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神と鬼と時空間  作者: 黄昏のゼア(Twilight XEA)
出会いとはじまり
3/3

ネルヴァの小さな秘密?

神と鬼と時空間


ネルヴァの小さな秘密?


家へと戻り「阿修羅」のもとへ行き、一つ大きなため息をついた。


《どうした?ため息なんかついたりして》


「別に…ただ、お前を使うことになった」


《何で?戦うの?》


「まぁ…な」


《そっか、で?君はどれくらいの力を使うんだい?》


「それは相手次第だ」


《まぁ、それも悪くはないな~楽しめるといいな~》


「気楽だな」


《じゃないとこの世界はつまらないよ》


「そうか」


そう会話を終え、俺は「阿修羅」を持ってネルヴァのもとへ向かった。




少し時間が経過し、ネルヴァと合流した。


「待たせたな」


「いいよ~別に、楽しみだな~」


「早く終わらせるぞ」


「それができるならね~」


ネルヴァの言葉には自信が多く詰まっている気がした。


その自信はどこから来るのだろうか。


「で、どこでやるんだ?」

「じゃあ、ここで良いよね?」

「は?一応住宅街ではあるんだぞ?」


「僕は気にしないよ~」


気にしろよ、被害出たら色々と面倒だし…


「俺は気にする。近所迷惑だ」


すると、ネルヴァはゆっくりと剣を腰から抜き、構えをとった。

剣先は鋭く、一般的にレイピアと呼ばれているものだ。


《僕たちもやるの?》


「力を少しだけ使う」


《どうせなら殺さない?》


「それはダメだろ…」


《そっか~それは残念♪》


「とか言ってなにかしでかすなよ?」


《わかってるよ》


そう言って俺も「阿修羅」を引き抜き、ネルヴァに対して構えをとった。


「始めるなら早くやろう」

「とうとう戦ってくれる気になったんだね」

俺はネルヴァの言葉を無視し、刀をネルヴァに振るった。


もちろん、「阿修羅」の力は使っていない。


それでもれの攻撃速度は速いと自負している。


だが、ネルヴァは表情一つ変えずに軽々とよける。


そして何度も剣劇を打つが避けるか彼のレイピアで流す。


「結構速いんだね、隼人君は」


その言葉とは裏腹に顔に笑みを浮かべて余裕だとアピールしている。

こいつ、本当にうざい。

が、正直ここまでの力量があるとは思わなかった。


ネルヴァは本当に剣術はともかく、身体能力は相当のものだった。


「お前こそ、その身のこなしはすごいと思う」


「お~そんなに褒めるなよ~」


「調子に乗るな」


「あはは~」


やっぱうざい。


《うざいなら、殺す?》


「殺さない」


《でも、本当は殺したいんでしょ?》


「黙れ」

すると、ネルヴァに聞こえたのか

「ごめん」

と謝られる。急にシュンと子供みたいになったな…


「お前に言ったわけじゃない、独り言だ」


「なら今度はこっちから行くね?」


少し心配した俺の気持ちを考えろと言いたいが、いつの間にか数メートル離れていたネルヴァが一瞬で俺の目の前までに迫っていた。


《へ~こいつ速いね♪》


「チッ…思ってたより速えーな」


「そうでしょ~」


そういいながらレイピアをつくようにして攻撃してきた。

その突きは早すぎて全てさばけないだろう…悔しいな。


「こいつは全部かわすの無理だな…」


《使うかい?》


「お前の力少し借りるぞ」


《欲しいだけの力を与えよう》


その瞬間、体が軽くなるのがわかる。

そして避け、流してすべての攻撃を防いだ。


俺が防いだ後、ネルヴァの顔をうかがうと、彼の眼は真ん丸だった。

そして目つきが鋭くなり、剣技ではなく不意を突かれた。


「やっぱりその刀、鬼がいるんだね…」


そこで俺はどう返答するべきかを迷う。


隠し通すべきか。それとも正直に言うべきなのか。

どちらにせよ、既に睨まれているんだ。

好印象はないだろう。


「…なんでわかった?ついでに聞くが、何で鬼のことを知っているんだ?」


「逆になぜ君は鬼を持っている?」


「先に質問に答えろ」


「君に教える義理はない」


「なら俺も同じく答える義務は無いな?」


そう言いながら互いに剣でぶつかった。


「鬼から力を借りちゃっても良いのかな?俺強くなっちゃうけど?」


「構わないさ、むしろ頼むよ」


「ふざけるなよ」


隼人は刀でレイピアを弾き飛ばし、ネルヴァの胸へと突き刺そうとするが、


《そこだ、殺せ》


「阿修羅」の言葉を聞き、隼人は突き刺す寸前で止める。


俺は冷や汗をかきながらも「阿修羅」からの力も受け取るのを辞め、刀を鞘に納めた。


「何故そのまま刺さなかった」


「刺してほしいなら刺すけど?」


「…遠慮する」


「そうか」


俺は笑みを浮かべ、ネルヴァに背を向ける。


やけに素直なネルヴァに少し違和感を覚えた…


「ネルヴァ、お前も結構動き凄いな…剣術磨くだけであんなになるもんなのか?」


「いや、無理でしょ…」


「は?じゃあなんでお前は…まさかとは思うが人じゃない…とか?」


「まぁ…一応吸血鬼に分類されるかも」


吸血鬼。よくイメージでは牙を持ち、人に噛みつき血を吸う者。


そんなイメージなんだけど…


「まぁ、もし怖がってるなら心配しないで良いよ?」

とネルヴァは言ってくる。


正直、怖いとかよりもさっきまで戦ってたのが吸血鬼ということに驚いている。


すると、またネルヴァの口が開いた。


「まぁ、僕の家へ来ない?僕の父さんも歓迎してくれると思うしさ?」

なんか怖いな…

吸血鬼の家へ招待されて、さっきのネルヴァノ反応は…

鬼を敵視してるのかな?


