信長と斎藤家
おまたせ致しました。
やる気は満々ですのでご辛抱ください。
信長は軍備を整えると共に新武器の導入も行った。
種子島と呼ばれる銃を二千挺用意し、その指揮を光秀にやらせることにした。
ただそれだけでは不安が大きいので勝家の下に組み込み安定させ、さらに連携も調練していた。
特殊騎馬隊を利家が率いており、騎馬隊の中でも異質の存在となっていった。
また光秀が明智家の養子になった事で斎藤家の家臣とも話が出来るようになった。
すでに数人こちらに沿ってくれると返事が来たのだが、問題は決して味方になってくれない竹中 半兵衛である。
彼は龍興を城の中に入れ真っ当な君主にしようと一生懸命になっている。
また龍興も半兵衛の事を好きになり始め学んでいるおかげで美濃は潤い始めていた。
これで更に攻めにくくなった信長は皆んなを集め意見を聞くことにした。
「誰か良い意見だしてくれ」と信長が聞くが誰も何も言わない。
「何か面白い事ないか?」とさらに言ってみたがダメだった。
「困ったな、秀吉ないか?」
「考えます」
「光秀は何か知らないか?」
「確か次は斎藤家を滅ぼすはずです」
「なんか楽しくないな、勝家どえする?」
「斎藤、いや今は一色家か……奴らを倒して半兵衛を仲間にしよう」
「でも大義名分がないんだ、何かないか?」
「だったら親父が信長殿に美濃をやると言っていたというのはどうだ?」
「書状はあるか?」
「ないな」
「あの、作ったらダメなんですか?」と光秀 は言った。
「書状を作るには印がいる、それが稲葉山城の中にある」と勝家が教えてくれた。
「じゃあそれを取りに行こう」と信長は言い出した。
全員が止まった。
「殿どうやって?」と恒興が聞いた。
「なんか適当に理由作って会いに行くとか」
「無理です」
「じゃあ忍び込む」
「不可能です」
「じゃあ誰かに持ってきてもらう」
「黙っててください」
「はい……」と言い信長はふてくされながら黙った。
「経済発展が著しいのでそこを突いては?」と長秀が急に発言した。
「おぉそうか、それならいいな」と信長は言い少し考えた後、
「関所なくして、税も無くしてしまえ」と言った。
「それではこちらに利がありません、戦も生活もできませんよ」と恒興が言うと、
「場代だけ貰え、それも場所、広さによって場代を変えろ、そうすればみんなくる」
と信長は言い、
「面白いだろ」と皆に言った。
「ところで、お金は?」と光秀が言うと、
「金?売買は米だぞ」と秀吉が教えてくれた。
「でしたらお金を作ってそれを使えばいいのでは?」と光秀が言うと、
「金か、上杉家が金銀を沢山持っているからそれで作ろう」と信長は言った。
こうして信長は楽市楽座を作り関所の撤廃、金銭の流通を始めた。
すぐに町は活発になり毎日が祭り状態になった。
さらに美濃の国の商人やお金を持ち始めた人達も遊びに来るようになり、美濃のお金が流れてきた。
「これで美濃は終わりかな」と信長は言ったが、龍興は信長の市場を利用して利益を出し始めた。「龍興め、やりおる」と信長はくやしく思うが潰す事は出来ないので他の案を考えるしかなかった。
そんな時、光秀と利家は信長に呼ばれた。
「帰蝶とお市が伊勢に行くと言っておる、お前たち付いて行ってはくれないか?」
「いいですよ、でも僕は戦力にはなりませんけど」と笑いながら光秀は言った。
「まぁ気にするな、付いて行くだけでいいし、伊勢は中立だから安全だ」と言われた。
さらに利家が、
「いざと言う時は帰蝶様とお市様に守ってもらえ」と笑いながら言った。
信長も笑い出し、
「光秀は弱くはないが人を斬る勇気がないんだ」と言ってくれた。
