信長と武田家
次の話をかんがえてます。
軍備が整うと出発した。
総勢五万の兵ではあるが光秀が指揮する兵はたったの五十だった。
光秀は自ら信長の護衛をする事を希望し、信長は了承した。
信長は五千を率いて、秀吉一万、利家一万、勝家二万、長秀五千の鉄砲隊という形になった。
長篠の地に着いたのは安土城を出てから三日後であった。
家康軍も三万到着し、総勢八万の大軍となった。
武田軍が現れたのはその次の日であった。
勘介が信長の陣にやってきた。
「この度はわざわざおいでくださいましてありがとうございます」と頭を下げて言った。
「まぁよい、それよりお主は本当に戦をする気がないのか?」と信長が聞くと、
「私ですか?」と驚いていた。
「あぁお主だ」
「私は今は戦をしたくありません、なぜなら人を斬る事を禁止しましたので」
「なぜた?」
「私は最愛の人すら斬ってしまったのです、ですので剣はもう持たないことにしました」
「そうか」と信長が言うと短い銃を出し、
「身を守るのに使ってくれ」と言って渡した。
勘介は驚きながら銃を受け取ると恐る恐る出て行った。
「光秀、あの青年は実に気が良いぜひ仲間にしたいものだ」と言った。
「仲間にしましょう」と光秀は返した。
陣の中に続々と家臣が集まってきた。
家康も忠勝を連れてやってきた。
「家康、悪いな」
「いえ、信長殿には借りがございますから」
「もう十分すぎるくらい返して貰ったさ、忠勝殿も助かる」と言った。
忠勝はただ頭を下げただけであった。
「実は戦になりそうだ、そこで光秀から策がある」と信長は言うと地図を広げさせた。
「いいですか、今回は秀吉と共に新たな馬防柵を作りました、更に川から水も引いてありますのて敵を流せます」
「その後はどうする?騎馬はこちらも出せないではないか?」と勝家が言った。
「騎馬は使いません、この大きな筒を使います」と言うと大砲を運ばせた。
「これが三千丁ありますのでこれで敵を減らすと共に馬を止めます」
「後は板を渡して攻めるだけだ」と最後だけ信長が言った。
みんな戦が変わったことに呆然としていたが勝家が、
「成る程、新しい戦を俺たちが始めるんだな」と言うと徐々にみんなもやる気になってきた。
軍議が終わると秀吉に呼ばれた。
「殿の事だが……」
「何かわかったか?」
「あぁどうやら家督を譲られたらしい」
「そうなんだ、それでどうなるの?」
「つまり殿は政治をご子息に任されるおつもりだ」
「それで様子がおかしかったのか」
「そうだが変わると大変だぞ」
「そうなのか?」
「わしらみたいな出のわからんやつは捨てられるかもしれんからな」と肩を落としながら言った。「大丈夫だよ」と肩を叩いて励まし別れた。
次の日の朝早くに信長軍は準備を始めた。
やっと武田 勝頼の事が分かるかもと思い光秀は少し興奮していたが信長の事も心配だった。
武田軍が前進し始めた。
騎馬はそんなにいなかったのには驚いたが、スピードはどんどん上がってくる。
信長軍は敢えて何もせずに構えだけ見せていた。
その頃勝頼本陣では、
「主よ話が違うではないですか」と勘介が言っていた。
主と呼ばれた男は軍人と言う顔をした40代くらいの男であった。
「戦争を知らぬのか?これが戦争だ」と言い返された。
「こんな戦は武士のやることではない」
「貴様は武士ではない、ただの人殺しだ」
「くっ……」
「これで織田 信長を殺せる」と言うと笑い始めた。
「勝頼殿、大変だ」と別の家臣が入ってきた。
「どうした?」と聞くと、
「背後より上杉、北条、真田が手を組み退路を絶たれました」と言った。
「そうか、まぁ勝てるから気にするな」と言うと戦場に目をやった。
信長軍は明らかに構えを見せてるだけで止まると思い込んでいる、そう思い見ていると確かに勝頼の兵は止まった。
止まったと言うより消えたと表現した方がいいだろうか、そしてそれと共に大きな柵が現れ鉄砲隊が前に出てきて撃たれている。
「なぜた、なぜ読まれた」と勝頼は叫びながら立ち上がり、手当たり次第に物にあたった。
