14話
まだまだ続く
となラー新キャラ祭り〜!
今回の話で三人新キャラプラスします。
設定にめちゃくちゃ悩んだせいで多少遅れましたが、楽しんでいってください。
今回も学園パート。
新キャラを加えて更にハチャメチャ!?ほのぼの!?
とりあえずギャグ!!
裏話「当初の咲夜の設定」
13話初登場時
咲「れ、れ、煉くぅ〜ん!!!」
煉「ぐほぁっ!!」
咲「会いたかったよぉ〜、煉くぅ〜ん!!
6年前、いきなり日向さんが君を外武錬に出したって言ってたから、お姉ちゃん心配したんだよ!?
でも、帰ってきてくれてよかったぁ〜!」
当初はお姉ちゃんキャラでした。
もう少し話が進んだら、別の小説として他作品ともクロスしてみたいですね。
ゼロ魔とかリリカルなのはとか…
「ハァ、ハァ、ハァ、撒いた、か…?」
「らしいな。
これで漸く飯が食える」
俺達はリアル鬼ごっこの鬼からなんとか逃げ切り、屋上の扉の前で一息吐いていた。
翼は息絶え絶えになりながら、床に座っており、俺は壁に背を預けながら翼の回復を待っている。
「ハァ、ハァ、つーか、何でお前は、あんな走って、ピンピン、してんだよ…?」
「俺はお前らみってに魔法が使えない分、身体能力のスペックは高いんだよ。
これだけなら羽柴にも負ける気はしねぇな」
恨みがましくこちらを見上げる翼に、俺は手をヒラヒラと振りながら嘘混じりに答える。
それを聞いた翼はその場に寝転がり、悔しげに呟く。
「あぁ〜クッソ、体力には、自信、あったんだがな…」
「まぁ、あんだけの距離全力で走れたんなら上出来だろ」
俺達は当初、屋上まで最短ルートで駆け上がろうとしたのだが、如何せん人数の差は大きく、俺達の行く手行く手を全て先回りされていたのだ。巧みな誘導によって…
指揮をしていたのは恐らくあの赤髪眼鏡だろう。
伊達に生徒会副会長ではないということか…
そのお陰で3キロ近く全力で走らされたからな…それも、階段上り下り含めて…
最終的には向こうの魔力が切れるか、此方のスタミナが切れるかの持久戦になり、俺達は迫り来る魔法の数々を凌ぎ、見事奴らに勝利したのだ。
ま、食前の運動くらいにはなったかね…
正直に言うならば、あの程度の連中を撒くのは容易い。
しかし、ここ2日間は人脈作りに精を出しすぎて、普段皆が寝静まった時間にしていた鍛錬を怠った感じがしていた為、あの場を利用して鍛錬代わりにさせて貰ったのだ。
「ま、鍛錬としては些か物足りなかったが…」
「何か、言ったか?」
「なんでもね。
それよりまだ休んでんのか。
昼休み終わんぞ?」
俺が自販機で買った緑茶と自分の弁当袋を弄びながら問うと、翼は一つ大きく息を吐き出し、ゆっくりと立ち上がる。
呼吸はもう整ったらしく、その表情は先程までとは違い、幾分かの余裕がある。
なかなかの回復力してるじゃねぇか。伊達に浅黒い肌してねぇな(?)
