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現実

作者: デビぞう

キビシク書いたものですが、語彙のなさを感じます。。。

男は、魔物討伐を報酬を懐に収めギルドを出た。


魔物の襲撃は激しく、町もあちこちに被害が出て、浮浪者や孤児が目立つ。


しかし、夕闇が迫りくる頃、日々の糧を求めて人は町に出る。




ふと、男の目にとまったのは古びた教会だった。


なんの感情も見えない視線を向けていると、槍をもった若い兵士が近づき男にむかっていい放った。


 オマエは近づくな、恐れ多くも第一王女が孤児や浮浪者のために炊き出しをしてるんだ!!ハンター風情が近寄っていいものではない!!と。


男は兵士を無視していたが、兵士はまだ若いのか、男の胸倉をつかんできた。


 貴様!!


男は、慌てることなく慣れた様子で兵士の手をひねりあげ、投げ飛ばした。


そうして、立ち去ろうとしたとき、声が掛けられた。



王国第一王女と近習(若い近衛兵士にみえた)であった。


 この者の無礼は謝ります、私は・・・・


と男は王女の言葉を遮り、


 知っている、ただ馬鹿なことをしてるなと、思っただけだ。


と、つぶやくように言いその場を立ち去ろうとした。



 まて、無礼者!!


近習が男を呼び止めた。


 尊い姫様に向かって貴様なんたる・・・


 五月蠅い、王権ってのは尊いのか?たかが先祖が国を作っただけだ。その子孫が尊いかどうかは本人次第だろう。


 な、何を!!恐れおおくも、自ら炊き出しに!


 だから馬鹿だといっている。おい、おまえも貴族だろう?


と男は近習に問いかけた。


 も、勿論だ!姫様の近習にて第一・・


 五月蠅い。まぁその国を束ねる王族と貴族が偉そうに住人の前でふるまうのか?周りを見てみろ。


王女を近習が周りを見渡すと、孤児や浮浪者、市民までが注目している。


ただ、誰の目からも敬愛の感情は認められず、ただ感情を殺した視線を向けるのみ。


 何のために炊き出しをしてるんだ?


 そ、それは、住人の皆様に・・・・


 ならいってやれそこの馬鹿近習に。善意の行いのはずが王権や貴族階級振り回して人がどう思うかをな。


しかし、王女は食い下がり、


 確かにおっしゃる通りです、この者も私も配慮が足りぬようです。でも馬鹿とは、何故そう思われたのでしょうか?お教えいただきたいのですが?


 オレはハンターだ、オレを使うには金がいる。


近習からはちっと舌打ちの音と下賤の者が!!


 わかりました。


王女は近習の態度を無視し、近習に預けてある金の入った小袋を男に渡した。


男は受け取り、中身から金貨1枚を取り小袋を近習へ投げ返した。


 馬鹿なだけではなく、愚かでもあるんだな。


一言だけのつぶやき。


さすがに王女も立腹した様子で、説明を促した。


 報酬を受け取ったのですから説明なさい!!


 では聞くが、この金はダレの金だ?


 そ、それは父王と話し合い国庫から炊き出しのために・・・


 では、オマエが稼いだ金ではないな?国庫の金、すなわちオレやここにいる人間が稼いだものを税として集めたものだ。オマエが稼いだ訳ではない。


 ・・・


 人の金を食事に代えて配る、それが偽善であり馬鹿でなくてなんだ?オマエ自身が何を稼いだ?そうしてオマエ自身が稼いだ金なら、なんとも思わん。しかし、今オレに支払ったといったな?オレが1枚抜いた金貨を。この金はどこから出てきてるんだ?その袋の中の金は一体なんなんだ?オマエの稼いだ金ではなく人々が汗を命をかけて支払った税だろうが。それは税だ、オマエの金じゃない。それを自らの馬鹿の解明に使ったわけだ。それがどんな風に人の目に映る?だから愚かといったんだ。


 ・・・


 もう一つ、炊き出しはその日の糧に喘ぐ者にはいいが解決にはならん。それはオマエの自己満足以外の何物でもない。新たに生活ができる様、仕事を税を食事をといった環境を整えるのがオマエらの仕事だ。


 ・・・


男は、近くにいた孤児の少女に金貨を渡しそのまま消え去った。





後世、歴史の中のわずか1ページの話、男の名前はわからないまま。


ただ記録としては残されている。


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