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# 第二十四話:人質の価値


地下都市ノクス


戦火の中で、


一つの灯りだけが残っていた。



旧評議塔。



かつて、


地下の秩序を決めた場所。



今は――



取引の場。



鎖の音。



ミラは、


円形の広間に立たされていた。



拘束。



魔力封印。



だが、


彼女の背筋は伸びている。



「怖くないのか?」



問いは、


上から降ってきた。



黒と金の仮面。



仮面将・ラグナ。



「……怖いです」



ミラは、


正直に答えた。



「でも――」



「彼は、


来ます」



ラグナが、


低く笑う。



「それでいい」



「お前は、


価値が高い」



「癒し手」



「象徴」



「そして――」



「血の眼を縛る鎖」




同時刻。



瓦礫の街。



カイは、


一人で歩いていた。



血の眼が、


狂ったように疼く。



――見える。



ミラが処刑される未来。



――見える。



彼女を救って、


数千が死ぬ未来。



分岐は、



残酷なほど、


明確だった。



拳が、


震える。



(……選べ)



祖の声が、


蘇る。



「切り捨てろ」



「未来を」



「感情を」



カイは、


立ち止まった。



左眼から、


血が一筋、落ちる。



代償が、


加速している。



その時。



仮面の伝令が、


声を張り上げた。



「血の眼に告ぐ!」



「明日、


夜明け前」



「評議塔に来い」



「来なければ――」



「彼女は、


価値を失う」



沈黙。



街の音が、


消えたように感じた。



カイは、


空を見上げる。



(世界を救うか)



(彼女を救うか)



血の眼は、


答えを示さない。



それでも――



カイは、


歩き出した。



評価など、


どうでもいい。



価値など、


切り捨てる。



彼が、


選ぶ未来は――



まだ、



名付けられていない。


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