「ふぅー、もう大丈夫だ。
よし、行こうか」
「あいよ」
俺は壁から背を放し、屋上への鉄製の扉に手を掛け、開く。
扉の先に出ると、雲一つ無い空から暖かく眩しい光が差し込んでくる。
正に快晴と呼ぶに相応しい天気だ。
「くぁ〜、やべぇいい天気だ…午後はここでサボるかな…」
その光に目を細めながら俺は軽く背伸びをする。
体の至る所が伸び、ほぐれていく感覚が心地よい。
穏やかに吹く風が庭園から花の香りを運んできて俺の心を落ち着かせる…うん、ガラじゃねぇな。
「駄目に決まっているだろう」
そこへ、前方から声を掛けられる。
背伸びするのを止め、目を開いてみると、前方には茶髪で切れ長の目をした男が呆れた表情で立っていた。
この男の名は国重元春。
通称モト。
Dクラスの委員長をしており、翼とは昔馴染みで、翼曰わく親友。
モト曰わく腐れ縁らしい。
「ったく、来るのが遅いから様子を見に行くところだったぞ」
「悪ぃ悪ぃ。ちょいとハプニングに見舞われてな」
「…まぁいい。それより早く食わないと昼休み終わっちまうぞ?」
モトは一瞬怪訝そうな顔をするが、特に気にした様子も無く踵を返す。
「はいはい、っと、どうした翼?」
モトについていこうとしたところで、俺は翼がまだ屋上に入ってきていないことに気付き、そちらに目を向ける。
翼は何やら袋の中を覗いたまま膠着しているようだった。
「…れ…く……ンド…ぇ」
「あ?」
少し様子を見ていると、翼が何か呟いているのがわかる。
しかし、声がか細すぎてうまく聞き取れない。
読唇術で読み取ろうかと考えた所で…
「お、俺の…俺の黒豚カツサンドがねぇんだよぉぉぉぉ!!?」
空へと悲痛な咆哮が放たれた。
翼はこの世の終わりのような顔をしており、吼えた後慌てた様子で袋を漁ったり、周囲を見回したりしている。
「何故だ!?確かにこの袋の中に入れていた筈だ!それなのに、それなのに…」
「逃げてる時にでも落としたんじゃね?」
そんな状態の翼に、俺はポケットの中にある黒豚カツサンドを弄びながら、しれっと言う。
「さ、探してくる!
お前らは先に食っててくれ!
チクショオォォォォ!!!」
俺の言葉に反応したのか、翼は叫びながら物凄い勢いで階段を下りていった。
その後姿を俺達は呆れた様子で見送る。
「まったく、モグモグ、忙しい奴だな…モグモグ」
「同感だな。
…で、お前が現在進行形で食っているソレは何だ?」
「黒豚カツサンド」
「…………」
「モグモグ……モグモグ……」
「よし、向こうで渚が腹を空かせて待っている。
いくぞ」
「ックン。
あいよ。つーか、俺らが来るまで飯食わないでいたのか。
ハルハルやっさしぃ〜」
俺はK・カツサンドを飲み込むと、先を歩くモトをからかう。
そして期待通りの反応をするモト。
「なっ!?ち、違、これは渚が言い出したことで…!
というか、誰がハルハルだ!?誰が!?」
顔を真っ赤にしながら俺に詰め寄ってくるモト。
…お分かり戴けただろうが、一応説明しておこう。
彼はツンデレです。
俺は未だに否定の言葉を並べているモトの肩に手を置き、微笑する。
「ハイハイ、わかったから、行こうぜ?」
「なんだその『大丈夫、俺はちゃんと理解してるから…』みたいな慈愛に満ちた視線は!?」
そんな感じで俺達はギャーギャー言い合いながら、もう一人の友人の待つ場所へ移動した。
「白髪遅ぇ…」
「ハッハッハ、悪い悪い。
あれ?何かイントネーションおかしくね?」
備え付けられている円卓に突っ伏し、気怠そうに此方を見てくる、青く長い髪を後ろで括っている男の名は、柊渚
E組に所属している、一応学年トップクラスの天才だ。
「もうね、ボクね、腹減りすぎてお腹と背中がファイナルフュージョンしちまいそうなんですよ…
だから、その手に持った弁当袋の袋だけボクにください…」
…天才の筈だ
渚は顔を机に埋めながら何やら呟いている。
ツッコミどころ満載だなぁ、オイ
…とりあえず……
「おいおい、やばいよこの子。
腹減りすぎていろいろ混乱しちまってるよ
早く何か食わせないと…」
「そう言いつつお前はお前で袋だけ渡すな!!」
俺は弁当袋の中身を取り出し、袋だけ渚に渡したところでモトに頭を叩かれる。
ちなみに渚は、中等部時代に翼とモトと同じクラスになり、知り合ったらしい。
「おや、そういえば桜木は?」
とりあえず席に座り、円卓に各々が昼飯を広げていると、渚は俺が渡した袋を指を引っ掛けてクルクル回しながら聞いてくる。
「桜木?……あぁ、翼か」
「お前今絶対翼の苗字忘れてただろ?」
「どうせ読者も忘れて…」
「ハイ、メタ発言禁止ィィ!!」
モトはいきなり何を言っているのだろうか?