《多分大丈夫だろう》


「なんで?」


《吸血鬼とはあまり戦わないからね~僕たち》


「じゃあなんでネルヴァはあんな反応したんだ?」


《知るわけないじゃん、直接聞けばいいだろ?》


そう言って「阿修羅」は急に話すのを辞めてしまった。


「で、何で急に家へ俺が招待されたんだ?」


「正直な話、君を僕の父さんに会わせたかったからかな?」


「それもまた急な話だな」


「ごめんね」


手を合わせて謝られては、責めるのに少し抵抗が生まれるというか…

責めたいのに責めたくないこの矛盾…

嫌いだ。もちろんネルヴァもだが。


「まぁ、不安はあるが…招待されたならお邪魔する」

「そっか~良かった~」


結局、俺はネルヴァの家へとお邪魔することになった。



   ♢   ♢   ♢



数十分歩いた。


話とは違い、思いのほか時間がかかった。


ネルヴァにいつつくか聞くと「もうそこだよ~」や「あと少し」などしか返ってこなかったのを思うと自分がバカにしか思えない。


「いい加減あとどれくらいで着くんだよ?」


「いや、もう着くよ?」


「それはもう聞き飽きた」


「あ~やっぱり?お疲れさま~もう着いたよ?」


「は?」


ネルヴァが親指で背後に指を指す。


「ここだよ?」


そこには家というよりも昔のイギリスの城のような建物があった。

さ、入ろうか?と言わんばかりにニコッと笑顔を作り、その豪邸(?)の敷地へと足を踏み入れた。


「…マジで?」

「そうだけど?何か問題でも?」

「いや、でかすぎだろ…」

「初めて言われたよ~」

「人、もしくは友達を家に招いたことある?」

「ない」

そう言って笑顔を作る。


まぁ、そりゃ初めてだろ…てか友達いないのかこいつ…


そんな疑問を押し殺し、恐る恐るこの豪邸(?)へと俺も足を踏み入れた。


玄関のドアを開けた先にはいかにも吸血鬼らしい人がいた。


「ただいま、父さん」


「遅かったな、ネルヴァ」


などという家庭的な会話の後、話題が変わりネルヴァの父らしき人物にロックオンされた。


「その人は?」


「紹介するよ!友達の隼人!剣技すごいよ!あと、隼人は鬼を武器に飼ってるんだ」


《飼ってる…だって?あのネルヴァとかいうガキ、今すぐ殺したいな~》

阿修羅は今の発言が少し気に食わなかったらしい。


でも、あえてそれを無視して視線をネルヴァの父へと向ける。


「こんにちは、桐嶋隼人と言います。急にお邪魔してすいません」

と言ってから一礼をした。


瞬間、ネルヴァの父が消えたと思うと手刀を頸動脈に寸止めしていたことに気づく。


「隼人君だったかな?鬼を飼っているそうだね。『源』は覚えているのかな?」

と聞かれた。


「え~っと…その『源』って何ですか?」

と聞いてみると驚いた顔をした、と思いきや急に笑い出し

「『源』なしで鬼を使っていたとはね。『源』についてはまた後で話してあげるよ」

と、手刀を俺の首から離してから手を差し出され握手をした。


よくよくネルヴァの父を見てみると、耳の先がとがっているように見えた。


