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# 第三十二話:手を汚す者


煙が、


空気を裂いていた。



地下都市ノクス



医療区画。



仮設の結界。



その内側で、


子どもたちが、



震えていた。



外。



爆薬。



カウントダウンの音。



罠だった。



仮面の組織は、



わざとここを、



“安全地帯”にした。



ミラは、


結界の中心に立つ。



魔力は、


もう限界だった。



「解除すれば、



爆発は止まる」



通信水晶の声。



「だが、



結界も消える」



沈黙。



結界の外には、



武装した人々。



怒り。



復讐。



「中に、



子どもがいるぞ!」



「開けろ!」



ミラの手が、


震える。



解除すれば、



人が、



殺し合う。



維持すれば、



爆死する。



二択。



その時。



カイが、


近づく。



「俺が――」



「選ぶ」



ミラは、


首を振る。



「違う」



「これは、



私の仕事よ」



カイは、


言葉を失う。



ミラは、


深く息を吸う。



「守るためには――」



「汚れるしかない」



結界解除。



光が、


砕ける。



同時に。



爆薬は、


沈黙した。



外。



武装した群衆が、


一瞬、



躊躇する。



だが――



一人が、


刃を振るった。



血。



悲鳴。



ミラは、


歯を食いしばる。



治癒魔法。



だが、


追いつかない。



カイが、


前に出る。



剣の腹。



叩く。



殺さない。



倒す。



数分後。



静寂。



子どもたちは、


生きている。



ミラは、


膝をついた。



手が、


血で汚れていた。



「……私、



間違えた?」



カイは、


首を横に振る。



「違う」



「選んだんだ」



遠く。



屋根の上。



バルザが、


拍手する。



「素晴らしい」



「これで、



君も――」



「仲間だ」



ミラは、


顔を上げる。



涙と血。



英雄は、



ここで、



一人、



死んだ。


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