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# 第三十七話:封鎖都市
朝は、
来なかった。
◇
太陽は昇っている。
◇
だが、
街は夜のままだった。
◇
空を覆う、
黒い結界。
◇
鐘の音が、
◇
低く、
◇
街全体に響く。
◇
《第一段階》
◇
《都市封鎖》
◇
仮面の通信。
◇
人々は、
◇
立ち止まり、
◇
空を見上げた。
◇
門は閉ざされ、
◇
転移陣は沈黙する。
◇
逃げ場は、
◇
ない。
◇
市場。
◇
子どもの泣き声。
◇
兵士の怒号。
◇
混乱。
◇
ミラは、
◇
歯を噛みしめた。
◇
「これは……
◇
戦争だよ」
◇
カイは、
◇
結界を見上げる。
◇
「違う」
◇
「試験だ」
◇
「誰が、
◇
誰を守るかの」
◇
空間が、
◇
歪む。
◇
仮面の兵士たちが、
◇
姿を現す。
◇
無言。
◇
整然。
◇
恐怖より、
◇
冷たい。
◇
《第二段階》
◇
《選択開始》
◇
石板が、
◇
街の中央に浮かぶ。
◇
刻まれた条件。
◇
《一時間以内に、
◇
反乱分子を差し出せ》
◇
《さもなくば、
◇
区域を一つ消去する》
◇
ざわめき。
◇
恐怖が、
◇
疑念に変わる。
◇
人々の視線が、
◇
一斉に向く。
◇
――カイへ。
◇
「……あいつだ」
◇
「血の目の男」
◇
「災厄を呼ぶ」
◇
ミラは、
◇
一歩前に出る。
◇
「違う!」
◇
だが、
◇
声は飲み込まれた。
◇
石が、
◇
投げられる。
◇
カイの額を、
◇
かすめた。
◇
血。
◇
人々は、
◇
叫ぶ。
◇
「差し出せ!」
◇
「一人で、
◇
街を救え!」
◇
カイは、
◇
静かに、
◇
歩き出す。
◇
「やめて!」
◇
ミラの声。
◇
カイは、
◇
振り返らない。
◇
「……これが、
◇
王の仕事だ」
◇
仮面の通信。
◇
バルザの声。
◇
《よく来た、
◇
選ばれる者》
◇
《第三段階へ、
◇
進もう》
◇
結界が、
◇
さらに、
◇
閉じた。




