お決まりと言うか、何か違うというか
テンプレモドキと言う言葉を模索。テンプレだとつまらなくなったりするし、何か変わったものを入れてみたいんだよね。
SIDEフレイ
野宿の翌日、ようやくフレイたちは冒険者育成学園ヘルドーンがあるという都市、エルストリアという所へ到着していた。
「本来であればダンジョン調査についての件だけならば、そのレポートを提出し、審査を待つだけなのだが‥‥‥今回はあのドラゴンの件があったからな」
「何かあった場合、すぐに提出せずに学園長へ報告することができるので、それを使うのよね」
サブローとリアの説明にフレイは納得して頷く。
今回は偶然とはいえ、彼らの卒業試験に同行し、協力する代わりに入学できる特別推薦枠に入れてもらうことになっているのだが、流石にあのドラゴン……ジャキガンの件はイレギュラーともいえることのようで有り、そう外部に漏らしにくい。
ゆえに、万が一の不慮の事故などが遭った場合に限って可能な学園長への報告を利用し、その判断を仰ぐのである。
学園長がどの様な人物かはわからないし、サブローたちの様子から不安しかないが…‥‥まぁ、まともな判断を下せるような人であってほしい。
ただ、守銭奴と言う部分が気になるからなぁ‥‥‥。
【「金に汚い=悪者」ということはないと思いますよ‥‥‥多分】
ナビリンの言葉も、何処か自信なさげである。
とにもかくにも、学園の校門前にまでフレイたちが来た時であった。
「おやお~~~や?ここにな~んでお前たちがいるんだ~い?」
…‥‥何やらすっごいマヌケそうな、変な声をかけてきたやつらがいた。
全員金ぴかの装備で武装しており、いかにも金を持っていますよ風な、悪く言えば汚職で金を稼いだ悪徳商人か政治家のような見た目である。
いや、待て待て。人をそんな簡単に見た目で判断してはいけない……
「何でここにいるんだ、確か万年最下位で組んだパーティ『でぶでぶ饅頭祭り』共?」
「違う!!僕ちんたちは万年最下位ではなく、1が付く偉いメンバーで組んだパーティ『黄金騎士団』だ!!」
「ワーストの方でだろ」
サブローたちの言葉に、目の前の黄ご・・・・もとい、でぶでぶ饅頭祭りとかいうパーティが叫ぶ。
と言うか、ワーストの方でってことは明らかに悪い方だよね?
(ああ、人を見た目で判断してはいけないといったけれども…‥‥見た目通りということもあるのか)
【でぶでぶ饅頭祭りの人達が極端すぎるだけかと。パーティ名は違うようですが、サブローさんの言った方で覚えたほうが圧倒的に分かりやすいですよね】
うん、黄金騎士団とでぶでぶ饅頭祭りのどちらかと言えば…‥‥後者の方が見た目通りだ。
そう考えると的確な感じがして、ちょっと噴き出しそうになったがこらえた。
雰囲気が険悪のようだし、ここは様子見をするべきである。
と、リアさんがどうやら様子見する俺に対して、少し詳しい事情を話してくれた。
あの自称「黄金騎士団」、学園では「でぶでぶ饅頭祭り」としてのパーティ名が定着しているやつらは、学園でも大の問題児たちらしい。
一応、本来この冒険者育成学園は早ければ数カ月ほどで卒業できるはずなのだが‥‥‥あいつらはどうやら在籍五年と言う長い期間を経ているそうだ。
成績最悪、素行不良すぎるがゆえに卒業試験も行えず、もうじき強制退学及び永久立ち入り禁止扱いにされるそうだ。
それでもまだいるのは、どうもあのリーダー格らしい、一番金ぴかでぱんぱんに鎧の中が詰まっている、タブゥオンというやつが、金で何とかつなぎとめている状況なのだとか。
「まぁ、学園長がわいろを渡されてと言うわけでもなく、搾れるだけ搾り取って金が無くなったらどうなるのか見たいだけらしいのよね」
