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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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フラウが来て数日

少々のんびり気味かな

SIDEフレイ


……フラウと言う名を付けた精霊を体に入れてから数日後、改めてフレイは彼女について鑑定していた。


―――――――――――

名前:フラウ

種族:精霊(風)

性別:女性

所持スキル:「精霊魔法(風)」「浮遊」

称号:「フレイに付いた精霊」

状態:「人間憑き」


―――――――――――


「何か色々と変っているな」

「主様のおかげで魔精霊としての状態から、しっかりと精霊の力を取り戻せたのですの!」

【どうやらフラウは風に属する精霊だったようですね】


 体から出て、嬉しそうににここするフラウを見て、フレイとナビリンはそう言葉を漏らした。


 なんかちゃっかりと主様呼びされているが…‥‥訂正させようかと考えたが、問題ないのでやめた。


 いや、この先あるかもしれないが‥‥‥うん、まぁ気にしないでおこう。





 とにもかくにも、精霊にはどうやら属性があったようだが、龍帝が炎龍帝とかそう言ったもので分けられる以上に、数が多いらしい。


 ナビリンの鑑定によれば、スライムの種類に及ばずとも、かなり細かいのだとか…‥‥いや待て、スライムに及ばないって何?この世界のスライムってかなり種類が多いの?




 まぁ、そんなことはさておき、魔精霊の状態から回復したフラウの持つ力と言うのは、結構役に立つ者があった。


 それが「精霊魔法」である。



「風に関する精霊魔法だけしか使えないけれども、中々扱いやすいというか、自分に語彙力がないのが悔しいけれども、とにかくすごいなこれ!」


 本来、精霊魔法は精霊の力を借りてしかできない魔法であり、精霊魔法でしかできないものもある。


 ただ、「努力習得」のスキルがあったおかげで、フラウに精霊魔法についていろいろと教えてもらうと‥‥‥いつ間にか、俺のスキルに追加されていた。


【風の精霊魔法だと、加減が付けやすいので練習すればかなり役に立ちますね】

「これでオーバーキルせずに、自分の鍛錬ができる…‥‥」

「号泣するほどなの!?」



 フラウが驚いていたが、それほどのものである。


 精霊魔法の大きな利点として魔力の消費が少ないと言うのがあるのだが…‥‥威力がそこそこの大きさのものがあるとはいえ、手加減しやすいということがあった。


 そう、手加減しやすい(・・・・・・・)のである!!



 ゴブリンさえもやり過ぎないように抑えまくっていたせいで、今一つ力が奮えなかったけれども……加減が手軽な精霊魔法ならば、その必要性も最小限に減るのである。



 おかげで冒険者学園での実技の授業時に、迂闊にやり過ぎることなく、平穏に学べるようになったのだ。





……が、一つ問題が発生。


「なんであんな野郎に可愛い子が……」

「精霊付きって…‥‥滅多に精霊なんて見ないぞ」

「くそう、くそう!!」



「‥‥‥視線が痛いなぁ」

【嫉妬を確認。敵意80%とっぱ】

「‥‥‥中に入っておきますの」


 うん、フラウの容姿がかなり美少女と言うのもあってか、かなり嫉妬の目が痛い。


 と言うか、俺12歳であり、今のところフラウも同じぐらいの容姿を取っているのだから、精々仲良しな男女の仲程度に診ることができないものなのだろうか?


 いや、おそらくはできない‥‥‥‥





 と、考えていたら、ある日学園にとある壁紙が張り出された。


「『男女混合パーティ推奨イベント』?」

「どうやら相性のいい男女を混ぜたパーティを作って申請すれば、冒険者になった際にある程度の優遇条件が追加されるらしいの」

【互いの心からの同意があれば、きちんと了承されるようですね。無理やり強いているようなものであれば、厳しい罰則があるようです】


 そんなことが分かるのだろうかと気になったが、どうやら学園長が自ら確認するらしい。


 そう言えば、鑑定らしきものが扱えていたっけ…‥‥説得力があるけれども、その罰則が怖ろしそうだ。




 まぁ、このイベントができたせいか知らないが、嫉妬の目線が減少し、ある程度の改善はされたようだ。




……まさかとは思うが、学園長がこの状況を改善するためにやってくれたのだろうか?


