おもちゃの兵隊
今日、ある国のニュースがありました。
こんな悲劇もあるのだということを自分に再確認させるために描きました。
この作品には適切でない言葉もあるかもしれませんが、ご了承ください。
また、これはあくまで歴史を見て、書いたフィクションです。
兵隊さん達は行進していました。
本国に何があったのかということも知らずに…。
しかし、食べ物はなく、いつしか隣にいた兵隊さんはいなくなり、壊れてしまったようです。
その行進も初めのような活気はありません。
それでも、兵隊さんはあきらめることはありませんでした。
それは本国が「勝利」すると確信していたからです。
もちろん、それがはっきりとした情報であるということは当時の兵隊さん達は知りようもありません。
それが「戦争」というものだったのです。
「兵隊」はあくまで「兵隊」でしかありえません。
本国にとってはそういった存在だったのです。
その事実を知らされずに兵隊さん達はひたすら歩きました。
彼らの任務は兵隊さんの仲間を助けるためでした。
その場所は本国から遠く離れた昔は「眠れる獅子」とも言われた国でした。
古くから本国の人が住んでいたということもあり、兵隊さんは食べ物はもらえると思っていました。
ところが、その場所は本国よりも最悪の場所でした。
そこは「攻められるはずのない国」と言われた人達に襲われていたのです。
兵隊さん達は頑張って戦いましたが、やがて負けてしまいました。
兵隊さん達は捕らえられてしまい、「攻められるはずのない国」の寒い寒い場所に連れていかれました。
彼らは捕らえられると「あること」をするように、本国から命令されていましたが、
それをやり遂げられる人はわずかでした。
そこで働けと命じられました。
逆らえるはずもなく、彼らは一生懸命に働きました。
ただ、食べ物はほとんど与えられることもなく、彼らは働き続けました。
しかし、1人、また、1人倒れていきます。そして、壊れていきました。
そこの管理人はその人には目を向けることもなく、違う兵隊さんを呼びつけ作業を続けさせました。
その管理人には彼らは「おもちゃ」にしか見えなかったのです。
ふと周りを見た管理人は驚きました。
「おもちゃ」が半分に減っていたことに気がついたのです。
ですが、所詮は「おもちゃ」は「おもちゃ」なのです。
彼は命令を出し続けました。
そのときから彼は頭痛に襲われていました。
それが何の原因かも分からず、彼はひたすらに命令を出し続けました。
彼はその頭痛に堪え切れなくなり、ついには寝込んでしまいました。
彼の病状はよくなることはなく、むしろ悪化していきました。
彼の親族が集まりだし、彼は治らないことを悟りました。
しかし、ベットから見ても自分に命令を出した人はいませんでした。
その人は「おもちゃ」に労働するよう仕向けた張本人です。
そこにきて彼は気がついたのです。
「勝利」に目がくらみ、「おもちゃ」が何だったのかということを…。
そして、彼自身もまた「おもちゃ」の一員だったということを…。
彼は悲しみに暮れ、やがて壊れてしまいました。
「おもちゃの兵隊」さん達は今でも寒いときには思いだすといいます。
彼らはいつまでも自分が「おもちゃの兵隊」であったことを忘れはしないのです。
それが「攻められるはずのない国」の管理人の頭痛の原因でした…。