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# 第二十九話:血眼の原罪


古文書は、


血の匂いがした。



地下都市ノクス



最深部。



封印庫。



ミラは、


一人で立っていた。



壁一面に刻まれた、


古い紋章。



血眼ブラッド・アイ”。



かつて、


王を選ぶ目。



そして――



王を壊す目。



ミラは、


震える手で、



石板を読む。



《未来を見る力は、



必ず、



人の選択を奪う》



《選ばれた者は、



全てを背負い、



誰にも理解されぬ》



《ゆえに――》



《血眼の王は、



必ず、



孤独に死ぬ》



同時刻。



廃堂。



カイは、


跪いていた。



レオンの血が、


まだ乾かない。



「俺が……



選べなかった」



拳が、


床を打つ。



その時。



低い声が、


背後から響く。



「違う」



仮面の男。



バルザ。



組織の“声”。



「お前は、



選ばなかったのではない」



「選ばせなかった」



沈黙。



「血眼は、



未来を示す」



「だが、



人を救わない」



バルザは、


仮面に手をかける。



「だから我々は、



王を必要としない」



「王は、



象徴でいい」



「混乱こそが、



自由だ」



刃が、


床に突き立つ。



「選ばない世界を、



作る」



カイは、


顔を上げる。



「……それで、



誰が責任を取る」



仮面の奥で、


笑う気配。



「誰も取らない」



「それが、



自由だ」



仮面の男は、


影に溶ける。



その瞬間。



カイの胸に、


奇妙な感覚。



見えないはずの未来。



だが――



一つだけ。



“確信”。



この目は、



呪いではない。



呪いにしたのは、



人だ。



遠くで。



封印庫の扉が、


開く音。



ミラの声。



「カイ……



血眼は、



孤独を選ぶ目じゃない」



「孤独に、



追い込まれる目よ」



二人の影が、


交わる。



原罪は、


力ではない。



“期待”だった。



血眼の物語は、



まだ、



終わらない。


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