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陰キャの私がクラスのカーストトップ女子に好かれた話  作者: haruca


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4/4

4.潜入!?仲直り大作戦!!

喧嘩……しちゃった……。分かってる、彼女に悪気は無いんだ。だけど、自分の事で精一杯で、酷い事をしてしまった。

「彩花はこれからどうするの?アイツのことは一旦置いておくとしてさ、その、クラスのこと。」

ああ、それもあった。おかしい、私はそれのせいでショックを受けていたはずなのに、今では藤原さんと仲直りがしたい。

「クラスのことは……どうでもいいです。私……藤原さんに酷いことしちゃった。あの人に悪気はなかったのに、ちゃんと話し合わないで……。」

後悔を1つ、また1つと吐いていく。この場には部長と私しかいないのだから、別に女々しくても良いはず。

「つまり、アイツと話し合いたいと?」

「はい、そういう事ですね……。でもあんな事しちゃったし……。」

あんな事の後で、今更話し合いなんて出来るわけない、そう思っている。私のコミュニケーション能力だと尚更不可能だと思えてくる。

「ふむふむ。ちょ〜っと待っててね。」

そう言って部長は美術室を一旦出る。廊下から部長の声が聞こえるが一体何をしているのだろうか。

「分かりましたよ、ワトソン君!」

少ししてから部長がまた部屋に入ってきた。

「何がわかったんですか?」

「ふっふっふっ、何と、アイツの部屋が分かりました〜!」

部屋?部屋が分かったところで何になるというのか、私にはさっぱりだ。

「えっと、それが何か?」

「決まってるでしょ、忍び込むんだよ。」

「へっ!?」





部長の友人に手を貸して貰い、私は学生寮に忍び込む。ここの学生寮は利用する人が少ないから誰がどの部屋か割れやすいみたいだ。

「ここが琴葉ちゃんの部屋だよ」

部長の友人が私に案内してくださった。この人は、部長にも負けない程の美少女で、明るい茶髪が目立つ真面目そうな方だ。

「ありがとうございます。」

さて、部屋が分かったからといってどうするのだろうか。まさか鍵を掛けていないとも思えないし……、って鍵掛けてないし!?

「ここの人ってみんな鍵かけないんだよね。」

「へぇ〜そうなんですね。」

仕事しろよ、私のコミュ力!?いくら友達がいない高校生活を送ってたからとはいえ弱すぎるって!?

「じゃあ、やるしかないでしょ。」

悪い顔をして何かを決心する先輩。一体何をするつもりなのだろうか。

「先輩?何をするつもりですか?」

「決まってるでしょ、ベットの中に隠れるんだよ。」

「へっ!?」






私は半ば強制的に布団の中にしまわれる。こういう断れないところが私の悪い所だよね。

さて、先輩も居なくなったし、どうしよっか。うん。先輩の話だと何時もならあと少しで帰ってくるみたい。

彼女の匂いを感じ、少し眠くなっていた時に、扉が開く音がした。いけない、寝てはならないぞ、私!

部屋に入るなり、彼女は机に座ったようだ。おそらく、勉強をしているのだろう。流石万能系女子。

「私は何てダメなんだろうか。結局何時も自分勝手で、誰かを傷つけてしまう……。」

「すまない、彩花。本当に……。」

そう吐露する彼女の声はとても悲しそうで、いつもの太陽のような声とは違って、雨模様といった感じだった。

「ダメだな。勉強に集中できない。今から夕食まで少し眠るとするか。」

まずい!?やばい、どうしよう。バレちゃう!?

とか思っているうちに、藤原さんは布団をめくった。

「こっ、こんにちは〜なんて、」

「あっ、彩花!?」

初めて見る藤原さんの驚いた表情と声。そりゃそうか、だって自分の部屋にさっき喧嘩した人がいるなんて、下手な心霊スポットよりも怖いもん。

「何で……何でいるんだい?君は……もう、私の顔を見たくないんじゃ……。」

確かに、私はそう言ってしまった。でも違うんだ。本当は……

「それはごめん。あんな事言うつもりじゃ無かったのに、言っちゃった。本当にごめん。」

「謝りたいのは私の方だよ。私のせいで君の学校生活は滅茶苦茶になってしまったし、君を苦しめてしまった。」

確かに、それはそうだ。でも、違うんだよ。

「じゃあ、責任とってくれる?」

やばい、言葉選びミスったかも。

「ああ……私に出来ることなら何でもするよ。これほどの罪を犯したんだ。どんな贖いでも私は進んでするよ。」

何でもって言いました、今?なんて冗談は置いといて。

「私と仲直りして。私の友達でいて。私とずっと一緒にいて。」

これが私からの要求。私とずっと一緒にいて欲しい。高校入ってから、初めての友人(恋人?)なんだから嬉しかったに決まってる。それをこんな所で手離したくない。藤原さんがいれば、虐められても大丈夫。

そんな気がするんだ。

「そんな事で良いのかい?」

「そんな事もできなかったのによく言うね?」

少し揶揄うつもりで言ったはずなんだけど、これはかなり高火力だったみたい。

「うっ……すまない。本当に私はダメだな。身勝手でまるで子供みたいだ。」

「あー違うの。そんなことが言いたいわけじゃなくて……元気だして!」

でも、これから言うことは藤原さんを傷つけるかもしれない。でも、言わないと。私達は対等になれない。

「藤原さん、私達、別れよ?」

早すぎる恋人関係。この歪な関係がある限り、私たちは本当の意味で対等にはなれないと思う。

「……あぁ。そうしよう。だか、君と私は友人なんだろう?永遠のね。」

藤原さんがいつもの調子を取り戻して来た気がする。

「もちろん!ズッ友ってやつだよ琴葉!」

初めて、初めて琴葉の名前を呼んだ気がする。でも、こっちの方が友達にふさわしい。そう思ったんだ。

「嬉しいな。君から名前で呼んでもらえるなんて。」

「この程度で嬉しいの?」

「だって、君とはもう関われないと思ったんだ。だから、こう、胸がいっぱいで。」

その言葉には感情が乗っていた。琴葉の喜びがすごく伝わってくる。琴葉の言っていた私の絵に乗っている感情っていうのはこういうものなのだろうか。

でも、私はこの湿っぽい空気が嫌で話を変えたい。

それに、今の私の顔は真っ赤だ。自分が好かれているという自覚がとても恥ずかしい。

「あーあー、お腹すいたな〜。ご飯にしない?」

「ふふっ、良いね。だけど……夕飯がないというか……」

「じゃあ、食べに行こうよ!」

仲直りした後は楽しくご飯。誰かがそう言ってた気がする。

「そうしようか。今日は私に奢らせてくれ。せめてもの罪滅ぼしだ。」

別にそんな事思わないくても良いと思うんだけど、彼女は自分に罰を与えたいようだ。だから、ここで琴葉の提案を断るのは残酷かな。

「おーけー!じゃあ何食べたいとかある?」

「そうだね…………」

こうして、私たちの友人としての関係が再び始まったのだ。


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