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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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卒業試験内容発表

不定期だけど、大体3日ごとになっていることに気が付いた。

毎日も目指してみたいけれども、やっぱり難しいねぇ。

SIDEフレイ


……もう間もなく学園の卒業日が近くなってくる中、ついにこの冒険者育成学園ヘルドーンの卒業試験の内容が発表された。




 と言っても、皆が同じ試験を受けるわけではない。


 何しろ同時期に入学し、同じように学んでいても実力差が出るし、ソロとパーティでもやり方が異なるからだ。


 よって、この卒業試験はパーティかソロで活動する者たち毎に内容がきちんと分けられており、現段階での実力も考慮しているそうだ。


 弱いソロ、パーティであれば簡単なものに。


 反対に、強いソロやパーティでは難しいものになる。



「と言っても、その強弱の基準ってどう見ればいいのかな?」

【どうやら簡単なものでは素材会得、難しいものでは以前出会った「春風が吹く」のようにダンジョン探索が課せられるようですね】

【となれば、主様のこれはどういうものなのかな?】


 フレイの元にもその卒業試験内容が振り分けられたのだが‥‥‥その内容を見て、体の中に入っているフラウの言葉に、フレイは首を傾げた。



―――――――――

ソロ活動:対象「フレイ」への卒業試験内容

『ゴルティックス山のふもとにできた新たなダンジョン調査』

――――――――



「新たなダンジョン調査って‥‥‥前にジャコーウヤってダンジョンを調査したことがあったよね?」


 以前、この地へ来て初めて出くわしたパーティ「春風が吹く」と、色々と訳があって調査を手伝ったことがあるのだが‥‥‥今回は新しいダンジョンの調査を卒業試験内容とされるらしい。


 ただ、このゴルティックス山というのはどこにあるのか、少々調べて見ると‥‥‥


「徒歩で十日もかかる距離かよ‥‥‥‥これってソロよりもパーティの方が向いている試験内容だよね?」


 長距離を移動するとして、期限が決められているので間に合うようにするとなれば‥‥‥少なくとも三日後にはさっさと向かわねばいけない。


【何にせよ、何とかするしかなさそうですね】

【一生懸命、私たちもサポートするですの!】


 ナビリンとフラウの励ましの声はいいけれども、これはこれで厄介な試験内容だ。


【まぁ、もしかしたら個人の戦闘力が高いので、討伐系だとあっさりこなされる可能性があるので、そう簡単にできないようにされた可能性が否定できませんけどね】


 ナビリンのその言葉に、納得してしまう自分がどういえば良いのかわからないのであった。


…‥‥討伐の方が、明らかに楽そうだもんね。と言うか、ダンジョン調査ってことは明らかにモンスターと戦闘しまくる可能性があるからかなりきついよな。






――――――――――――――――

SIDEセドリッカ学園長


「ふふふふ、卒業試験内容を配り終えたねぇ」


 学園長室にて、窓から学生たちがそれぞれに割り当てられた卒業試験内容を見て、やれそうで楽だと思って喚起している姿や、難しそうで絶望を浮かべる姿、できるわけもないし他の妨害を企むような姿などを見て、学園長セドリッカはそうつぶやいた。


「新ダンジョンは、本来はきちんと冒険者パーティを組んでいるところに頼む予定だったけれども……馬鹿たちが利用しそうだし、使わない手はないよねぇ」


 独り言でそうつぶやき、フレイに割り振った卒業試験内容を思って笑みを浮かべた。



 卒業日が迫る中、彼に恨みを持つ人たちが自ら破滅の道を辿ろうとしているのはうれしいのだが、搾り取れそうな金づるが無くなってしまうのはちょっと辛い。


 だが、将来的に大きな利益を生みそうなフレイと比べると…‥‥捨てても問題はないであろう。


 そして、このダンジョン調査と言う試験において、その輩たちはここぞとばかりに仕掛けてくるだろうし、一網打尽にするチャンスでもあるのだ。




「ふふふふ…‥‥将来有望な者を守り、なおかつ金も確保できそうで、うまいこと行けば新ダンジョンの情報で一儲けもできそうだぁ」


 ニヤニヤと見る人が見れば気絶しそうな笑みを抑えきれない学園長はそうつぶやきつつ、念には念を押して、馬鹿たちがどの様な行動を起こすのかを予想し、その対処法を増やしていく。




…‥‥フレイ自身が強いのはもう十分理解できており、彼に直接手を出せばそれこそ破滅させられる可能性があるので、学園長自身が手を下す必要性はないようにも思えた。


 だが、いくら強者とはいえ油断するときもあり、念には念を押してサポートをしていかねばならない。


 将来がある若者を、金づるになりそうな者を、そう簡単に潰されないように守りつつ、いらない者は切り捨てなければいけない。


 そう思いつつも、学園長が馬鹿者たちについての情報を整理していると、ある情報に目が留まった。


「んぅ?‥‥‥へぇ、うまいこと行けば面白いことになるかもねぇ、くっくっくっくっく…‥‥」


 その情報を見て、さらに笑みを浮かべる学園長。


 もしかすると…‥‥より面白いことかつ学園の利益になるのかもしれない。


 フレイへの興味を持ちつつ、その可能性を考えるだけで、学園長の笑いは止まらなくなったのであった。



…‥‥そして数分後、思った以上に笑いが止まらくなって、お腹が痛くなって悶絶している学園長が、配下の黒服の人達に発見されて搬送されたのは言うまでもない。

さてさて、ダンジョン調査のために向かうのは三日後として、それまでに準備をしなければいけない。

本来はきちんとしたパーティで向かうのだろうけれども、フレイはソロで活動するのだ(精霊はノーカウント)。

こういう準備を怠ると、後でひどい目にあうのはわかっているからね。

何にせよ、次回に続く!!


「‥‥‥い、医療費を無駄にしてしまったぁ」

「…‥‥‥」

搬送されて、治療された学園長を見て、黒服の人達は思った。

この人、しっかりと考える割には抜けているというか、間抜けなところがあるなと。

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