こうして四人は伊勢に向け旅立つ事となった。
「光秀、元気にしとったか」と帰蝶は言って肩をバシバシ叩いた。
「帰蝶様はお元気そうですね」と叩かれながら言うと、
「そういえば義父には会ったのか?」と聞かれた。
「会いましたが好きなようにやっていいと言われました、そしてもうすぐ死ぬとも言われました」「そうか、歳には勝てぬな」
「そうですね、でも良かったと思います」
「家康殿が持ってきた話だ、悪い訳がない」と何故か胸を張り答える帰蝶。
「それより、帰蝶様のこと心配なされていましたよ」
「そうかそうか、見舞いの品を送ってやろう」
「でも変なこと言っていたんですよ、子はどうなのだと…」
その時それまで黙っていたお市が声を荒げ、
「そのような事口にするでない」と言われた。
急に怒られた意味が分からないのとお市が話した事で光秀は目を見開きお市を見つめた。
「気にするな、此奴は知らん」と帰蝶は言いお市を宥めると、
「我は子が産めぬ」と帰蝶は悲しそうに言った。
光秀は慌てて謝った。
「気にするなと言うておる、それより早く行くぞ野宿は嫌じゃ」と無理に明るくしていた。
光秀は何も言えず付いて行き、お市はずっと光秀を睨み続けてい。
利家は先頭を歩きながら絶対に後ろを振り向かないと心に決めた。
日が暮れる前には宿に着き利家と光秀は少し町を歩くことにした。
「さっきは肝が冷やされた」
「すまん、知らなかったもんだから」
「教えておくがな、一応信長様には子がおる」
「そうなんですか?」
「おるが、帰蝶様の子はおらず側室の者の子だ、帰蝶様は全員を自分の子として跡を取れるようにしようとしたが信長様は一人だけ養子とした」
「あの、じゃあ帰蝶様は子育てを?」
「側室が気遣ってやっておる、何もできないんだ」
「そうだったんですか」
「でもお市様の声は久しぶりに聞けたから良かったではないか」
と言って利家は笑った。
光秀は初めて聞いた声が怒っていた声だったのですこし複雑であった。
「お市様も美人だろ」といわれ光秀は迷った。
確かに顔は綺麗だがどこか怖い感じがした。
多分怒られたからだろうと思うしかなかった。
次の日歩き始めるとすぐに、
「足が痛い」と帰蝶が言い出したので籠を頼んだ。
「お市様は宜しいのですか?」と利家が言うと首を横に振り断った。
そして伊勢の少し手前まで行ったところでまた泊まる事にした。
「伊勢参りは朝じゃ」と帰蝶が教えてくれさらに、
「伊勢には絶品があるんじゃ」と目を輝かせながら言った。
光秀は楽しみにしようと思いまた町に出た。
適当に店を見ていると変わった服を着た男達が歩いていた。
そしてよく見たら彼らは自分を護送していた人達だった。
彼らもこの時代に来たんだと思い声を掛けようと近づくと彼らは刀を抜き店の主人を切り捨てた。「おいおい、ここは商売禁止だぞ」と言いながらまだ息があるご主人の足に刀を突き刺した。
ご主人が苦しんでいるともう一人が顔を蹴りつけ、
「話を聞いておるか?」と言った。
周りの人は見て見ぬ振りをしていた。
光秀はどうしようかと迷っていると背中から綺麗で透き通った声が聞こえた。
「ここは離れよう、織田の領地ではない」
後ろを振り向くとお市がいた。
「お市様」と言った瞬間口を手で塞がれた。
「名を言うな」と言われ頷くと手を離してくれた。
「あいつらは一体何者ですか?」
「お主の方が知っているのでは?」
「やっぱり未来から来た人なんですね」
「知り合いか?」
「えぇまぁ、僕は罪人で彼らが僕を牢に運ぶ途中でこちらの時代に飛ばされてしまったんです」
「そうか、なら彼奴らは敵だな」
「えっと……僕には敵ですけど市民の味方みたいな人達だったんですけどね」