「殿ご指示を」と家臣が言うと懐からリボルバー式の銃を取り出し頭を撃ち抜いた。
「だまれ、今考えておる」
「勘介なんとかしろ」と勘介にリボルバーを向けて言った。
「南の徳川領に撤退しましょう」と勘介が提案したが、
「違う、勝つ方法を言えと言っている」と言われた。
その時轟音が大地を揺るがし、勝頼の真後ろに砲弾が落ちた。
「これは大砲?銃が三千ではなく大砲が三千だと?」と言うと馬に乗ったが振り落とされた。
「馬も使えんのか」と言い全軍に突撃の号令をかけた。
信長は陣の中で座っていた。
「武田はこんなに弱いのか?」
「いえ、我々が強いだけです」
「あの青年は仲間になるかな?」
「きっと仲間になってくれます」
戦場の中で何故かのんびりとした空気が流れていた。
「殿、勝頼が突っ込んできた」と秀吉が伝えにきた。
「勝頼だけここまで通せ、他は皆殺しにしろ」と信長が伝えると秀吉は頷き出て行った。
武田軍はことごとく撃ち抜かれた。
そんな中勝頼と勘介だけすんなり前に進む事ができた。
「主よこれは罠です」
「大丈夫だ、リボルバーがあるからな」と言うと二人は駆け抜けた。
陣の前に辿り着くと光秀が一人立っていた。
「あなたが勝頼か、どうぞ中にお入りください」と丁寧に言われたので二人は中に入ると座らされた。
「俺が織田 信長だ、あなたが勝頼殿だな?」
「あぁそうだ」
「なぜあなたは勝てない?」
「まだ負けた訳ではない」と言うと懐から銃を抜こうとしたがそれより早く光秀が勝頼に刀を突きつけた。
「出してみて下さい」と光秀が言うと勝頼は銃を出した。
「こんな物見たことないだろ?」
「実物は初めて見ましたね、警察が持ってる銃ですよね?」
「なに?お前知ってるのか?」と驚きながら勝頼は言った。
「何を隠そう光秀もお前と一緒で未来から来たからな」と言って信長は刀を抜いた。
「主を殺す前に俺を殺して下さい」と勘介が言うと、
「お前は殺さん、未来が楽しみだからな」と微笑んだ。
「おい光秀とか言ったな、未来人同士助け合おう、俺は警察だから戻ったら色々世話してやるよ」「そうですか、それはとても嬉しいですね僕は結構犯罪歴があるので」
「消してやる、どうだ悪い話ではないだろ?」
「元の世界に帰るにはどうしたらいいのか言ってください」
「それはわからんが一緒に探せば良いではないか」
その時バンッと乾いた音がして振り返ると勘介が信長を銃で撃った。
「貴様」と言うと光秀は刀を横に振った。
勘介の首が地面に落ちた。
そのまま光秀は怒りに任せて勝頼まで斬り殺した。
刀を捨てると信長の元に駆け寄った。
「光秀、若者は殺してはいかん」と言いながら傷を抑えている、直ぐに蘭丸が医師を連れてきた。その場で手術をすることとなった。
戦はまだ続いている、相手は勝頼と勘介がどうなったのか分からない。
そんな中武田軍最強の男たちがジワジワと本陣に詰め寄ってきた。
勝家や忠勝隊と押され始めた時光秀は刀を拾い戦場に飛び出した。
次々と人を斬っていく光秀はいつしか笑いながら舞っている様に見えた。
戦いなれた武田軍すら圧倒し、家臣団もほぼ壊滅状態までになっていた。
勝家、忠勝も押し始め織田軍は武田軍を蹴散らした。
光秀は細かい傷が沢山あったが気にせず信長の元まで走った。
光秀が陣まで戻ってくると丁度手術が終わった。
「秀吉どうだ?」と光秀はボロボロのまま言った。
「あぁなんとか大丈夫みたいだが、それよりどうした?」
「気にするな」と言うと中に入った。
「おぉ光秀どうした?」と信長は驚きながら言った。
「信長様、生きておられましたか」と言うと光秀は腰が抜け座り込んだ。
「あんなのでは死なん、それより傷だらけではないか」
「信長様と同様、こんなのでは死にません」
「そうか、そうだな」と信長は言うと空を見た。
雲ひとつない綺麗な空だった。
読んでいただきありがとうございます。
次回 予告
信長亡き後誰が天下を取る?
秀吉か?
それとも光秀か?
はたまた俺なのか?!
誰だよ。。。
こうご期待!!!!