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# 第三十八話:暴王


名は、


一度付けられると、



剥がれない。



広場。



結界の下。



人々は、



距離を取った。



恐怖。



期待。



そして――



責任転嫁。



「暴王だ……」



誰かが、



呟いた。



「血の王」



「選ばせる怪物」



言葉は、



刃になる。



ミラは、



歯を食いしばる。



「違う……



彼は――」



カイは、



手を上げた。



止める。



「いい」



「それで」



群衆が、



ざわめく。



仮面の兵が、



動いた。



《残り三十分》



《未提出》



警告。



空が、



赤く染まる。



結界の一角が、



軋んだ。



カイは、



一歩、



前に出る。



「俺が――」



ミラが、



腕を掴む。



「ダメ!」



カイは、



彼女を見る。



静かに。



「誰かが、



選ばれるなら」



「俺でいい」



その瞬間。



地鳴り。



遠方の区域が、



光に包まれる。



――消えた。



悲鳴。



沈黙。



《第三段階》



《区域消去、



実行》



人々は、



膝をつく。



「なぜ……」



「差し出したのに……」



カイは、



歯を食いしばる。



「……だからだ」



「選択を、



他人に投げたからだ」



仮面の通信。



バルザの声。



《素晴らしい》



《君は、



よく似合う》



《暴王の名が》



ミラの涙が、



落ちる。



カイは、



背を向けた。



「……覚えておけ」



「この名は、



俺が背負う」



「お前たちが、



選ばずに済むように」



群衆の上に、



影が落ちた。



王冠の形をした、



影だった。


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