まぁいい…
「翼なら、在りもしない幻想(K・カツサンド)を求めて飛び立ったのさ…翼だけにな…」
「うまくねーし、そげぶした張本人が何をほざきやがる。
…おい渚、何故肩を震わせている?」
冴えるモトのツッコミ
どうやらツボったらしく、机に突っ伏しながら肩を小刻みに震わせ笑いを堪えている渚
そしてボケながらも淡々と飯を食う俺
そんな奇妙な空気を放つこの場に、更に浅黒い金髪の陰が…
…もう特定できたわ
「おう翼、見つかったか?」
フラフラと覚束ない足取りで此方に来る陰…翼に、気楽に声を掛ける。
モトがジト目でこちらを見ている気がしないでもないが、華麗にスルーしておこう
翼はそのまま席に座り、円卓に突っ伏す。
「はぁぁぁぁ〜〜……無かった…
もう嫌だ。帰りたい…お腹痛いから帰る…」
「お前は嫌々学校に出てきた不登校児か!!」
「モト、その例え微妙にわかり難いわ」
俺は緑茶を飲みながら、ツッコむモトにのんびりとツッコむ。
すると、翼がいきなり鼻を動かしたかと思うと、不意に此方に視線を向ける
「ん!?気のせいか煉夜から黒豚カツサンドの匂いが…」
「匂いわかんの!?何か怖ぇぇえ!」
馬鹿な!俺は飯を食って更に緑茶まで飲んだのだぞ!?
それなのにK・カツサンドの匂いを特定するとは…
「あぁ、桜木は好物の匂いに対しては犬並の嗅覚を発揮しますからね。
その嗅覚により購買戦争で好物の位置を正確に捉えることから、彼は『購買の猟犬』という二つ名が…」
「呼吸をするかのように出鱈目を吐くのは止めような渚」
近くで何やら漫才をしている奴らがいるが、気にしない。
「まぁ、それはいいとして、ほれ、コイツは俺自信作だから食ってみろ」
「んがっ!?」
俺はとりあえず本格的に怪しまれる前に、弁当からおかずを一品翼の口に叩き込み誤魔化すことにする。
「ムグムグ…こ、これは!?
う・ま・い・ぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺の自信作を食った翼は席を立ち、波動砲を放たんばかりの勢いで叫ぶ。
その声で周りの生徒の肩がビクゥッと跳ねたが、流石にフォローできないのでスルー
「なんなんだこれは…!?甘く辛く、それでいて所々渋い苦味があり、味に深みがある…更に素材が強調し合っているというのに、調和していてお互いがまるで喧嘩していない…!!」
…え?なんて?
翼のノリは料理漫画の意味不明な説明に首を傾げながらも、俺は話題が逸れたことにひとまず安堵する。
翼は俺の料理の美味さにヘヴン状態に陥っているからとりあえずは…
「フェヘヘアハハハハハハ、ハァ、ハァ、ハァ…」
…大丈夫だよな……?
目の前の惨状を見て、自分の料理の腕に初めて恐怖した今日この頃…
「ところでお前達はなんで遅れていたんですか?何か下の方から凄い音していましたが?」
今までのやり取りを興味無さ気に見ていた渚が、自前のパンを食べながら聞いてくる。
「んぁ?別になんてこたぁねぇよ。
お嬢に飯誘われた後に雑談して、その後喧嘩売られて、暴徒とリアル鬼ごっこしてただけだ」
「どこがなんてことないか説明して貰いたいものだな…」
「随分と愉快なハプニングに見舞われていたんですね〜、ボクも行っていればよかった」
モトは呆れ、渚は少し興味深そうに頬杖をつきながらフフッ、と笑う。
「ところで、さっき出てきたお嬢ってのは誰なんです?
呼び方からして親しい奴なんでしょうが…」
「あぁ、お嬢ってのはアレだ、ウチのクラスの高宮優…」
「高宮さんだとぅ!!!
貴様、白神ぃ!どういうことだァ!!?」
渚の質問に答えていると、途中で半狂乱状態になったモトが、俺に詰め寄り胸倉を掴んでガックンガックン揺さぶってくる。
視界がぁ〜、視界がぁ~~、何かデジャヴ…
「あぁ?なにがだよ」
「お前がた、た、高宮さんに食事に誘われたということだ!!!
何故お前が高宮さんと親しい!?」
「席が偶々隣ってのと、ちょっとしたきっかけが原因じゃね?