まるでエルフ、もしくわ吸血鬼の耳に思える。


すると、ネルヴァの父は俺の思考を読んだかのように口を開き、

「私たちは吸血鬼だということをネルヴァから聞いたかな?」

と聞かれた。


「私たちは吸血鬼ではあるが、皆が思うようなものではないよ?ただ人間よりも身体能力が高いだけで、少なくとも私たちは人間の血を飲むことはないよ。私たちだけなのかもしれないが、人間の血はあまり口に合わなくてね。」


本当に全然イメージと違った。


ネルヴァもそうなのだろうか…


「ネルヴァ、お前も人間の血を飲んだことがあるのか?」

「無いよ、不味いって聞くし。不味いのわかってて飲むのは馬鹿のやることだ。」

気になることは解決したが、お前がなんでそんな上から目線なのかが疑問だ。


「あ、そうだ!まだ話してなかったけど、僕は純粋な吸血鬼じゃないからね。僕、人間とのハーフなんだって~」


そうなんだ…それは知らなかった。どうでもいいというのが正直な感想ではあるが、ハーフによることで

身体能力ってどうなるのか少しだけ興味が出た。


ネルヴァの身体能力もそうだが、純粋な吸血鬼の身体能力を知らない以上知っても分からないかもしれないが…


「あの、吸血鬼自体の身体能力ってどれくらいのものなんですか?」


モヤモヤしていたため我慢しきれずに聞いてしまった…


「そうだね~普通の人間が1だとすると…普通の吸血鬼は30かな?で、私は50ぐらいで…ネルヴァは

まだ発展途上だが、今はたぶん45ぐらいだと思いますよ」


ネルヴァのお父さんが答えてくれた答えに言葉も出ない…予想をはるかに上回っていた。


「そうなんですか…」

そう返すしかなかった。


冷汗が頬を流れる。まさに不平等だ。


力の差がありすぎるだろう。


仮に俺が阿修羅の力を五割出してもその例えだと150ぐらいだぞ…


あれ?そう考えるとまだ俺…強い…よな?


たぶん強いはずだ。鬼を使っているから俺が上回るだけで、結構力の差はあるはずだ。


吸血鬼って怖い…




その後、俺はネルヴァの家でゆっくりさせてもらい、家へと帰った。


玄関のドアにかかっている鍵を開け、中へ入ると阿修羅を置き風呂場へと向かった。


相当汗をかいたことに服を脱いでから実感する。


「それにしても、どうするか…」

とつぶやいた俺は、明日からのネルヴァに対する対応をまともにする自信がないのだ。


「吸血鬼…と人間のハーフ…か」

と呟き、大きなため息を一つ吐き出した。


風呂から出た俺は、もう何もしないまま深い眠りについた。



翌日。学校の支度を済ませていると、やはり昨日のことが頭をかき乱す用に横切る。

昨日の話がまだ頭から離れない。更にネルヴァの謎が多い点について…


「最近生まれる疑問の多くはネルヴァからだな」

と苦笑いをしながら俺は家を後にした。



今回も読んでいただきありがとうございます。


そこまでお知らせすることがないのであとがきはこの辺で…

次も読んでもらえると幸いです。

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