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# 第二十七話:偽りの王
地下都市。
王の空席は、
血よりも早く埋まる。
◇
中央区。
◇
瓦礫の上に、
男が立っていた。
◇
豪奢な外套。
誇張された王冠。
◇
名を、
ザイード。
◇
元・武器商人。
◇
彼は、
声を張り上げる。
◇
「聞け、ノクスの民よ!」
◇
「混乱は終わる!」
◇
「俺が――王だ」
◇
拍手。
◇
雇われた歓声。
◇
背後には、
重武装の傭兵。
◇
“秩序”は、
金で買える。
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同時刻。
◇
裏路地。
◇
ミラは、
負傷者を治療していた。
◇
癒しの光。
◇
だが、
足りない。
◇
人手も、
時間も。
◇
噂が届く。
◇
「新しい王が立った」
◇
ミラは、
手を止めた。
◇
「……王?」
◇
その頃。
◇
地下水路。
◇
カイは、
杖代わりの剣で
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壁を探りながら進む。
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見えない。
◇
だが――
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音が、
嘘を教える。
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恐怖の匂い。
◇
権力の匂い。
◇
「……軽い」
◇
カイは、
呟いた。
◇
ザイードの演説。
◇
その声が、
水路まで響く。
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虚勢。
◇
重みが、
ない。
◇
「王は――」
◇
「名を奪う者だ」
◇
「名を与えるだけの奴は、
◇
すぐ、
◇
殺される」
◇
カイは、
歩みを止める。
◇
決意。
◇
「……行くぞ」
◇
見えない王は、
◇
偽りの王へ、
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刃を向ける。
◇
その頃。
◇
ザイードの背後。
◇
仮面の影が、
静かに近づいていた。
◇
笑う声。
◇
「王は――」
◇
「一人でいい」
◇
地下都市は、
◇
再び、
◇
血を選ぼうとしていた。




