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# 第二十一話:彼女は剣を取った


地下都市ノクス


炎と悲鳴が、


夜を満たしていた。



市場区。



逃げ惑う人々。


崩れる建物。



その中心で、


ミラは立ち尽くしていた。



(……カイ)



彼女は、


戦う人間ではない。



癒し手。


導く者。



だが――



仮面兵が、


子供を突き飛ばした。



刃が、振り下ろされる。



次の瞬間。



銀色の閃光。



刃は、


空を切った。



ミラの手に、


剣があった。



震えている。



それでも――



彼女は、


前に出た。



「下がって!」



声は、


確かに響いた。



仮面兵が、


笑う。



「女が、剣?」



ミラの胸が、


強く脈打つ。



(怖い……)



(でも――)



「もう、


奪わせない」



一歩。



剣が、


光を帯びる。



癒しの魔力。



それは本来、



人を守るための力。



だが今は――



刃に宿った。



衝突。



仮面兵が、


吹き飛ぶ。



致命傷ではない。



だが――



戦意を、


奪うには十分。



その瞬間。



屋根の上。



カイが、


彼女を見ていた。



血の眼が、


反応する。



――ミラが、


ここで死ぬ未来。



――彼女が、


剣を取らなければ。



カイは、


視線を逸らした。



切った。



その未来を。



代償。



胸の奥から、


“安堵”が消える。



(……平気だ)



(そう思うはずなのに)



市場区に、


新しい噂が広がる。



「白い髪の女剣士」



「癒しの光で、


仮面を退けた」



戦場の中で。



ミラは、


剣を握りしめる。



それが――



戻れない一線だと、



まだ、


知らなかった。


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