表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/50

031

# 第三十一話:選ばれる者


火は、


静かに燃えていた。



地下都市ノクス



中央区の一角。



爆破の跡。



瓦礫の間で、


人々が呻く。



泣き声。



怒号。



ミラは、


膝をつき、



必死に治療を続けていた。



光は、


弱く、



それでも、



確かに命を繋ぐ。



「足りない……」



魔力も、



人手も。



その背後。



カイは、


立っていた。



剣を支えに。



見えない視界。



だが――



声が、


方向を教える。



恐怖の震え。



憎しみの熱。



「王だ……」



「名もなき王が、



いる……」



囁きが、


広がる。



その時。



群衆の中から、


一人の男が、



叫んだ。



「お前が来たから、



こうなったんだ!」



怒り。



指が、


カイを指す。



同調。



「王なら、



守れ!」



「選べ!」



責任。



期待。



カイの胸が、


重くなる。



血眼の過去が、



蘇る。



――選ばされる者。



その時。



ミラが、


立ち上がった。



「違う!」



声は、


震えていた。



「彼は、



誰も選ばない!」



ざわめき。



「選ぶのは――」



「あなたたちよ!」



沈黙。



ミラは、


人々を見渡す。



「守ってほしいなら、



彼を、



王にするな!」



カイは、


息を呑む。



その言葉は、



刃より鋭かった。



遠くで。



仮面の影が、


屋根に立つ。



バルザ。



「美しい……」



「責任の放棄だ」



彼は、


仮面の奥で笑う。



「ならば、



試そう」



「誰が、



選ばれるのか」



合図。



別区画で、



第二の爆発。



悲鳴が、



重なる。



ミラは、


歯を食いしばる。



カイは、


剣を握る。



「……行くぞ」



「王じゃない」



「仲間としてだ」



二人は、



燃える街へ、



踏み出した。



選ばれる者は、



王ではない。



覚悟した者だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