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# 第十九話:最初の狩り


地下都市ノクス


血の眼が目覚めた夜。



噂は、速かった。


「仮面が一人、消えるらしい」



カイは、闇市の屋根で風を読む。


怒りはない。


ただ、選択だけがある。



(切り捨てる未来を――選ぶ)



標的は一人。


《白仮面・第七位》


名を与える役目を担う、


記録係。



場所。


旧水路の交差点。


警護は薄い。


だが、罠は多い。



地下水の反響。


足音が、二重に聞こえる。



(分身……いや、反響魔法)



左眼が、赤く脈打つ。



世界が、分岐する。



――進めば、仲間が死ぬ。


――退けば、街が燃える。



カイは、進んだ。



刃は、影を裂く。


偽の足音が消える。



結界。


符。


呪糸。



一つずつ、最短で断つ。



中央室。



白い仮面が、帳簿を閉じた。



「来たか。血の眼」



声に、恐怖はない。


好奇心だけだ。



「名を返せ」



「返す? 名は道具だ」



「人は、名で救われもする」



「だから――」



刃が、喉元で止まる。



「だから、切る」



血の眼が、


未来を一つ、消した。



次の瞬間。



仮面の帳簿が、灰になる。



白い仮面は、


床に崩れ落ちた。



死ではない。



“名を与える力”だけが、


奪われた。



「……美しい」



仮面は、


最後にそう呟いた。



撤退。



水路が、騒然とする。



追手。



だが――



追いつけない。



屋根に出た瞬間、


胸が、少しだけ冷えた。



(今、何を……失った?)



答えは、出ない。



夜明け。



地下都市に、


新しい噂が走る。



「仮面は、


殺されるより怖い目に遭った」



そして――



戦争は、



戻れない地点を、


越えた。


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