グランドバイコーン戦
うーん、ちょっと短い。
できればもっと熱くしたいのに、なんかできない。
SIDEフレイ
「ブルッヒッヒッヒッヒ――――ン!!」
大きな声を上げ、突進してくるグランドバイコーン。
最初の攻撃で焼かれた右足をかばいつつも、それでもかなりの速度背突っこんできた。
「猛牛かよ。でも、それならやりやすいかな」
牛と馬では偶蹄類と奇蹄類と言う違いがあるが‥‥‥いや、そもそも相手は門sヌターだしそんなことは関係ない。
単純かつそれで強力な突進攻撃を仕掛けてくるのであれば、利用しない手はない。
「オーレイッ!!」
闘牛で赤いマントを持ってかわすがごとく、手持ちにいいものはなかったので持ったふりをして声を上げながら、グランドバイコーンの突進をフレイはかわした。
「ブルヒヒ!?ブッヒッヒ――――ン!!」
馬鹿にされたようにかわされたのがムカついたのか、怒りの声を上げるグランドバイコーン。
そのまま素早く反転し、再び突進を仕掛けてきた。
「さてと、次は同じ手が通用するとも限らないし」
一応それなりに知能があるだろうから、馬鹿みたいに繰り返すことはしないだろう。
だが、突進をメインに攻撃してくるとなれば、それの応用でどのような事をするのかは大体想像がつく。
「オーレイッ!」
わざと先ほどと同じようにかわすふりをするフレイ。
すると、同じようなかわし方をすると予想していたらしいグランドバイコーンは急停止し、左足を軸にして素早く体を回転させる。
そして、その後ろ脚をぴんと伸ばし、遠心力によって振り回される足で打撃を喰らわせようとしてきたが‥‥‥まぁ、読めていた。
ガシッ
「ブルヒヒッツ!?」
動きを読み、フレイが足をつかむとグランドバイコーンは驚いたような声を上げる。
「捕まえたぞおらぁぁぁぁあ!!」
そのまま勢いを利用し、両手でつかんでフレイはグランドバイコーンをぶん回し始めた。
さながら、某甲虫王者の技のように振り回し、そして手ごろなサイズの木を見つけるとそこへ向けて投げた。
ドッカァァァン!!ばききぃぃぃぃ!!
勢いよく投げられたグランドバイコーンは木に激突し、そして、木の方はくの字に曲がり、音をたてながら倒れた。
「ぐ、ブルルル……ヒン‥‥」
何とか立ち上がろうとするが、真正面からぶつけられ、フラフラなグランドバイコーン。
「トドメだ」
この世は弱肉強食であり、強い奴に弱い奴が喰われる。
そしてこの戦闘もしかり、フレイがグランドバイコーンの力を上回り、勝利するのだ。
立ち上がる前にフレイは駆けだし、素早くその背後へ回りこみ、首を羽交い絞めにする。
そのまま締め上げて‥‥‥バキィッと音がした後、グランドバイコーンは地に伏せ、動かなくなった。
やや大きなモンスターであり、それなりの強さを誇ったであろうが…‥‥勝敗は決したのである。
「ふぅ」
一息をつけ、フレイは汗をぬぐう。
突進の速度とか、かなりの脅威はあったが‥‥‥勝利はできた。
けれども、この程度ではまだまだ炎龍帝には勝てないだろうと思いつつ、ふと思い出した。
「あ、そう言えばさっきの少女結局なんだ?」
【鑑定しておきましたが…‥その前に、そのモンスターの死骸をどうにかしておいた方が良いですよ】
すっかり頭から抜けていたが、先ほど助けた半透明の少女の事を思い出し、フレイがつぶやくとナビリンは答える。
鑑定済みで正体は分かったようだが、とりあえずそれなりに疲労もしたので、さっさと先生たちの元へ戻った方が良いと判断する。
適当に縄を編んで片手で結んだグランドバイコーンの死骸を引きづりつつ、謎の少女をもう片方の手で持ちながら、帰還するのであった…‥‥
謎の少女を抱えつつ、グランドバイコーンの死骸を引きずって戻るフレイ。
その少女は何者なのかは気になるが、今はさっさと帰った方が良いだろう。
まだまだ自分が未熟だという事もわかったし、鍛錬を積むためにもね。
次回に続く!!
‥‥‥花粉症撃沈の恐れ。
家に引きこもりたいが、出る用事があると確実に散るであろう。鼻炎もあるし、下手すればダブルパンチで轟沈するな。




