ようやく到着だよゴルティック山‥‥‥ん?
時間をかけたけど、ようやく目的地に到着…‥‥やっぱり旅路って長いなぁ。
SIDEフレイ
ユキカゼの戦闘方法の確認や改善点を出し、とりあえず今後武器を購入出来たら刀を得るか、もしくはスキルの組み合わせによってどうにかしようと結論づけた翌日、ようやくフレイたちはゴルティック山のふもとに到着した。
「ふぅ、これはこれで予定通りなんだろうけれども‥‥‥‥ここが目的地だよね?」
【間違いないはずです】
「その通りなはずなの」
「そのはずでござるが‥‥‥」
ナビリンに、体から出て横にいるフラウとユキカゼに確認を取るフレイ。
ダンジョンがあるらしいから、その調査のために来たとはいえ‥‥‥‥
「なんか明らかに人が多いような…‥‥」
【どうやら既に、ダンジョンに挑んでいる人が出始めてきたようですね】
山のふもとでは、大勢の人たちが行きかいしており、冒険者たちらしい人たちでいっぱいであった。
【ダンジョンというものは、使いようによって利益をもたらしますからね。人が先に入り込んで調べてしまい、そして街を形成し始めたのでしょう】
「‥‥‥この場合さ、ダンジョン調査のために入る事ってできるのかな?」
【大丈夫なはずです。学園の卒業試験のために来たことの説明などをきちんとすれば可能でしょう】
とにもかくにも、ここまで来たのだし、まずは周囲で情報収集をフレイたちは行うことにしたので柄あった。
…‥‥情報収集をしたところ、数日前に勝手に入り込んだ人たちがいたらしく、ならば私も俺もあっしもと言った具合にどんどん人が入っちゃったらしい。
本当であれば、きちんと依頼を受けた冒険者が調査を行うのだが…‥‥その前に開発されてしまったようなものであろうか。
一応、この地には仮のギルドがダンジョン前に設立されているらしいので、フレイたちはそこへ向かった。
「ダンジョン名は『マブロック』ね‥‥‥」
山のふもとにできたダンジョンは、どうやら洞窟のような形をしており、壁には大きく「マブロック」というダンジョン名が書かれていた。
その横には、仮の掘立小屋のようなギルドが存在していた。
「仮ギルドって書いてあるの」
「なんかしょぼいでござるな」
ユキカゼのその言葉に、うんうんとフレイたちは頷く。
なんというか、明らかに予算不足で作ったかのような、ボロボロな建物である。
雨の時にすごい雨漏りしそうだなと思いつつ、フレイたちは中へ入った。
「お、案外中はまともだった」
「外装だけぼろいですの」
何にせよ、機能しているのであればそれでいいかもしれない。
中に入ったところで…‥‥よくあるテンプレのように絡む冒険者はいないようだ。
とりあえず、受付へフレイたちは向かった。
「すいません、少々尋ねたいことがあるのですが」
「はいはいはい、何かしら?・・・・あら、小さな坊やたちね」
受付に出てきたのは、ギルドの受付嬢。
見た目的になんか悪女だが…‥‥まともな人だと思いたい。
「冒険者育成学園ヘルドーンから、卒業試験のために来たのですが‥‥‥あ、これが証拠です」
とりあえず、事情を説明し、学園から持って来た卒業試験内容がかかれた紙などをフレイは手渡した。
「どれどれ‥‥‥あら、懐かしいわね、あの学園の卒業試験受験者なのね。‥‥‥ふんふん、もう卒業予定でこのダンジョン調査のために来たことを確認できたわね」
内容を読み、受付嬢の人は納得してくれたようである。
「はい、お返しするわね。ギルドとしても、卒業試験のために来た学生であれば入るのに何も問題はないわ」
にこにことしながら、受付嬢はそう口にした。
「ただ、注意事項が一つあるわね」
「というと?」
「貴方達、あの学園からやって来たのでしょう?万が一、ダンジョンから帰って来なくなったらここが本格的に不味くなるから、絶対にやばくなったら逃げてきてね?命を落とされたら困るのよ」
にこにこした表情から一転、本気で真面目な顔で注意を促してくる受付嬢。
…‥‥過去に何があったのだろうか。気になるけど、聞いたら不味いような気もする。
とりあえずダンジョン内部に入ることは可能なのようなので、さっさとフレイたちは入る事にする。
武器とかも少々ほしいが‥‥‥まぁ、そこは臨機応変に対応すべきだろう。
ダンジョン調査のために来て、現地で少々予想外の事が起きたとはいえ、無事に中に入れそうなことに安堵するフレイであったが…‥‥世の中には「上げて落とす」という言葉があり、その意味を間もなく実感するのであった。
この主人公の運の無さというか、薄幸さを舐めないで欲しい。
最近忘れそうだが、そういう事もあるのだ。
…‥‥塞翁が馬という言葉が、一番当てはまるかも?
次回に続く!!
……久しぶりのダンジョン調査だけど、やっぱりダンジョンにはそのダンジョンなりの特徴を持たせないとね。宝箱とかも出したいけど、こういう時にはきちんと罠も仕掛けないとねぇ…‥‥




