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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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ゴルティックス山へ向けて出発

ぽかぽかいい天気で、眠くなる今日このごろ。

花粉もピークを終えたようだし、早く過ごしやすくなると良いなぁ‥‥‥

SIDEフレイ


 準備を終え、卒業試験内容が判明してから三日が経った朝、、予定通りにフレイはゴルティックス山へ向けて歩み始めた。



 徒歩で約十日ほどの距離にあり、ダンジョン調査にかかる時間を考えると、もう少し早く出発したほうがよかったかもしれないが、準備をおろそかにしてはいけないと思って入念に確認する時間を考えると、予定通りで良かったかもしれない。


 まぁ、そのかかる日数を減らすために駆け抜けていくという手段を考えたりもしたが…‥‥スタミナが切れたときにモンスターや盗賊などに襲撃を受ける危険性を考えるのであれば、無駄な体力を使うのは避けるべきである。




 とにもかくにも、学園があった都市から出発して3時間後‥‥‥‥太陽が空に登ってきている中、一旦ここで休憩を取ることにした。



「適度に休んで、適度に進んだほうが効率が良いらしいけれども…‥‥このペースで大丈夫かな?」

【はい、問題ないでしょう。今のところ敵意を持った者や、モンスターなどは周辺1キロ圏内には関知していません】

「主様、飲み水を飲むの」


 と、フラウがフレイの体から出てきて、持って来た水稲の水をフレイに差し出した。


 飲み水はこの道中に必要なもので貴重だが、得る手段がないわけではない。


 フラウは精霊で、風を司るものとはいえ、自然に関して敏感で、水源が分かるそうなのだ。


 その為、飲み水が飲みたければある程度ならば許容範囲内になるのであった。


「ああ、汲んでくれてありがとう、フラウ」

「はい!」


 フレイのお礼の言葉に、誇らしげに胸を張るフラウ。


 天気も良く、そよそよと風が吹くので、卒業試験への道中と考えなければピクニックをしているようにも感じられた。



「にしても、道中無事で済むかな?こういう単独での行動程、盗賊とかに襲われやすいそうだしなぁ…‥」

【その可能性は否定できません。ですが、感知できますのである程度先手を取ることは可能です】


 先制を取れると言うのはかなりのアドバンテージであろう。


 不意打ちとかはきついが、そうでなければ対処がしやすいのだ。



 こういう時に、ナビリンがいてくれて助かるのだが‥‥‥‥まぁ、まだまだ道は長い。


 ちなみに、盗賊が出た場合の対処法は授業で学んでいたりする。


 戦闘できなければ逃亡もしくは隠れる。


 戦闘可能であれば戦い、勝利した場合、盗賊の生死は戦闘に関わった者にゆだねられるそうである。


 その場合、奴隷として売ったり、もしくは命を奪うこともできるそうだが…‥‥後者はあまり取りたくない手段だ。



 甘いと言われるかもしれないが、やはり抵抗はあるからね…‥‥まぁ、今後二度と盗賊活動ができないように、精神をボキッと折る程度はやるけどね。


「なんか主様、今腹黒い笑みを浮かべていたの」

「え、顔に出ていた?」

「うん」


 どうやら思ったことが顔に出ていたようで‥‥‥‥フラウが少し引いていたのにフレイは気が付いたのであった。




――――――――――――――

SIDEセドリッカ学園長



「…‥‥ふむ、それなりにこなせてきたようだねぇ」


 その頃、学園長セドリッカは学園長室にて、しばし情報整理をしており、一息を突きながらそうつぶやいていた。


 配下の者たちを使い、今回の卒業試験受験者たちの動向を探っていたのだが、早いうちから終了させるために動く者と、計画的に進める者、そして怠ける者と言った具合に分かれてきたのである。


 怠ける者の中には、一応後で慌ててなんとかこなす者が出るだろうが…‥‥その中でも問題になるような輩たちがいるようであるとも、報告にはあった。


 要は他の卒業試験受験者たちの妨害を行い、一緒に落ちようと考える者たちである。


 また、更に悪質なものとしては、減らすことによって卒業者が少なくなるのを埋め合わせる代わりに出ようと考える者もいるようだが…‥‥そうは問屋が卸さない。



 そのあたりもしっかりと監視しており、そもそもの話としては、卒業試験をまともにやれている分実力もある程度までなら保証できているので、ほぼ妨害が無意味であろうという事も予想できた。


 例でいえば、既に捕まっているでぶでぶ饅頭祭り、自称黄金騎士団と言っていた奴らがあるだろうか。




 何にせよ、卒業試験を受けている者たちは皆それぞれで動けているようで、きちんと卒業できるであろうと予想ができる。



「にしても、問題はこっちのほうかねぇ」


 手に持った報告書を見て、学園長はそう言葉に洩らした。


 今回の卒業試験受験者の中にいるフレイのことである。


 彼に関しては、試験内容をダンジョン調査ということにしているのだが…‥‥案の定というか、それなりに逆恨みなどを持つ輩たちが色々とやらかしてきているらしい。


 今はこの学園から出てダンジョンへ向かっているのだが、彼を追って馬鹿たちが仕向けた者たちが向かったという報告が来たのである。



「…‥‥馬鹿な暴漢者たちが社会的に死んだという話もあるのに、なんですぐにやめることをしないかねぇ?」


 ちょっと前、この都市内で露出狂が出て社会的な死亡があったという報告があったのだが、それを行ったのはどうもフレイらしい。


 彼を狙う者たちが金を出して雇った暴漢者たちであったのだが、何をどうしてか社会的な死を迎えさせられたとなると、かなりの実力がある事がうかがえるはずである。


 普通に暴力で解決もできただろうが‥‥‥あえてそうしなかったのは、いちいち相手にするほどでもなかったと言うのだろう。



 そんなことがあったので、フレイに手を出すのは不味いと普通に考えてもわかるはずなのに‥‥‥それでも懲りずに新たに雇い入れた暴漢者とか、挙句の果てには買収したらしい盗賊たちを仕向けているのだから、この馬鹿たちには救いようがないであろう。


 物的証拠なども学園長は既に入手しているので、その馬鹿たちの大元に金をゆする事も可能であり、口止め料、慰謝料などをたっぷりせしめることも可能である。



「まぁ、あの子はおそらく大丈夫だろうけれども…‥‥できれば盗賊とかがでたら奴隷とかにしてほしいかもね」


 そうつぶやいて、セドリッカ学園長は情報整理に再度取り掛かるのであった‥‥‥‥

馬鹿たちの懐が寂しくなる一方で、学園長の方は懐が潤っていく。

良い餌につられる魚を釣り上げていくがごとく、容赦なしでどんどん搾り取っていくのだ。

将来のある者を守るついでに、自身も儲けられる学園長であった。

次回に続く!!


……にしても、のんびりと進めているのはいいけれども、この主人公の事だからそうはいかなくなる未来が見えてしまうなぁ。割と薄幸だから、今こうやって幸せにしている分のツケが来そうで書くのが怖い。

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