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野宿を経て

今までの作品だと、主人公よりも周囲の方が目立つから、今回こそは主人公を目立たせたい。

それなのに、なかなか目立つ機会が無いなぁ‥‥‥

SIDEフレイ


‥‥‥ダンジョンでのドラゴンとの逃走劇があったが、今は冒険者育成学校『ヘルドーン』という所へ、フレイとパーティ「春風が吹く」は向かっていた。


 目的であったダンジョン調査に関する報告内容も一旦まとめ、ドラゴンの件も含めてすぐに報告と言うわけではなく、学園のトップの学園長なる人物に話すそうだが‥‥‥。




「あああああああ……あの人にキチンと言わなきゃいけないのかぁ‥‥‥」

「こういうことだと信頼しても、守銭奴な部分で微妙だしねぇ」

「でもそうしないといけないやねん」

「判断の仕方だけは、一流だが…‥‥あああああああ」



 ちょっとドラゴンとの逃走劇との疲れもあったせいで道のりが思うようにいかず、野宿をすることにした今日、サブローたち四人全員、思いっきり頭を抱えながらそうつぶやいていた。


「なんかすごい悩んでいるような感じがするなぁ」

【おそらくそうとう苦い思い出などがあるかと思われます】



 様子を見るとその学園長と言う人に不安を覚える。


 尋ねてみても、とりあえずあって見ればわかると言うが…‥‥詳細を話すのをためらっている感じもするのだ。


 それはつまり、学園長と言う人がよっぽどやばそうということであろう。




‥‥‥本当に入って良いのかそこ。なんか不安しかないというか、ろくな予感がしないな。




 まぁ、それはともかくとして、最初の約束も確認をしておく。


「えっと、今回の調査に俺が付いて行って、皆さんの手伝いをしたので‥‥」

「ああ、特別推薦枠についてね。それはもちろん、約束通り行うわよ」


 フレイの言葉に対して、この約束についての言い出しっぺのリアはそう答える。



 この調査の手伝いを行うことによって、本来はもう入学者を取っていないはずだが、特別に入学できる特別推薦枠とやらに、俺を入れてもらうのだ。


 何も学園に行かずとも、冒険者の登録は可能らしいが、学園入学しているのとしていないのの差はあるようだし、きちんとしておいたほうが良いからね。


‥‥‥まぁ、学園長とやらに関して物凄い不安があるが。この世界に転生してから、最初にやることに関してろくなことに遭ってないからな‥‥‥なんか憑いているのかな?


 お祓いとかがあるなら行きたいが、生憎この世界にそのような物があるかはわからない。ゆえに、どうすることもできないのであった。




 まぁ、そんなことはどうでもいいとして、ダンジョン調査も落ち着いたし、学園に入学するにあたって注意事項や校則などもあれば、聞いておくべきだろう。


 このパーティはもう卒業すると言うのだし、今後再会できる可能性も少ないからね‥‥‥。




 そう考えると寂しい気持ちが湧きつつも、気になる事を聞いておくのであった。


(あ、忘れそうなところはナビリンが覚えてくれないかな?)

【無理っす】

(…‥何その返事)


――――――――――――――――

SIDEパーティ「春風が吹く」


 深夜、ダンジョンについての調査報告書もまとめ終わり、野宿となるのだが、ただ寝る訳にはいかない。


 こういう時にこそ、盗賊とかモンスターなどが襲撃をかけてくることが多く、そう言った輩に注意をしていかねばならないのだ。



 その為、誰かが起きて見張りをする必要性があり、じゃんけんで交代しながら行うことに決めたのであった。






「で、一人二組のローテーションになったのはいいが…‥‥すごい眠いな」

「疲れたものね。あ、寝たらこの暴漢撃退グッズとして買っておいた『ウルトラ激辛玉』を、その大口を開けた口に投げ込むからね?」

「さらっと酷いこと言うな!?」


 サブローがあくびをしながら言った言葉に、リアが告げた恐怖の物体の存在に、思わず彼は目を覚ましてツッコミを入れた。


 

「まぁ、それは後で寝ているケンタとジョンを起こす時に、口の中にたっぷり投げ込むとしまして」

「いや、やめとけよ!?」

「冗談よ。と、それはともかくとして、このパーティ『春風が吹く』のリーダーであるあなたに聞くけれども、あの子をこのまま学園にやっていいものなのかしら?」

「冗談と言うのは‥‥って、なんだその質問は?フレイについてか?」


 リアの言葉が本当に冗談だったのかその真偽はさておき、なにやらフレイを気にするような言動に、サブローは疑問を覚えた。



「‥‥‥正直言って、この歳であれだけの実力を付けているとなると、色々と面倒なことになりそうな気がするのよね。実際に強さを目の当たりにしている私たちならともかく、まだ幼げな少年だし、なめてかかってくる相手もいると思うのよ」

「それがどうした?手を出して反撃されて、痛い目を見せれば十分だろ?」

「それで済めばいい問題よ。ただね、中には権力者とかが食いついてきそうで、下手すれば色々と動けなくなる可能性があるのよ」


 その言葉に、サブローは気が付いた。


 そう、確かにただ単に実力が高いだけであればまだいい。


 だがしかし、フレイはまだ幼い少年のような見た目をしており、絶対に己のいうことを力ずくで聞かせられるだろうと考える馬鹿な輩がでるのが目に見えている。


 タダの何もないド屑中の屑で、後ろ盾も何もない真正の大馬鹿野郎ならばともかく、それが権力者本人、もしくは後ろ盾を持つ相手ならばどうなるか。



 当然大きなトラブルになるのは目に見えているし、争いごとになってフレイが負けるようなことは無さそうだが‥‥‥



「私の勘としては、あの子はまだまだ実力を隠しているし、伸びる可能性がある。そうなれば、周囲一帯が荒野にされる可能性も捨てきれないのよね‥‥」


 大袈裟に思えないリアの言葉に、ごくりとサブローはつばを飲み込んだ。


「‥‥‥となれば、そうならないようにきちんとしておいたほうが良いのか?」

「ええ。とはいえ、もう卒業する身としてはそう簡単に彼のフォローはできない。…‥‥なら、その後ろ盾になれるぐらい強くならないかしら?」

「というと?」

「私たち、『春風が吹く』が超・有名になってしまえばいいのよ。有名になった実力のある冒険者パーティであれば、彼に対して色々とフォローしやすくなるでしょう」


 リアのその提案に、ぽんっと手を打って納得するサブロー。


「そうだな、わたしたちが強くなって、彼のフォローをこっそりできるようになれば悲劇なども起きないだろう」

「そういうこと。だからこそ、頑張っていかないとね」



 互いに話し合った後に、見張りの交代時にジョンやケンタにも同様の内容を話し、彼等の理解も得ていくのであった。




さてさて、いよいよ学園へ入るかな。

学園長とは何者か不安はあるけれども、そう酷い者ではないはず…‥‥‥と思いたい。

何はともあれ、次回に続く!!


……自然と周囲に味方が集まっているような気がする。

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