つ~か酔う、マジで酔う、腹に飯入ってるから寧ろ吐く…腹の中で飯がブレイクダンスを踊っている…」
顔が現在進行形で青くなっているだろう俺が、モトの腕をタップをしながら答えると、それが通じたのかモトは揺するのを止め、今度は頭を抱え始める。
「あれか!?高宮さんが危険な目にあったことで、少し噂になったA、B組の魔法授業か!?
クソがァァ!!!何故俺はC組なんだァァァ!!?」
そして、空に向かって悲鳴のような咆哮を上げるモト。
まぁ、彼はもうわかっているとは思いますが、お嬢にベタ惚れです。
ハイ、どうでもいいですね。それよりも…
…またデジャヴが…つーか、流石は昔馴染み。
翼と行動パターンがまるで一緒だ。
そんなことを、翼からパクッたコーヒー牛乳を飲みながら考えていると、モトの視線が此方に移る。
嫌な予感がしたので、持っていたコーヒー牛乳を渚に放る。
コーヒー牛乳を渚が無事にキャッチすると同時に、再びモトが詰め寄ってくる。
「それで貴様は高宮さんの誘いを断ったというのか!?」
「断ったからここにいるんだろうが…少し冷静に…」
「馬鹿が!そこは誘いに乗って、その後俺を呼べばよかっただろうが!?」
宥める俺の言葉を遮りモトは俺の胸倉を掴み、至近距離から血走った目で睨んでくる。
…それは一応思い付いたが、翼からモトはお嬢に気があると聞いて、誘いに応じても面白そうだったが、なんとなく、赤髪眼鏡と同じようなリアクションになりそうだったので断ってみたのだが、どうやら正解だったようだ。
これはこれで面白い。渚も肩小刻みに震わしてるし…
ま、断ってこんだけでかいリアクションだ。
応じてみたら案外もっと面白いリアクションに期待できるかもな…
そんなことを胸中で考えながら、とりあえず目の前の男をどうにかすることに…
「わかったから少し落ち着け。
次ぎ誘われたらお前も誘うから。
それでいいだろ?」
「本当だな!?約束だぞ!?
嘘吐いたら針千本ガチで飲ませるからな!?」
「ペナルティー重っ…まぁいいや。
わかったから離せ」
俺が適当に約束を了承すると、少しばかり冷静になったモトは一つ頷き、自分が座っていた席に戻る。
これで少しは空気が落ち着い…
「そうだ煉夜、お前鳳先輩に抱きつかれてたけどあれは…ぐふぉぅ!!?」
いつの間にかヘヴン状態から復帰していた翼は、パンを頬張りながら口を開く。
その翼の大声と内容で空気が一瞬凍り、周りの視線が集中しかけるが、俺は翼の腹部を円卓の下から蹴ることにより翼を黙らせ、生徒暴徒化の決定打を与えない。
翼は一瞬パンを吐き出しそうになるが、それを耐えたのは流石と言っておこう…
まぁ、それはどうでもいいとして、俺は渚とモトが此方を怪訝そうに見ているがそれをスルーし、周りに聞こえるような声でフォローする。
「ハッハッハ、寝言は寝て言おうか腐れガングロ金髪が。
鳳先輩が俺なんぞに抱き付く筈ないだろうが。
恥を知れ下郎が」
俺の言葉により周りの空気は軟化する。
罵倒で軟化する空気もどうかと思うが、どうやら冗談として判断されたらしい。
俺はそれを確認すると、翼にだけ聴こえるように意志を込め、言霊と化した言葉静かに呟く。
「大声で言うな阿呆が。
俺は二の舞を演じるつもりはねぇぞ?」
未だに蹲っている翼は、俺の言葉を聞いて、意図を理解したのか頷く。
翼も流石に食後リアル鬼ごっこは勘弁してほしいのだろう。
そんなことをしている間にチャイムが鳴り、そのまま昼休みは終了となった。
この後翼は慌ててパンを頬張るが、流し込むための水分が無いことに気付き、絶望することになるのだが、それは余談である。
「…確かに君は成績は異様に良いみたいだけど、それでもキチンと授業には出なさい。
わかった?」
「善処しよう」
「それは改善する気の無い人の常套句…あぁ~、もういい、君といると疲れる。
今日はもう帰っていいわ」
「職務怠慢か村園女史よ」
「誰のせいで居残っていると…大体君はねぇ…」
「じゃな~、村園」
「あ、ちょっと…」
少しばかり時間が経ち放課後。
何事も無く日程を屋上で消化した俺は、担任の村園女史に説教を受けた後、この後何をして暇を潰そうかと考えながら教室を出る。
ちなみに翼はHRが終わるなりさっさと何処かに行き。
お嬢はいつも通り舞と一緒に帰った。一緒に帰らないかとも誘われたが、その状態で咲夜と出会うリスクを考え、説教を逃げ道として使用して遠慮した。
そういや咲夜の対処について考えねぇと…
少しばかり遅くなったせいか人通りの少ない廊下を歩き、少しばかり考える。
咲夜は生徒会副会長、それも行事とやらで忙しいらしいから、寮に帰っているということはないだろう。
そして、確か舞は晩飯を咲夜と一緒に食ってるから、俺のことを言うとしたらその場になるのかね…?
