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8.あたらしい服に着替えて

 それから八年の歳月が流れました。母親の訃報は修道院に送られて来た手紙で知りました。たった一人の肉親を失い帰る家を失ったカレンデュアはその後も修道院に留まり、そして八年ずっと下働きを続けましたが母親の知り合いは結局見付かりませんでした。その間カレンデュアはそうじ以外にもいろんな雑用を任されました。庭の手入れもその一つでした。そんなある朝でした。いつものように日課になっている花の水やりをしていると

「カレン」とよく通る声が頭の上に降ってきました。頭上を仰ぎ見ると開いた窓からタンジーが顔を出していました。来てと手招きしているので作業を中断して行ってみると

「これに着替えて」とタンジーから何かを渡されました。

「これは……」

 疑問の表情を浮かべるカレンデュアを見てタンジーは笑顔で

「広げてみて」とうながしました。カレンデュアがそれを広げてみると

「わあ!」と感激の声がこぼれました。それは先輩たちが着ているものと同じ修道服でした。うれしい。やっとわたしもこれが着られるのね!

「今日からあなたはここの修道女ですよ。がんばってね」

「はい!」

 こうしてカレンデュアはこの日から、サントリナ女子修道院の修道女になりました。カレンデュア、十五歳の春でした。


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