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# 第四十四話:精神の檻


塔の最深部。



音が、消えていた。



風も、



時間も、



存在しない。



そこは、



精神だけが囚われる場所。



「歓迎しよう」



バルザの声が、



頭の内側に直接響く。



カイは、



ゆっくりと周囲を見渡した。



無数の鎖。



光で編まれた檻。



「これが……



精神領域か」



ミラは、



胸を押さえる。



「息が……重い」



「当然だ」



バルザの姿が、



霧の中から現れる。



「ここでは、



意志そのものが重力になる」



「弱い心ほど、



動けなくなる」



鎖が、



ミラの足に絡みつく。



「ミラ!」



カイは、



一歩前に出る。



その瞬間、



無数の鎖がカイにも伸びた。



「焦るな」



バルザが嗤う。



「君は特別だ。



だからこそ、



最も深く縛られる」



カイは、



目を閉じた。



――思い出。



失った街。



泣き叫ぶ人々。



自分が選び、



背負った罪。



鎖が、



さらに重くなる。



「……そうだ」



カイが、



静かに言った。



「俺は、



全部を背負うと決めた」



ゆっくりと、



目を開く。



その瞳が、



淡く輝いた。



鎖が、



きしみ始める。



「なに……?」



バルザの声が、



初めて揺れた。



「俺の意志は、



重力じゃない」



「――解放だ」



鎖の一部が、



音を立てて砕け散る。



ミラが、



顔を上げる。



「カイ……!」



だが、



完全には壊れない。



檻は、



まだ閉じている。



バルザが、



低く告げた。



「面白い……



だが、



これは序章にすぎない」



精神の檻が、



さらに深く閉じ、



次なる試練が始まろうとしていた。


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