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16 女神


 見た目は小さな平屋の一軒家にしか見えないこの家は、中に入ると部屋数多数・居住設備完備の快適空間でした。


『収納』魔法を最大限に活用した自慢のおうちですっ、と、後ほど会えた天才魔導具技士兼建築家のアリシエラさんは語った。



 カミスさんも頻繁に、訪れてくれる。


 というか、カミスさんがモノカ邸で寝泊まりせずにこちらで過ごすようになった事を、責められるのは、なぜか、俺。


 モノカさんとの関係が婚約状態から進展しないことが、乙女たちには大層な御不満、らしい。


 だが、その手の話題は、俺、門外漢。



 ライクァさんも時折、訪れてくれる。


 類い稀なる肉体を、絶やす事無き鍛錬で鍛え上げた、誰よりも優しき心を持った、おじさん。


 あの戦争屋との闘いの件、言葉少なながら、深い感謝を告げられた。


「姉夫婦の弔いの機会を与えてくれた事、どんなに感謝しても、しきれぬ、ぞ」


 何度か手合わせしてもらえたが、いかんせん、実力は天地の差。


 それでも、少しずつでも、打ち合える時間が長くなっていく事が、嬉しい。



 基本的には食事は自炊、のはずだったのだが、食事もおやつもしょっちゅうお呼ばれされる。


 俺の故郷の料理の事を聞いて再現してくれるマクラさんの美味い料理。


 抗えず。



 チームモノカやチームカミス以外にも、チームアランやチームロイ、


 冒険のお誘いをしてくれる知り合いも増えた。


 流れの独り者だった俺としては、今の生活は、とても楽しい。


 ただ、女性陣が華やか過ぎる事だけは、相変わらず、慣れぬ。




「シナギさんは、里帰りの御予定などは」


 上目遣いのモノカさん。



「便りの無いのが元気な証しなどと言いますが、そういう感じで」


 はて、何やらそこはかとなく危険な気配が。



「実は、チームモノカの本分は冒険の長旅であろうという指摘が、仲間内から上がり始めまして」


 うむ、何となく読めた、かも。



「マクラのお勉強の方も一段落するので、そろそろかな、と」


 ここはさらりと流さねば。



「それでは、留守番は俺にお任せを」


 どうかな。



 もしもしモノカさん、その潤んだ上目遣い、向ける相手を間違えておりますよ。



「シナギさんは、本当に頑固なのですね」


 よく言われます。



「チームモノカの面々も、頑固が取り柄なのですよ」


 頑固比べの根比べ、勝利の女神が微笑むのは、果たしてどちらかな。




 えーと、モノカさんの後ろから、マクラさんが微笑んでおられますよ。



 あとがき


 リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。


 彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。


 お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。


 ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。


 リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。




 iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。


 整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。



 楽しんでいただけたら幸いです。



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