表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱小天文部員、星野エリの放課後  作者: プリン田中
32/40

入部届の行方

 朝八時。

 エリが学校に着くと、速水が廊下にいた。

 エリが「おはよー」と言うと、「うん」とだけ返して、一枚のプリントを渡した。


「入部してくれるんだね!」エリは手渡された入部届を見て、目を見開いた。

 そんなエリを見て、速水は喉の奥がかゆくなったが、いつもと同じ声で話した。

「俺、入部はしないことにする」


「えっ、そんな……」

 エリの顔は暗転する。 


「天文部の雰囲気はとてもいいと思ったんだけど、これから塾とか行かないといけなくなるから、やっぱり部活には入らないことにするよ」

「でも、秋人センパイとか、週に一日だけだし、これる日だけでも大丈夫だよ」

 エリの眉は八の字になって、瞳は潤んでいる。

「ごめん。先輩にもそう伝えておいてくれるかな」

「うん……」

 

 まだほとんど生徒のいない一年生フロアの廊下は速水に、この世界にエリと速水しか存在しないような感覚にした。だが、それがただの錯覚であるのことを、速水は知っている。


「俺さ、気づいたんだ」

「何に?」

「いや、俺もわからない」

 

 速水はエリに、入部届の処分を頼んで、自分の教室へと帰った。

 教室に入るまでずっと、速水は自分の背中にエリのまなざしを感じていた。

『いや、これも錯覚かな』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