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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
24/99

先手必勝

さてさて、何者が追われていたのやら……

SIDE???


「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


 息荒く、苦しいながらも彼女は走っていた。


 背後から迫る、巨体を震わせながら迫りくる馬に似た外見のモンスターに追われ、何とか逃げているのだ。


「ブルヒヒヒヒヒィッツ!!」


 荒い鼻息を噴き上げ、怒るように声をあげて彼女を追いかけるそのモンスターは、グランドバイコーンと呼ばれるモンスター。



 巨大な馬のような外見を持ちながらも、頭に生えた二本の角が馬ではないことを知らしめつつ、それだけの馬力を誇るだけの筋肉が発達しており、表面にムキムキと筋肉の筋が浮き出ていた。



「ぐっ!!しつこい‥‥‥」


 もうだいぶ駆け抜け、疲労も物凄くたまっている。


 だが、追いつかれればどうなるのかは、グランドバイコーンの様子から明白であり、足を止めるわけにはいかない。


 幸い、彼女は足が速かったために今だに追いつかれていないのだが、もはや体力の限界である。


 徐々に距離を縮められ、もう間もなく追いつかれてしまうだろう。



「あっ!」


 がっ、と木の根のようなものに躓き、彼女はその場に垂れてしまう。


 起き上がろうとしたが、もうグランドバイコーンは今まさに、彼女を踏みつけられう距離にあり、後ろを確認するために振り向いた彼女の目の前には、その筋骨隆々とした足の蹄が迫っていた。



「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 このままでは無様に踏みつけられ、頭ごと踏みつぶされてしまう。


 そう思い、悲鳴を上げたその時であった。




ボウウウウウウウウウッツ!!


 突然、どこからか飛んできた炎がせまり、グランドバイコーンの足を焼き上げる。



「ブルルルルルフフィッツ!?」


 足が焼き上げられ、驚愕してバランスを崩し、倒れ込むグランドバイコーン。



 何が起きたのか、彼女が目を白黒させて驚いている間に、彼女とグランドバイコーンの間に誰かが割り込んできた。



「どえっせい!!」


 妙な掛け声とともに、その誰かが‥‥‥人間の少年が拳を振り上げると、その風圧でグランドバイコーンが吹っ飛び、その重量ゆえにそこまで吹っ飛ばなかったが、ある程度の距離が離れた。


「‥‥え?」


 その驚愕の後継に、彼女は唖然とする。


 見た目が少年なのに、並外れた力と言うか、色々と驚きすぎて言葉がでないのだ。



「ふぅ…‥‥とりあえず、一旦これで良いか。いや、まだ油断できないな」


 そうつぶやいた少年は、ぐっと拳を握り直したかと思うと、グランドバイコーンの方へ向く。



 その背中に頼もしさを覚えつつ……彼女は極度の疲労と、緊張の糸が切れてそのまま気絶するのであった。



―――――――――――――

SIDEフレイ



(ま、間に合ったけど…‥‥あれ誰だ?)


 グランドバイコーンと戦闘するために向かい、ようやく到着したと思ったら誰かが踏まれかけていたので、慌てて遠距離でも届きそうな攻撃として、フレイは「炎龍帝のブレス(プチ)」を使用し、足のみを狙って焼き上げた後に、拳の風圧でグランドバイコーンをふっ飛ばした。



 で、その踏まれかけていた誰かをちらっと見て…‥‥フレイは思わず言葉を黙らせた。



 人間でもモンスターでもないということは分かっていたが、いくら何でも全裸の美少女はない。


 肉体年齢が12歳とはいえ、前世の年齢…‥‥何歳で死んだのかは覚えていないが、その分の精神年齢分を付けるとちょっと顔を赤らめてしまうほどの者であったからだ。


 まぁ、フレイと同年代程の少女であり、ロリコンでもないからまだそこまでと言うわけではないが…‥‥人間でないのは明らかだった。


 白い肌…‥と言うよりも、幽霊のごとく半透明な体をその少女が持っていたからである。


 まだ昼間だし、幽霊ではないと思いたい。


【幽霊もいますよ?アンデッドと言うモンスターがそもそもその存在を明らかにしていますからね】


 ナビリン、その情報はいらなかった。


 と言うか、この世界に幽霊が本当に存在するのかよ…‥‥ちょっと夜が怖くなるじゃん。



(なら、あの子って幽霊なのか?)

【違いますね。幽霊であれば‥‥‥っと、まずはその事よりもグランドバイコーンとの戦闘に集中してください】


 ナビリンの言葉に、フレイは戦闘に集中することにした。


 ふっ飛ばしたとはいえ、やはり結構強いモンスターのようで、グランドバイコーンが立ち上がり、フレイの方へ向く。


「ブルルル‥‥ブルヒヒヒヒィィィィィィィン!!」



 激怒したかのように咆哮をあげ、前足を宙に浮かせて全身でその怒りを表現するグランドバイコーン。


 とはいえ、その右前足だけは、先ほどフレイが放ったスキル「炎龍帝のブレス(プチ)」により、攻撃には使いづらいであろう。



「さてと、それじゃぁどれだけ強いか、勝負してみるか」


 拳を構え直し、戦闘態勢を構えるフレイ。


 ブレスで押していけると思うが、そうほいほい火を吐くと下手すれば辺りが火災になりそうだし、怒っているとはいえそれなりの頭はあるようでフレイを見るグランドバイコーンに油断はできない。


 とにもかくにも、割と強そうな相手なので面白そうに思えてくるのであった…‥‥。

謎の半透明の少女を救いつつ、グランドバイコーンとの戦闘に移るフレイ。

先ほどの攻撃は不意打ちのようなものだが、正面からいけばかなり強い相手のはず。

炎龍帝に比べれば弱いだろうが…‥‥それでも、フレイは今の己がどれだけの強さか確かめるために挑む。

‥‥‥すでに相手の方が満身創痍なのではというツッコミは無しで、次回に続く!!


フレイ:無傷

グランドバイコーン:右前足損傷、拳による風圧でふっ飛ばされ全身打撲

‥‥‥勝負が既に見えている気がするけど、まぁ、気にしないでおこう。

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