「今は市民の敵だな」
「そうみたいですね」
二人はその場を離れ利家達の宿に戻った。
「未来人見てみたかったのう」と帰蝶は言っていた。
「しかし、なぜそいつらが殺しをしてるのかわからんな」と利家は言い、
「少し出かけてくるからここは光秀頼んだぞ」と言い残し出かけてしまった。
「しかし光秀が罪人とはのぉ、まったく見えんな」と帰蝶が言うと、
「彼はまだこの世界に慣れていないので弱気なのですよ」とお市は少し馬鹿にしながら言った。
光秀は当たっていたので反論できず押し黙っているしかなかった。
そして夜遅くまでお市に馬鹿にされ続け、利家は帰ってこなかった。
次の日の朝早くに光秀は利家に起こされた。
「光秀、やつらは自警団と名乗っていて若い衆を集め山賊みたいな事をしてるみたいだ」
「よく分からないですけどとりあえず信長様に報告しましょう、敵と言うところを強調した方がいいかもしれない」
「わかった」と言い利家は出て行った。
しばらくして戻ってくると何事もなかったかの様に帰蝶達を起こして来た。
「さぁ朝餉は伊勢に着いてからだからな」と帰蝶は言い歩き出した。
しばらく行くと伊勢の神社が見えてきた。
「これが伊勢神宮かぁ」と光秀が言うと、
「お伊勢様だ」と利家に直された。
「ではお参り方法を教えてやろう」と帰蝶は言い、
「まず食べる、そのあとお参り、帰りに食べて帰るこれだけじゃ」と言い放った。
「二回食べる気ですか?」
「当たり前だ、それだけが楽しみで来たんだ」と堂々と言った。
「さぁお伊勢参りうどんに行くぞ」と言って歩き出したので三人はついて言った。
お店に入り注文を済ませて席に座っていると一人の男が近づいて来た。
「毛利久しぶりだな」と言われ光秀が振り返ると昨日の一人が立っていた。
「あんたは松永」
「さすがに覚えていたかお前を逮捕した男だもんな」
「それで要件は?」
「まぁこの時代にお前を逮捕する気はない、よかったら仲間にならないか?」
「なんの仲間だ?」
「警戒するなよ、俺たちは武将になってこの世の治安を守ろうとしてんだよ」
「昨日の見たぞ」
「あぁあれは見苦しい所を見せたな、だが奴は他の奴の場所で商売しやがった」
「あそこが領地か?」
「どんどん拡大中だぞ、もうすぐ一万の民がいる国が出来上がる」
「そうか、まぁ頑張れ俺は仲間が出来たから彼らといるよ」
「助けて欲しいなら言ってくれ、じゃあなお嬢さん方」と言い男は去っていった。
「あいつ何様だ?」と利家が言うと、
「役人だった男だ」と光秀は答えた。
「しかし一万の民とはすごいのぉ大名みたいだ」と帰蝶は言っている。
「帰蝶様、大変な事ですここは北畠家が治めておるのですから」と利家に言われた。
そう話しているとうどんが運ばれてきて会話は中断し、四人はうどんを食べた。
「うまい」と光秀は言うと、
「そうであろう」と言い帰蝶は嬉しそうにしていた。
食べ終わり参拝を済ませた頃長秀がやってきた。
「やぁお揃いで、申し訳無いのですが光秀だけ借りてもいいか?」
と丁寧に頼んだ。
「あぁいいぞ」と帰蝶が答え光秀を背中から押し、
「行って参れ」と言われたので仕方なくついて行くことにした。
「手紙みました?」
「あぁ」
「武力解決ですか?」
「それはない、他に移って貰う」
「しかし、言う事聞かないと思いますよ」
「なんとかなるさ」
二人は山の中に入り進むと砦が現れた。
「あいつらこんな物作ったのか」と光秀が驚くと、
「これは素人ではない、誰か雇ったな」と長秀が言った。
中には簡単に入れた。
読んでいただきありがとうございます。
誤字、脱字たっぷりだと思いますが雰囲気でお願いします。
すいません。。