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# 第四十六話:鏡の中の恐怖


世界が、



ひび割れた。



精神の檻が軋む中、



ミラの足元だけが、



不自然に沈み込む。



「え……?」



次の瞬間、



彼女の姿は、



音もなく消えた。



「ミラ!」



カイの叫びは、



闇に吸い込まれる。



――



目を開けたミラは、



無数の鏡に囲まれていた。



円形の空間。



天井も、



床も、



すべてが鏡。



そこに映るのは、



無数の“自分”。



笑うミラ。



泣くミラ。



怒るミラ。



そして――



何も選ばなかったミラ。



「……違う」



ミラは後ずさる。



鏡の中の声が、



一斉に囁いた。



『あなたは、



いつも誰かの後ろに立っていた』



『選ばなかった』



『選べなかった』



頭を抱えるミラ。



「やめて……!」



すると、



一枚の鏡だけが、



歪んだ光を放つ。



そこに映ったのは、



幼い日の記憶。



燃える村。



逃げる人々。



動けず、



立ち尽くす自分。



『あの時も』



『あなたは選ばなかった』



ミラの膝が、



床に落ちる。



「……違う」



震える声で、



彼女は言った。



「怖かっただけ……」



沈黙。



そして、



ミラは、



ゆっくり立ち上がる。



「でも」



「今は違う」



鏡に手を伸ばす。



「私は、



ここに立つと選んだ」



「カイの隣に」



鏡が、



音を立てて砕け散る。



一枚、



また一枚。



空間が、



白く染まっていく。



最後に残った鏡には、



涙を流しながら、



前を向くミラが映っていた。



「……これが、私」



その瞬間、



彼女の背後に、



小さな光が灯る。



選択の証。



精神の檻の外で、



カイが、



何かを感じ、



静かに目を開いた。



――



二人の意志が、



再び繋がろうとしていた。


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