の、ちょっとしたけいこのようなことができそうで、中々の強者のようだし、フレイはワクワクしながら戦闘を始めるのであった‥‥‥‥

…‥‥喧嘩を売られたようだが、相手としては面白そうである。

スキルとかもよさげのがあれば会得したいし、喧嘩を買ってやろうではないか。

意気込みを見せ、たまにはノリノリで戦闘に挑むフレイであった。

次回に続く!!


…‥‥ダッシュバードの見た目はダチョウに近いが、テラダッシュバードはティラノサウルスに羽が生えた感じの見た目である。

どこをどうすればそのように変貌するのか気になるが‥‥‥‥面白そうだし別に良いか。

なお、実はチョコ○も検討していた。こっちの方が見た目的にね…‥‥

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