「‥‥‥なんかもう、学園長に対しての不安がすごい大きくなりましたよ」
【汚職と言うよりも、単純に相手が馬鹿すぎて、儲けられるだけ儲けさせてもらおうと考えていますね】
なんにせよ、そろそろでぶでぶ饅頭祭り共も金の限界が近いらしく、もうそろそろアウトらしいが‥‥‥それに関しては流石に焦ってきたようで、何とか金の工面を立てようと借金しているそうで、ほかの生徒たちからも金を巻き上げようとしているが・・・・・
「実力がダメすぎて、むしろむしり取られているのが現状ね」
「‥‥‥道化と言うか、哀れと言うか」
と言うか、五年もいるならば、もう学園を卒業するのをあきらめて普通に冒険者登録をすればいいような気がする。
いや、退学というレッテルを貼られるのがいやでやっていないのだろうか。
とにもかくにも、そんなひねくれた大馬鹿くそ根性でぶでぶ饅頭祭り共は色々と他の学生に因縁をつけて絡んでくるようである。
で、今はこうして戻ってきたパーティ「春風が吹く」に因縁をつけているのだとか。
迷惑すぎる。
「ああ~~~ん?こんなに早くダンジョンから戻ってこれるわけがなさそうなんだよな?お前らの場合、途中で絶対にモンスターにやられまくって、数カ月はかかるかと思っていた~ぜ」
ニヤニヤと、ものすごく殴りたくなるような顔ででぶでぶ饅頭祭りのリーダというタブゥオンがそう口にする。
「はん、どうせお前らの事だし、卒業試験を達成できないパーティを馬鹿にしたり、もしくはボロボロになってくるやつらを襲って金を奪おうとしたのだろう?噂だと全部返り討ちにあって、最後の方で盗賊たちに襲われた時の対処方法訓練として有名になっていると聞いたけどな」
が、サブローの方は意にも返さず、逆に皮肉を言ってタブゥオンが顔を真っ赤にさせた。
なお、事実らしい。その時点で捕まりそうなものだが、最終試験「盗賊(笑)」として認識されているそうなので、捕まらずに、お仕置きが待ち受けているようだが…‥‥それなのに続けているって、こいつらドMなの?
「ふん!!そんな盗賊まがいの事をするか!!せっかくのこの機会に、帰ってきたお前たちをここでボロボロに負かして、報告できないようにしてやるだけだぁ!!」
「いや、それ変わっていないからな!!」
思わず俺はツッコミを入れてしまった。
ああ、こいつらのあまりの馬鹿思考に、様子見を決めていたのに、ツッコミを入れてしまったよ。
「はぁ?なんだこいつは?おいおい、こんなガキを連れて何を考えているんだお前らはぁ?」
さっきからいたのに、ツッコミを入れたことで俺の存在に気が付いたらしい。
と言うか本当に殴りたい顔をしているよなこいつら。
「おや?お前らは本格的に目が腐っているな。こいつはフレイと言ってな、推薦枠にしようと考えている、この学園に新たに入る予定の子だ。こいつの実力はメンバー全員の保証付きでもある」
「はっ、お前らの保証でってことは相当弱くねぇか?」
・・・・・うわぁ、相当ムカつくような、人を馬鹿にする顔をしているよ。
「そんなことはないぞ。‥‥‥お、そうだ腐れでぶでぶ饅頭祭り共、お前らが最終試験『盗賊(笑)』と聞くし、今ここでフレイに倒されてみるか?」
「な、そんなやつらに僕ちんたちがやられるわけないだろ!!やってしまえお前たち!!」
本人の意思を無視して、でぶでぶ饅頭祭りたちが襲い掛かって来た。
……うん、まぁいいか。倒しても問題ないだろう?
・・・・・変な区切り方をしているけど、ちょっとこの後の展開でどうボコるか迷ったからです。
フルボッコ、半殺し、皆殺し、殲滅等、色々あるからなぁ‥‥‥
なんにせよ、次回に続く!!