なら、その前に口封じしておかねぇと…最悪『戒』でも使うか…
そこまで考えたところで
……止めだ面倒くさい。
俺は思考を放棄する。
面白くもなんとも無ぇ面倒事を考えてる時点で、俺としては間違いなんだよ。
バレたらバレたらで、多少は面倒なことにはなるだろうが、面白い方向に事は運びそうだ。
よし、そうと決まれば………何をしようか…
方針を決定して思考は暇つぶしの方法に切り替わり、ふと、購買で見掛けたフィリスという銀髪女にでも接触を試みてみようか、と考えたところで、前方から人の気配を感じる。
視線をその気配に向けてみると、緑のリボンを着けた、肩につくぐらいの長さの紫の髪をした女が此方にやってくる…明らかに意識を此方にむけて…
その女は、女にしては高めの身長の美人で、どこか大人びた雰囲気を纏っている。
そして特筆すべきは強い魔力…俺が紹介している女全員魔力が強いのは気のせいか…?まぁいい。
俺は特に気にせずにそのまま直進することに。
すると、女は俺の道を塞ぐような形で立ち止まる。
「…へぇ、君が咲夜の弟君か」
そう言って目の前の女は、俺を品定めするかのようにジロジロ見てくる。
俺は女の口から聞き捨てなら無い言葉を聞いたので、女の出方を見ることに。
「…うん、やっぱり咲夜の弟だけあって、いい男だねぇ。
体も相当鍛えられてるみたいだし、何よりいい目をしてる」
女は一通り見終えると、一つ頷き、何故か嬉しそうに口元を綻ばせる。
俺は女のテンションに多少辟易しながら、当然の疑問を口にする。
「何を言ってるかは知らんが、どーも。
で、あんた誰だ?」
「おっと、自己紹介がまだだったね。
あたしは三年の、神無月有紗。
一応この学院の生徒会長をやらせてもらってるよ。
よろしく」
有紗と名乗った女は、満面の笑顔を浮かべて右手を差し出す。
へぇ、コイツが生徒会長か…
なるほど、確かにこの学院の頂点だけはあるな。
既に五位くらいの実力はありそうだ…
「こりゃご丁寧にどうも。
俺は白神煉夜。
魔法の使えねぇ、しがない不良だ」
あたりまえのように嘘を吐きながら会長の右手を握り、握手する。
そしてその手をすぐ離し、会長の間合いの外までさり気なく距離を取る。
面倒事だと判断した瞬間逃げるためにだ。
しかし俺には既に、なんとなくだが面倒事の…厄介事の匂いがしてきた
ネタ説明
「そげぶ」=とある魔術のインなんとかの主人公、上条当麻の決め台詞。
「『そ』のふざけた『げ』んそうを『ぶ』ち殺す」の略。
「う・ま・い・ぞぉぉぉぉぉぉ!!!」=『ミスター味っ子』という料理アニメで、味皇というキャラが料理を食べた時のリアクション。
美味さのあまり口から波動砲を放ちます。
ハイ、貴重なツッコミ役を入れてみました〜
これからの学園パートの煉夜は、基本的にあの男3人と行動します。
生徒会長は、姉御系にしたいんですが、テンション高めにするか、知的な感じにするか迷っています…
様々なアイデアを頂いたので、新キャラ祭りは次の話あたりでそろそろ一区切りしようかと思います。
話が一段落したら、またすると思いますので…
次は行事について考えなければ……
:ネタバレ:
新キャラのフィリス・レインハーツはクーデレ設定です。




