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05 語る


 お話し、いろいろと、聞きました。


 複数の問題が絡み合っていて、どれが正解かは、未だ不明。



 まずは、マクラさんの件。


 固有スキル『女神』


 俺はその手の話には疎いが、隠されているその秘密が公にされると、マクラさんの人生に二度と平穏は訪れないであろうことは理解出来た。


 もしその秘密を握っている者たちが暗躍しているとなれば、対処法はただひとつ。


 速やかな、根こそぎの、壊滅。



 次に、チームモノカの件。


 モノカさんたちのこれまでの特使活動を恨む何者かの復讐の可能性。


 だとすれば、今の我々には情報不足。


 あの連中を生かして捕らえられなかった自分の力量不足が、返す返すも情けない。



 もちろん、ただの人さらいであった可能性も無くは無いのだが、あれほどの危険な使い手が王都城下町にうようよしているとあれば、それはそれで大問題であろう。



「この件は、ツァイシャ女王様も御心を痛めておられます」

「実の娘のように気に掛けていらっしゃるマクラさんへの乱暴狼藉」

「女王様は、信頼できる者たちに至急の調査を御命じになられました」

「調査の内容如何では、国をも動かす覚悟も厭わぬ御決意です」


 ササエさんから、語られた内容。


 この国で、モノカさんたちが平和のためにと成した事と、ツァイシャ女王との絆の深さ。


 まさに、特使勇者。


 俺のような一介の武芸者には、少々荷が重い。



「巡回司法官本部にも、組織として最大限の働きを成すようにとの通達が届いております」

「今の平和な王国へと導いて下さったモノカさんたちのため、全員一丸となって事にあたっています」

「回収されたあの連中から得られる情報は、必ずや事件解決の糸口となるでしょう」


 リシェルさんの、熱いまなざし。


 モノカさんのチームの強さは、武のみならず、人望と人脈によるものも大きいのだろうという事が、良く理解出来た。



「皆さまが心置きなくお勤めを果たせるように、裏方の私たちも精一杯頑張ります」


 ミスキさんの、潤んだまなざしと決意の言葉。


 その柔らかな印象以上に、心が強い人なのだろう。


 ただ、俺の今までの人生にはいなかったほどの、なんというか、女性、なのである。


 俺のような武骨者には、少々眩しすぎる。



「モノカお姉さまの御家族に仇なす者たち、このクリスティア、断じて、許すまじ」


 この場での緊張感ある話し合い、中でもひときわ鮮烈な、抑えきれぬほどの気を放っているのがクリスさん。


『秀麗無双の槍乙女』の名声は我が故郷にまで届いていたが、間近で感じる鋭い気は噂以上。


 モノカさんを慕い集う人々は皆只者では無いことが、改めて実感させられる。


 だからと言って、自分と比較して僻んでいる場合ではあるまい。


 俺に出来る事を、俺らしく、成すのみ。



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