表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/50

045

# 第四十五話:裏切りと救済


精神の檻が、



きしむ音を立てる。



鎖の間に、



わずかな裂け目が生まれた。



その隙間に、



別の影が差し込む。



「……遅かったか」



レオンだった。



彼の瞳は、



迷いと決意の狭間で揺れている。



「来るな……」



ミラが、



苦しそうに声を出す。



「ここは、



心を喰う場所よ」



レオンは、



一歩、踏み出した。



「分かっている」



「だから、



俺が来た」



彼の背後に、



別の光が揺らめく。



バルザの残滓。



「愚かな選択だ」



声が嘲る。



「再び裏切るのか、レオン」



レオンは、



歯を食いしばった。



「……ああ」



「今度は、



自分を裏切る」



その瞬間、



レオンは胸元に手を当てる。



古い紋章が、



淡く光った。



「代償は、



俺の記憶だ」



光が走り、



精神の鎖を焼き切る。



ミラの足を縛っていた鎖が、



音を立てて崩れ落ちた。



「レオン……!」



ミラが叫ぶ。



だが、



レオンの表情は、



すでに色を失っていた。



「これでいい」



「覚えていなくても、



正しいことはできる」



バルザの声が、



怒りに歪む。



「愚か者め……」



檻が、



激しく震える。



カイは、



その光景を見つめていた。



「……ありがとう」



小さく、



確かに言った。



レオンは、



微かに笑う。



「次は……



お前が選べ」



光が消え、



レオンの影が薄れていく。



裏切りは、



救済へと変わった。



だが代償は、



あまりにも大きい。



精神の檻は、



完全には壊れていなかった。



次に砕かれるのは、



――誰の心か。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