 とにもかくにも、面倒ごとが減ったようで助かったのであった。



――――――――――――――――――――

SIDE学園長セドリッカ


「ふふふふ、面白いことになったねぇ」


 学園内でのパーティ申請についての書類を見ながら、学園長セドリッカは笑みを浮かべていた。



 ここに通うのは将来冒険者になる者たちであるが、ソロかパーティで活動することになる。


 ただ、できればまとまってくれるパーティの方が、なにかあった時に対策しやすく、生き残る確率が高いので、できるだけパーティを組んでほしかったのである。



 だがしかし、気の合う中同士で組むことは少なく、中には解散してしまう物があるし、ソロでやっていく方が楽だという者もいるので、そう都合よくいかないのが現実であった。




 けれども、ここにきてフレイが精霊憑き……世間一般では精霊使いなどと呼ばれるようになった事で、学園長は一つの案を思い浮かべたのである。


 それが、『男女混合パーティ推奨イベント』の開催であった。


 気の合う男女同士で組めば、それなりに解散するようなこともないはず。


 中には喧嘩したり、浮気したりして別れてしまう可能性もあるが…‥‥それは本人たちの相性が完ぺきではなかったのが原因ゆえに、そこまで面倒見切れない。



 まぁ、そんなことはさておき、校内でフレイたちに対する嫉妬の目線も観察していたので、彼らの負担軽減も兼ねてやってみたのだが…‥‥結果は学園長の予想を上回った。


 思った以上に男女で組み、中には男女比が1:3なんてものまでできてしまったのである。


 どうやら嫉妬を向けていた者たちの中には、朴念仁とか鈍い人とかもしれなりにいたようで、その手助けをしてしまったようだ。


 おかげで冒険者になった時に、彼らがもたらす利益の増加が見込めそうで、学園長はニヤリと笑みを浮かべた。




……が、勿論、残った問題に関して手を抜かないようにケアをするのも忘れない。


 力づくで無理やりやろうとした問題児たちは退学させたり、残ろうとするのであれば金を請求したりして、それなりに設けたのであった。


 あとは、フレイたちに対するまだ残った嫉妬の目を向ける者たちに関してだが…‥‥実は、後々に一網打尽する計画を学園長は立てていた。


 静かに、ゆっくりと水面下で動かさせつつ、その動きが噴火するのを学園長は待つ。


…‥‥将来の金づる及び学園の宣伝顔にもなるフレイに対して、何かやろうものであればそれは大きな損失となり、その損失を学園長は防ぐつもりなのだ。


 ついでに、動いた馬鹿たちは後でゆっくりと金を絞るつもりなので、今はその時が来るまで、気が付かれないように密かに企みを進めるのであった…‥‥



「ついでに、精霊憑きにもなったようだしねぇ……様子を見る限りまだまだ色々とありそうだし、楽しみだねぇ」


 ニヤリと笑みを浮かべる姿は、見る人が見れば背筋が凍るほどの者であったが…‥‥幸い、その顔を見る者は一瞬で気を失い、その記憶を無くしていくので、問題はないのであった。






…‥‥馬鹿たちは気が付かない。

彼らが学園長セドリッカの手のひらの上で泳がされていることを。

まぁ、それ以前に実力差があり過ぎるのだが…‥‥考えていないようであれば放置しておいて良いだろう。

とにもかくにも、次回に続く!!


なお、恐怖の笑みって実は学園長の機嫌がかなり高い証拠でもある。しかし、その顔を見た者は記憶をなくすので、見たことがなく、学園7不思議に数えられているのはまた別のお話。

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